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TOPCON UNIREXを分解修理|外観はキレイな超ジャンク!前代未聞の修理とは?

この記事は約7分で読めます。

ジャンカメハンターのぐりやんです。
本日の獲物は、とってもキレイな「トプコン ユニレックス」です。

TOPCON UNIREX について(おさらい)

1969年に登場したUNIREXは、ウインクミラーS から始まりUNIに続くシリーズ3世代目のカメラでトプコンのレンズシャッター一眼レフ最後の機種です。平均測光とスポット測光を切り替えられるところが特徴と言えるでしょう。

そしてメッキが素晴らしくキレイで、シルバーの専用標準レンズをつけると非常にカッコいいです。

状態を診てみる

外観は非常にキレイですがちょっとだけアタリがあります。

ファインダーは汚いですね。露出計は残念ながら動きません。

分解して不具合箇所の確認と対処の検討をする

ユニレックスはペンタプリズムのゴムバンドが溶けて消滅するという持病がある様です。ピントスクリーンの汚れはそれ程でもありませんから何か対処されているかもしれません。露出計故障も有りますから早速分解を開始します。

JHT17がジャストフィット。この工具があればこんな飾りネジもキズをつけずにしかも簡単に外すことができます。この工具はもう入手できませんが似た様なのが売っていますので買っておくと良いかもしれませんね。

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拙者は買っていないので良いものかどうかは判りませんので悪しからずm(_ _)m


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サクッっと上カバーを外すとペンタプリズムの上に謎のゴムが乗っかっていましたw

謎のゴムを退けるとゴムが溶けたカスの様なものがへばりついています。そしてプリズムは乗っかっているだけ。本来ペンタプリズムはゴムバンド(おそらくポリウレタン)で固定してあるらしいのですがほとんどの個体で溶けて無くなっているらしく、しかも溶けたゴムがプリズム腐食を引き起こすらしいのです。(UNIやUNIREXの持病)早速プリズムを確認しますと

逝ってました↓ まあ許容範囲ではありますから、見なかった事にしますw

ここにゴムバンドが引っ掛けてあった様です。
ペンタプリズム固定用のゴムバンドをなんとかする必要性と露出計の修理をしないといけませんね。

露出計の故障探求と修理

回路は単純ですからテスターで故障原因を探ります。

断線だったら簡単に治るのですが異状がありません。測光切り替えスイッチも問題ないしCdSの抵抗値は光に反応して変化しています。つまり、どこにも問題は無さそう。
あとはメーターの単体故障のみ。これが原因だと厄介なのですが…。
テスターで電圧を掛けてもピクリともしません。どうやらメーター単体が怪しくなってきました。
ヤバイっす。

メーターを取り外して動作確認

この辺にメーターが埋め込まれている様ですから、邪魔な物を外してメーターを抜き取ります。

メーターはいわゆる電流計なので、テスターを抵抗(Ω)モードにして端子を触れば針が動くのが普通です。メーターから出ている線は、黒線が一本しか有りませんが、もう一本は筐体アースですから筐体と黒線にテスターのプローブを当てて針が動けば良いわけです。
拙者のテスターは乾電池2本で動きますすから端子電圧は3Vです。このカメラはH-D水銀電池一つで動く露出計を搭載していますから適正電圧は1.3Vほどと思われ3Vは過電圧ですが、まあ大丈夫でしょうが真似しないでくださいね。ちなみに、このカメラに使うH-D水銀電池はすでに製造中止で入手できませんから電池アダプターを使うのが良いでしょう。

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この時代のカメラは電圧変換型を使わないと露出が狂います。安い無変換型ではダメ

ところが針は全く動きません。メーターの内部断線、最悪の故障です(大汗)

メーターの修理に挑戦

実は昔メーターの修理に挑戦して見事に成功したことがあります。原因はメーター内部にある「ヒゲゼンマイ」のハンダが経年で外れてしまったというもの。同じ原因ならば直せるかもしれません。
メーターコイル内での断線ならばお手上げですが、その可能性は極めて低いと思います。
コイル断線ならば潔く諦める事にして、メーターを分解していきますよ。

上の写真がメーターの中身です。黄色矢印で示しているのが「ヒゲゼンマイ」で上下にあり、コイルの有るローターを支えるスプリング的な役目とコイルに電流を伝える役目があります。真ん中に永久磁石があってコイルに電流が流れて磁場が発生すると、ローターが動き針が振れる仕組みです。さらに分解するためには端子からヒゲゼンマイを外して(ハンダゴテ)ローターをフリーにしてからから行う必要があります。
横に1円玉が写っていますが、かなりの極小部品でマクロ的作業なので困難が予想されます。
ここから先はくしゃみ厳禁ですw。ため息でも部品が飛んでしまいそうなので注意です。

端子からヒゲゼンマイを外してから上下の軸受を解放して、ヒゲゼンマイを傷めない様に注意しながらコイルを抜き取ります。するとヒゲゼンマイがポロリと外れてきました。ヒゲゼンマイはコイル側の端子にもハンダ付けされているはずですから、これがポロリと外れるは異状で、これこそが故障の原因ですね。

逆作用ピンセットで挟んで固定したコイルとヒゲゼンマイ

さてここをハンダ付けする必要があります。もう完全にマクロな作業ですわ。
肉眼では見えませんのでキズミで拡大して見ながらハンダ付けしますが、片目で見るため遠近感が無く非常に難しいです。しかもマイクロ単位の位置決めが必要ですしヒゲゼンマイの厚みはおそらく0.1ミリ以下で非常に変形しやすいため、作業は困難を極めます。

ちょっと失敗、ヒゲゼンマイを変形させてしまいました。でもまあなんとかいけるでしょう。
たぶん……

コアに組み込んで動作確認

♪───O(≧∇≦)O────♪ キター
こいつ、動くぞ!w

あとは、超慎重に元どおり組み立てました。

CdSへの当たる光量に応じて針が振れていますね。これでメーターの修理は完了ですね!

ペンタプリズムの固定バンドをどうにかする

まずは超適当に型紙を作り、写真を撮ってCADで寸法合わせしたのち3DCADで3D化します。

そんでもって3Dプリンターで出力しました。素材はTPU(ポリウレタン)ですwww

糸引きゴミが多いww

超適当に作った割にはそれっぽく出来ました。テヘヘw

最終チェックとコンディション認定

外観がキレイだったので楽勝かと思っていたんですが、まさかメーターの内部修理をする羽目になるとは思っても見なかったです。ですがまあなんとか直ってよかったです。平均測光もスポット測光もそれっぽい値を示してくれますのでなんとか使えそうですヨ。ペンタプリズもの固定もバッチリで各部の動作も絶好調です。コンディションはプリズム腐食が無ければ美品でもいいぐらいなのですが「難あり」品ですね。ちと残念w

あとがき

ぐりやん
ぐりやん

最後まで読んでいただき感謝です。
ウインクミラーEに惚れて気がついたら買っていたユニレックスですが、まさかの重故障品でした。
まあ、露出計がなくても写真は撮れるわけですが、やはり完調まで持っていくのがぐりやん流の流儀ですから頑張りました。まあプロはこんな修理やってくれないでしょうね。超希少品なら数万円かけてもやる価値はあるかもですが、もう一台買った方が安いですしね。まあ、アフォと呼んでいただければ幸いですwwwww。

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