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YASHICA FR のミラーアップなジャンクカメラ またまた苦労しそうな予感しかしないけれど分解修理に挑戦

この記事は約8分で読めます。

ジャンカメハンターのぐりやんです。
本日の獲物はYASHICA FR です。
昨年一台入手済みですが今回はジャンクセットに含まれていたため、図らずもGETとなりました。

YASHICA FR とは?

YASHICA FR は1976年に発売されたヤシカ製の1眼レフです。
国内では黒しか販売されなかったようですが海外ではシルバーが入手できたようです。
マウントはコンタックスマウント(いわゆるヤシカ コンタックスマウントです)ですからRTSなどと共通です。なのでコンタックス用のCarlZeissレンズが普通に使えます。
FRはRTSと同時期に開発されておりワインダーなども共有することができるそうです。
そして、このFRは非常にユニーク?な特徴があります。
電磁レリーズ、電子シャッターを搭載しているにも関わらずマニュアル露出専用機なのです。他にこのようなカメラは無いんではないですかね?
この後発売されたYASHICA FRⅠは絞り優先AUTOが搭載されたので、本当の意味でのRTSの兄弟機と言えますね。

ミラーアップフリーズとその他の状態

題名の通りミラーアップ状態でフリーズしています。
電池を入れても復活しません。

未点灯時は白く見えるLED 薄っすら赤く点灯している

また電池を入れてもバッテリーチェックランプが薄っすらというか、ほとんど点灯しない状態です。
外観は汚くて、ペンタカバーにアタリがあります。巻き戻しノブにもアタリというか変形があります。

そしてファインダー内に何か不自然なキズ?カゲ?か何かがあります。

まずはミラーアップを修理すべく、サクッと分解 

このカメラはミラーにエアダンパー?が使われている様です。
エアダンパーが使われているカメラではエアダンパーのトラブルでフリーズしてしまうものが多いということでエアダンパーを目指します。ミラー用のエアダンパーは向かってレンズの右側にある様です。
前板を外す必要があるので結構大変ではありますねぇ。

注意

ここで前板をサクッと外したのが大失敗の始まりでした。前板を外して整備をやろうとする方はサクッと外さず注意深く外してください。理由はこの後w

この様にミラーと後幕にそれぞれダンパーがあるんですね。コストかかってますよ。
そしてミラーダンパーをツンツンとつついたらミラーが降りました。やはりこの辺が引っかかっていた様です。
本来ならば取り外して分解でしょうがミラーを動かしてみると意外とスムーズなのでそのままピストンをクリーニングする事にします。後幕ダンパーもかなり汚いのでついでにクリーニングしておきました。

ついでにボロボロのミラーダンパー用のモルトも交換しようと思い、ネジを外したらファインダースクリーンやならんやらがポロりポロりと外れてきましたのでついでにキレイにします。

モルトも貼り替えてキレイになりました。ミラーは汚いままですが(汗)

底蓋を外したままでしたので電池を手で押さえながらレリーズしたらミラーアップ状態で固まりました。電池を外すとミラーが下がりました。
前回を思い出すとシャッター速度ダイアルを外した状態だとこんな状態になることを思い出しました。
で、ダイアルだけを取り付けてレリーズしてみると?

♪───O(≧∇≦)O────♪

やりました。全速OKです。シャッターは直りましたのでその他の確認をしまーっす♪

ところがここからが長い戦いになるのでした(大汗…)

このカメラったら、前板を組み立てるのめっちゃ大変でした。もう大変すぎるやらムカつくやらで写真がありませんが

前板を外すとこの辺についているプーリーやら糸やらが外れてしまい組み立て方がわからなくなるんですよ。これは絞りリングを動かした時に糸が引っ張られてファインダー内の絞り指針を動かすためのものです。なので前板を外す場合はこの辺りの糸の接続やバネのルートを確認しながら慎重に外してください。あとで組み立て方がわからなくなり苦労する事になります。

一号機をバラして確認するのはミイラ取りがミイラになる可能性が高いので試行錯誤します。
結果、数回の分解組立でも上手くいかず結局ペンタプリズムを外し(ハンダを外す必要あり)なんとか復元できました。時間にして数時間とかなり苦戦しました。
セルフタイマーのところを組み立てるのも難しいです。分解する前にセルフタイマーをチャージしておく事をオススメします。そうすれば比較的簡単に組立できるでしょう。

組み立てて電池を入れてバッテリーチェックボタンを押してもLEDは暗いまま。やっぱダメかな?
シャッター全速正常に走りますけどね。ここでその日はやめて寝たのですが。zzz…

そして次の日整備再開しましたら、レリーズできません。バッテリーチェックランプ(以後BCランプ)は全く点きません。
電池をチェックすると6Vあるはずの電圧が4V程度しかありません。
バッテリーチェックランプが暗かったこと、一日足らずでバッテリーが消耗してしまったことから電源ラインの亜短絡を疑いました。
取り敢えず新品の電池を入れてみます。BCランプは全くつかずシャッターも不動になってしまいました。嫌な予感!すぐに電池を抜きます。
すると電池が暖かい。こりゃ短絡しちょるじゃろ。完全に壊れたか?
とりあえす回路図はないですが回路自体かなり単純ですので回路とボディの短絡を追います。
電池ボックスからペンタプリズムの所の基板に来ている赤配線が電源ラインですね。
まずは電源ラインとアース間の抵抗をチェックします。いきなり電源ラインとボディに通がありますよ。
コリャ電池を短絡させた状態ですね。電池が熱くなるのも納得です。
電池ボックスから基板に繋がる配線に傷発見!一旦ハンダを外してチューブで覆いました。
するとBCランプが明るく点灯しました。これが原因でした。
これで直ったかなと露出計の電源を入れてみました。

露出計が動きません。

それどころかシャッターも動きません。BCランプもつきません。

マジかよー。もうどうなってんのこれ。

冷静に考えます。

このカメラは電子シャッターなのでシャッターを制御するのに電源が必要でもちろん露出計を動かすのにも電源が必要なのです。
しかし電源スイッチは露出計のみのスイッチであり電源を入れなくてもシャッターは切れます。
電源スイッチを入れるとダメになるという事は露出計の方に電流が流れると問題が起こるという事です。スイッチ入れるとまたボディに落ちてる(短絡の意)可能性があります。BCランプも点かなくなりますからね。

露出計の回路も単純で先ほどの電池ボックスから上がってきた赤配線のところからピンク配線で電源スイッチまで行きスイッチを入れるとピンク線で電源が基板に戻って来てCDSに入り次にグレー線でASAダイアル下の可変抵抗に繋がっています。

この写真では異常ないのですが

すると

やらかしてました。自爆ですわ。ブリッジしてました。露出計の電源を入れてCDSに電源が来るとここから・・・どこに繋がっていたのでしょう確認してませんがとにかくココを綺麗にしたら直りましたw
この辺のハンダは触っていないのですが小手先が触ってしまったかハンダの粒が飛んだのか不明ですが最初の写真ではここ綺麗なので自爆に間違いありません。まだまだ甘いですなぁ〜。
しかしこの基板たらハンダ付けが全般的に汚ない。配線も焦げ焦げです。このあと目立つ所はハンダをやり直しておきました。全部配線をやり直したいレベルですがねー。

トラブルは続く

バラック状態で露出計もOKになりました。露出オーバーでは上の赤LED適正露出では緑LEDアンダーでは下の赤LEDがちゃんと点灯します。これで完璧かと思い組み立ててチェックすると緑LEDが点きません。まだかよー。
また上蓋を開けてチェック。
上蓋を開ければ緑は点きますが閉めると点かない。
緑が点いた状態で上蓋を強く押し付けると緑が消えます。
上蓋とのショートを疑い全面に絶縁をしても直らず。

配線をあちこち指で押さえつけても緑は消えません。原因がわからない。
さっきのハンダブリッジの横に赤い配線がありますね。実はこの線が緑LEDにつながる線なのですがこちらもなんだか怪しい気がしますね。しかも基板はフラックス(茶色いやつね)だらけ。
まだブリッジがあるのか?アルコールでフラックスをキレイに拭き取ります。ついでに基板全部拭き取りしました。
と?

♪───O(≧∇≦)O────♪

直りました。蓋を閉めても緑は消えません。フラックスは絶縁体なはずですが、フラックスに隠れて微小なブリッジがあったのかな?しかし汚ない基板でした。これは組み立てにも問題がありますね。

49年前の人に文句を言っても仕方ないですねw。

今度こそ完璧か?

組み立ててチェックしました。ぱっと見完璧です。露出計もOKになりました。

最後にシャッターの開き具合をBから順にチェックします。

1/500まではOKです。が1/1000でスリットが閉まるのが早い。後半で後幕が追いついてしまう、つまり先幕の幕速が少し遅いようです。

底蓋を開けましたがテンション調整ギアが見えません。

よく見るとモータードライブ接点の奥にありましたので接点を取り外して調整しました。と言っても2クリックテンションを上げただけでOKになりましたけどね。

最終チェック

全て動くようにはなりました。何度もシャッターチェックしましたがスタックは全くありません。露出計は何だか2絞りぐらいオーバーですね。ASA12に設定してSA100のフィルムを入れれば適正になりそうです。まだまだ調整不足ですね。フィルムカウンターも動いてはいますがギアが割れていましたからいつ動かなくなるかわかりませんね。

コンディション認定

作動は問題ありませんが、露出計がズレていてカウンターは風前の灯でフィルム室のモルトも貼り替えていないって事で、今のところ「難あり品」ですね。

あとがき

今回はXEに続きなかなか上手くいかずに疲労困憊してしまいましたので、また落ち着いたらいじってみたいと思います。今回はここまで。一応カメラとして使う事はできますし、もう一台完動品がありますからね。

ぐりやん
ぐりやん

最後まで読んでいただき感謝です。
さて次回は1978年に発売された、リコー製の一眼レフをレストアしていこうと思います。乞うご期待w

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