ジャンカメハンターのぐりやんです。
本日の獲物は東京光学トプコンの望遠レンズ「UVトプコール135mmF4」の1型です。
もちろん先日入手したTOPCON UNIREXにハマるレンズですね。135mmF4としては大柄でフィルター径は58mmとなっています。前玉がデカくてカッコいいですね。
UV TOPCOR 1:4 f=135mm TOKYO KOGAKU JAPAN
このレンズについての情報は少ないですが、発売されたのは1965年ごろのようです。
構成は5群5枚と言いたいところですが一番後ろはおそらくレンズではなく内蔵UVフィルターだと思われます。UVトプコールシリーズのレンズはレンズエレメント貼り合わせ用の接着剤、バルサムにUV吸収剤を混ぜて有害紫外線を遮断したのが特徴らしいですが、このレンズのように貼り合わせ面がないレンズの場合はUVフィルターを追加したらしいのです。ですから実際のレンズ構成は4群4枚と言えそうです。てことで典型的なエルノスター型のレンズですね。
エルノスターは1929年にゾナーやビオゴンを考案したドイツのレンズ設計者「ルートヴィッヒ・ベルテレ」が設計したレンズでエルネマンの星という意味らしいですよ。
エルネマンというのはZEISS IKONの前身となるカメラメーカの一つでドイツのドレスデンにあったカメラメーカーです。屋上にドームを持つ塔のある社屋はZEISS IKONの社屋として使われ、東西ドイツ分離後は東ドイツのZEISS IKONの社屋そしてPENTACONの社屋として使われました。
そしてこの塔、エルネマンタワーがPENTACONのトレードマークになったのです。
閑話休題
で、このレンズの話に戻ります。
その他このレンズの特徴は最短撮影距離が1.7Mととても長い。全く寄れませんw
あと絞り羽根は5枚で5角形で、UVマウントレンズですから絞りリングがありません。
状態
レンズエレメントはクモっているし、ヘリコイドはスカスカで、絞りの動きも悪いです。
前玉もですが中玉はカビ特盛カビとクモリがww
そしてヘリコイドストッパーネジの頭には二つともギタギタにキズが入っています。
期待できんなぁ↓
分解整備
まずはヘリコイドストッパーネジを外してみました。
かなり固くはあったけれど外れましたよ。なぜこんなにギタギタになるのか?
少なくともまともな工具を使ってもらいたいものですねぇ。
サクサクとバラしてみると2枚目がクモッてました。
3枚目の玉ごついです。レンズ分解にはUNレンズサッカーが便利です。
ひどいカビとクモリがあったのは5枚目のUVフィルターでした。
ヘリコイドを抜くと砂がたっぷりとこびりついていた(汗)これがヘリコイドに噛みこんでいなくて良かった。
ヘリコイド洗浄は超音波洗浄機にお湯と微量の台所洗剤を入れて。劣化したヘリコイドグリスがぐんぐん溶け出し見る見るうちに水が濁ります。
絞りも分解してベンジン洗浄です。
ヘリコイドネジに問題発見
ヘリコイドネジをきれいに洗浄すると加工不良が露わになりました。
これでまともに使えていたのはなぜだろう。
正常に使えていたのならそのままでも問題なさそうではあるが…。
気になるので、両刃ヤスリでキレイに修正しておきました。
あとはグリスアップして組み立てればOKです。
最終チェックとコンディション
残念ながら2枚目の玉のクモリは残ってしまいました。
ちょっとだけデジタル試写
デジカメで軽く試写しました。結果を見て驚きました。
これ絞り開放で撮りましたが、とてもシャープでよく写りますよこのレンズ。
望遠なのに周辺光量落ちがあるのが良いですね。気に入ったww
コンディション認定
実物を見てもそんなにひどくは無く周辺部だけですから、あまり影響はないようですね。
どうしても取れないクモリがあるので「難あり品」ではありますが、試写結果からはあまり問題なさそうな気がします。
あとがき
最後まで読んでいただき感謝です。
なかなかボロいレンズでしたが残念ながらクモリが残りました。しかし拙者的には実用品と言えますね〜w。近いうちにUNIREXにフィルム入れて試写してみますね。
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