はい、お久しぶりのカメラゲット…でもないか(汗
とっても可愛いオシャレなカメラ「ペンティ」です。
PENTI(RED)とPENTI Ⅱ
PENTI & PENTI Ⅱの簡単な紹介と使用するフィルム
このカメラ東ドイツで作られたカメラのようですが、変わった特徴だらけなんですよね。
まずは、フィルムが特殊。
そして巻き上げ方が特殊なのです。
まずはフィルムから説明しますと、いやいやフィルム自体は普通の35ミリなのですが、ふつうの金属のパトローネに入ったいわゆる135のフィルムは使えません。
このカメラ用のフィルムはSLcassetteと呼ばれるプラスチック製のカートリッジに入った状態で提供されたそうです。
上の写真の黄丸はSLカセットを上から、赤丸はSLカセットと135のパトローネを並べたものです。
パトローネよりSLカセットの方が背が低いのがわかると思います。
フィルムが装填されたカートリッジは現在市販されていませんが、空のカートリッジを入手して、35ミリフィルムを詰め替えることでこのカメラに装填することができます。
KARAT、RAPIDのカートリッジとも互換性があるとのことですので参考まで。
これらのカートリッジにはライカ判で12枚分しかフィルムが入らないので注意しましょう。
PENTIはハーフフォーマットなので24枚撮影できます。
要するにPENTIを使うにはいずれかのカートリッジを入手し12枚分のフィルムを詰め替えれば使えますよってことです。
あ、1台のカメラにカートリッジがふたつ必要ですのでお間違えなく。
この様に二つのカートリッジが必要です。
PENTIの場合は左側にフィルム入り右側にからのカートリッジを装填してやり、左のカートリッジからフィルムを少しだけ引き出して右側のカートリッジに少しだけ差し込みます。
そして裏蓋を閉めて巻き上げる度に右のカートリッジに撮影済みのフィルムが押し込まれて行きます。
そしてフィルムの巻き上げは、プランジャーと呼ばれる棒を押し込むことで行います。
上のペンティはプランジャーが飛び出した状態です。
レリーズボタンを押し込んで、指を離すとプランジャーがパコっと飛び出してきます。
これを押し込むとフィルムが1枚分送られると同時にシャッターがチャージされるという訳です。
このプランジャーによりまっすぐダイレクトにフィルムを送る機構とSLカセットのおかげでフィルム走行系に回転部分が不要となり、カメラをコンパクトにする事ができたと思われます。
PENTI(拙者の俗称は赤ペンティ)
で、拙者のPENTI1号機はPENTI REDでVEB KKWD (Kamera- und Kinowerke Dresden:ドレスデンにあるカメラとシネマの人民公社って感じ?のちのVEB PENTACON)で作られた様です。
形は丸みを帯びていて、色は金と赤(というよりえんじ)でカワイイですね。写真では銀色っぽいですが実際はもっと金色です。
レンズはMeyer-Optik(メイヤーオプティック)のTRIOPLAN(トリオプラン) 30mmF3.5を搭載しています。
シャッターはPRIMATというものらしく、125 60 30 Bでスローはありません。絞りは3.5から22までですね。
レンズの下側にPENTIと書いてあります。
残念ながら表示は全て印刷なので一部スレて薄くなっています。
ボディ下側にはGERMANY エルネマンタワー 謎のマーク 12/2034(多分モデルナンバー)
PENTI Ⅱ(拙者の俗称は角ペンティ)
そして2号機はPENTI Ⅱで角ばった外観となりセレン駆動追針式の露出計が内臓されました。
角ばったほうがPENTI Ⅱ です。
レンズはDOMIPLAN 30mmF2.8へ変更されています。
ドミプランもトリオプランと同じトリプレット構成ですが、ドミプランはマルチコートとどこかで読んだ気がしますが真偽のほどは定かではありません。
メイヤーオプティック銘は無くなっています。東ドイツのカメラメーカーの合併の影響だと思われます。多分。
レンズ周りには小さなレバーが付けられて操作性が大幅に向上しています。
赤でシャッタースピード緑でピント、黄色で絞りの変更ができます。
ファインダーは採光式ブライトフレーム入りにバージョンアップ。
そしてセレン追伸式露出計が内蔵されています。
ファインダーを覗くと針が2本見えます。これを合わせれば適正露出ってことになります。
ファインダー周り
黄:ブライトフレーム用採光窓
緑:ファインダー
赤:セレン露出計用採光窓
レンズ下側にはPENTI Ⅱ の表示があります。そして露出計の感度がDINで表示されています。
フィルム感度のDIN表示
DIN?聞きなれませんね。実はISO表示では、基本的にアメリカの規格であるASAとドイツの規格であるDINを併記するようになっていルのです。どこに書いてあるのか?上のフィルムパッケージを見ると「ISO 50/18°」と書いてありますよね?この18°こそがDINなのです。
ではカメラの感度表示で使われるASA、DIN、GOST(キリル表記:ГОСТ) 、そしてISOの違いをちょっとだけ。
ASAのAはアメリカのA アメリカ標準規格
DINのDはドイツのD ドイツ工業規格
ISOのIはインターナショナルのI 国際標準機構
GOSTのGはガバメントのG (ソ連)政府の標準
てこととらしいですよ。
DINのみの表示とは東ドイツらしい気がします。
で、DINは対数表示で(log覚えてますか?dB(デシベル)知ってますか?)簡単に言うと、
+3で倍になって-3で半分になる。DIN21=ASA100です。
これだけ覚えておけば変換できます。
PENTIⅡは
DIN21=ASA100ですから
DIN18=ASA50(21-3ですから100の半分、上の例がこれです)
DIN15=ASA25(21-6ですから100の半分の半分)
DIN24=ASA200(21+3ですから100の倍)
簡単ですねー
ISO表示のカメラはASAとDINが併記されていますヨ。
オレンジの方がDIN表示です、白ASAで100だから、オレンジDINは21です。
解りやすいですね。
そして底面
会社銘とモデルナンバーは無く、MADE IN G.D.Rとエルネマンタワーのシンボルマーク、謎の三角マークのみ表示されています。
MADE INと英語の表記があることとから、輸出用だと思われます。
ワンショット試写
2台とも各部の動きが渋かったため、軽く分解してグリスアップしてから試写に移りました。
トリプレットらしくやや甘ですが、なかなかいいじゃないですか。
あとがき
最後まで読んでいただき感謝です。
さて次回はペンティ2台の試写結果をお届けします。乞うご期待w
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