「ウェルタ ペルレ」は1935年ごろ発売されたドイツ製のセミ判(6x4.5)カメラです。
超ボロボロですがジャンクセットとしてGETしました。
ウエルタペルレ ザイステツサー F2.8 コンパーS ¥215
昔のカタログに書いてあった風に。最高級品はコンパーラピッド付き(15円高)だったようですが、この子は最高1/250のコンパーS付きです。
しかしながらレンズは最高級版と同じカールツアイスイエナ テッサー 7.5cm F2.8付きです。
この機種はいろんなバージョンがあったらしいですが、この個体はファインダー横にシャッターシャッターボタンがない前期型で、ツァイスのテッサーF2.8をSコンパーシャッターに搭載したタイプです。
シャッターやレンズの製造番号から製造年は1935年前後だと思われますので80年以上前に製造された事になりますね。
75mmF2.8のレンズを搭載するにはでかいシャッターが必要だったのだろうけど、#0番のコンパーSですからセミ判のカメラに搭載するにはデカすぎる感じですw
同じセミ判でコンパー#00番にテッサー70mmF3.5搭載のスーパーイコンタと並べてみました。
ペルレのレンズとシャッターの大きさがわかりますよね。
ちなみに#00番シャッターは外径45mm #0番シャッターは58mmです。
このデカイシャッターをボディ内に沈胴させないといけませんからボディが巨大になってしまったと思われます。
セミ判のカメラにこのデカくって明るいレンズとシャッターを詰め込んだのはある意味凄い事かもしれませがこのサイズならば6x6判に出来そうですよね。
では状態を見ていきましょう。
ボロボロですが、状態を確認していきます
先ずは外観ですが、最初に書いた通りでして、かなりひどい状態です。メッキが剥がれてサビサビボロボロ、所々緑青を吹いている所も有ります。
特に三脚座付近の腐食が酷いですね。まるで海底から引き上げられた様に腐食しています。
貼り革はボロいけど欠損は微小です。
レンズはめちゃクモっています。
ファインダーはそれなりでしょうか。
赤窓と赤窓の開閉機構はスムーズさは無いものの、問題なさそうです。
そして肝心の蛇腹ですが、経過年数から考えるとかなり良い状態と言えるのですが、一ヶ所大きな穴が空いています。
操作系統はと言いますと、巻き上げはザラザラとしていてどちらにも回ります。通常は逆回転防止機構があるはずなので壊れていると思われます。
レンズのポップアップはスムーズでは有りません。
シャッターは全速ほぼ正常なようですが、セルフタイマーは粘っているようで動きません。
絞りは良好ですね。
ヘリコイドは少し回りが悪いようです。
分解と修理
先ずはシャッターを取り外して蛇腹の穴に合わせて革でパッチを作り貼りつけて穴を塞ぎました。
次にレンズ!といきたいところですが、レンズの状態が酷いとモチベーションが下がって放置してしまいそうなので、レンズ磨きという最大の楽しみは後回しにしてボディを弄っていきます。
先ずは逆回転防止機構が故障している巻き上げ機構をから始めますかねぇ。
なんの連動もなく簡単構造ですのでサクッと分解します。
バネ状の部品が出てきました。逆回転防止機構の部品だと思われますので観察します。
どうもバネの引っ掛かり部分を折損で失っているようです。
バネを曲げて引っかかりを作ります。後は綺麗にしてグリスアップしながら組み立てます。
ファインダーの起き上がりが少し悪かったのでバネを調整したら、ほぼ良好となりました。
非常に単純な構造ですから後は、クリーニングするぐらいです。
ボディが綺麗(ボロいのには変わりありませんが(^^;;)になり全ての機能を回復しました。
レンズの状態
つぎはシャッター、そして待望のレンズですね。
レンズを取り外してみると、クモってはいますがキズはあまり無さげな感じです。
洗浄するとなかなか状態良くかなりクリアになりました。ノンコートですが期待できそうです。
コンパーSシャッター
シャッターは調子良さげですが、一応状態を見る為に開けてみます。
スプリングを外して調子を見ましたがオーバーホールの必要はなさそうです。
汚れたグリスの清掃とガバナーとセルフに微注油でシャッタ周りの整備も終了。
あとは全てのパーツを合体させれば修理完了です。
最終チェック
見た目はボロいけど、クリアなテッサーと、作動も快調いい感じですね〜。
これは写りも期待できる。
整備後記
ボロボロの超ジャンクでしたが、今回も無事レストアが終了しました。
外観はそれなりですがちゃんと写真は撮れるはずです。
あとがき
最後まで読んでいただき感謝です。
試写待ちのカメラが大量に有るわけですが、ノンコートテッサーF2.8は使ったことがないので早く使ってみたいものです。
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