実は拙者ハーフカメラが大好きなんです!な、ジャンカメハンターのぐりやんですw
だからハーフカメラは昔集めまくってたくさん持っているんですねww
昔はそれこそ二束三文で投げ売りされていたのですが、今から集めようと思うと意外と難しいかな?
そんなこんなで、本日は拙者が大好きなハーフカメラについて語ってみたいと思います。
ハーフカメラとは?
そもそもハーフカメラとは何なのでしょう?ハーフだから半分ですよね?ハーフカメラやハーフサイズカメラなどと呼ばれることが多いですが、本来ならばハーフフレームカメラと呼ぶのがしっくりくる気がします。実際英語圏ではそう呼ばれているようです。
ハーフカメラの定義
ハーフカメラに使えるフィルムは一番普通の35mmフィルム(箱に135の表記あり)です。
ハーフカメラとは、35mmフィルムを使用するカメラの一種で、通常の35mmフィルム1枚の撮影エリアを縦に半分に分割使用することにより、1コマ分のフィルムで2コマの撮影できるカメラなのです。
通常の市販フィルムでは、ライカ判(フルサイズ)で撮影した場合の撮影可能枚数が表示されていますから、このフィルムをハーフカメラで使うと撮影枚数が2倍になるのです。つまり最大36枚の写真を撮ることができる35mmカメラと比較して、ハーフカメラは同じ36枚撮りのフィルムを使った場合最大72枚撮影することができるのです。お得ですねー。
24枚ならば2倍の48枚撮れます。40が赤いのは昔のフィルムは24枚撮りではなく20枚撮りだったからです。よく見ると24の所が赤くなっていますね。これは昔は12枚撮りっていうフィルムも売っていたからなのです。
ハーフカメラの特徴とメリット
コスパが良い:最近フィルムって高いですよねー。少しでも安くフィルムカメラを楽しみたいと思いませんか?ハーフカメラは2倍の写真を撮影することができるのが最大のメリットと言えるでしょう。
コンパクトさと軽量性: ハーフカメラは通常の35mmカメラより撮影フレームが半分で済むためカメラが小型軽量になり、持ち運びやすいという利点があります。アパーチャーの面積が半分で済みますからカメラがコンパクトになるんですね。
これらの特徴が、ハーフカメラのメリットであり魅力だと言えるでしょう。
ハーフカメラのデメリット
ハーフカメラは2倍の写真を撮影することができるのが最大のメリットと申し上げました。しかし、一枚の写真に使うフィルムの面積が半分になりますから解像感が低下することになります。デジカメで言えば解像度が半分になるのと似ています。つまり、最大のデメリットは画質が低下するって事なのです。フィルムを半分にして使うので当然ですよね。
とは言え、拙者が思うにこれはデメリットとは言い切れない部分もあると思うのです。
何故か?
上にも書いたようにデジカメで言うところの解像度が半分になるのと似ているのですが、デジタルカメラでは画素が規則的に格子状に並んでいるのに対して、フィルムはアナログ記録なので画素という概念はなく、粒子がランダムに並ぶ感じで記録されているのです。なので解像度の低いデジカメのような荒い画像って感じではなく、粒子が細かいのか粗いのかという違いになるのです。
上の写真は写ルンですで撮った極端な例ですが、画質が低下すると言っても粒状感が強い、ある意味「味のある絵」になるのです。このような粒状感は高感度フィルムになるほど、そしてアンダーで撮ったものを焼き付け時に無理やり持ち上げることなどによって、このような極端な粒状感が現れます。さらにハーフの場合この粒子のサイズが相対的に倍の大きさ(粗さ)になるわけです。最近ではこれをエモいと賞賛する声が多数見られるんですよね。このような粒状感はデジカメの感度を上げることでも出るには出るんですが、同じにはならないんですよ。レタッチでも似たような感じは出せるかもしれませんが、やはり同じにはならないんですよね。
さらに、ハーフカメラはの場合は撮影面積が狭いため、粒状感が強調されますからフルサイズとは異なる独特な写りを生み出すことになるというわけです。この粒状感はハーフの副産物とも言えそうですね。
フィルムカメラの場合は意図的に高感度フィルムを使ったり、増感現像や高温現像をするなどのテクニックを駆使することによってさらに粒状感を際立たせることも可能なのです。(テクニックが必要ですがw)
ハーフカメラの種類
ハーフカメラは、多種多様な機種がたくさんのメーカーから発売されていました。一時期爆発的に流行し販売数を伸ばしましたから、現在でもかなりの台数が流通しています。
代表的なハーフカメラの種類やメーカーについては、前に記事にしていますから、そちらをご覧いただければと思います。
ハーフカメラに適したフィルムの選び方
ハーフカメラに適したフィルムの種類や選び方について解説します。
どんな写りを狙うのか?で適したフィルムは変わってくるのですが、できるだけ粒状感を抑えた(いわゆる微粒子)滑らかなでキレイな写真を望むならば、ISO感度が低いフィルムを選ぶのが良いです。ISO感度が低いフィルムは粒子が細かくなるのが普通なのです。フレームサイズが小さく粒状感が目立ちやすいですから少しでも粒子が細かいフィルムを選択するのが良いわけですね。しかしながら感度が低すぎるフィルムはそれなりのデメリットもありますからISO100が良いでしょう。
逆に粒子の荒い写真を求める声もよく聞かれます。そういう写真を撮りたい場合にはハーフはうってつけと言えます。ただでさえ粒状感が目立ちやすいですから、高感度フィルムを使うとさらに荒れた写真になるわけです。
こちらはハーフで撮ったのと同じにするためライカ判で撮った写真を半分にトリミングしてあります。フィルムは今はなきネオパンスーパープレストでISO感度は1600です。どうですか?このザラっと荒れた感じ。しかし古いハーフカメラで高感度フィルムを使う上で注意点があります。古い自動露出のハーフカメラでは高感度フィルムに対応していない場合があります。初代PEN EEなどはISO(ASA)200までしか対応していません。マニュアル撮影が可能なPENでも昼間に使うならばからその性能からISO400が限界です。屋内や夜ならば1600も可能ですけどね。(NDフィルターでも可能)
その他にも粒状感を出す手法は色々とあるので(例えば現像液の温度を上げるとか)興味ある人は調べて挑戦してみるのも良いでしょう。
結論:きめ細やかな写真を撮りたいときはISO100、ザラッとした粒状感を出したいときはISO400を選びましょう。ただし自動露出(EE)カメラの場合はカメラの最大感度設定値に注意しましょう。
ハーフカメラの購入ガイド
ハーフカメラを購入する際のポイントやおすすめの機種を紹介します。
私は「初心者なのです」って方にオススメ
フィルムカメラに慣れていないし露出なんて言われてもピンとこない。押すだけで取れたら最高。でも失敗は嫌だ。そんな貴方には、ピント固定のEEカメラがオススメです。
オリンパスPEN EE2かPEN EE3の前期型やリコーのオートハーフなどをお勧めしたいと思います。
私は「初級者なんだよね」って方にオススメ
フィルムカメラなら持ってる。(フルオートだけどね)そして、次はハーフに挑戦してみたい。
そんな貴方には初心者と同じオリンパスPEN EE2かPEN EE3の前期型やリコーのオートハーフが良いと思います。またフルオートカメラとをお望みであれば、京セラのサムライシリーズ、コニカ レコーダーなどもオススメです。サムライは一眼レフでズーム付きなんで他のハーフとは一味ちがった写真を撮ることができるでしょう。
私は「中級者だが何か?」って方にオススメ
フィルムカメラは既に使っている。目測ゾーンフォーカスも何のその。でもヤマ勘露出は苦手だから、できればカメラにやって欲しいんだよね〜。最低でも露出計がついてるやつがいいなー。
そんな貴方は、PEN EES系なら、自動露出だけどピントは目測ゾーンフォーカスです。フジカハーフやフジカドライブは自動露出ですがマニュアル露出も可能です。キヤノン ダイアルやデミシリーズ、ミノルタ レポも良いですね。露出計付きのマニュアル機なら、PEN Dやリコーキャディが良いでしょう。珍しいものが良いならば、オートハーフSLやオートハーフZFなども良いですね。フジTW-3って手もありますね。一眼レフなら露出計内蔵のPEN FTでしょう。
ワタクシは「上級者なのだよ」って方にオススメ
すでにフィルム一眼レフやレンジファインダー、中判カメラも使っている。目測でピントを外すことはないし、露出計なくてもヤマ勘露出でイケるぜ。
そんな貴方には、初代PENやPEN S などが良いでしょう。そしてPEN Fも視野に入りますね。
あえてPEN EEシリーズやオートハーフなどのかんたんカメラを、スナップ専用機として使ってみるのもオススメです。ピント固定でセレンによる自動露出の押すだけカメラが驚きの写りをしますから、目から鱗が落ちるのは確実でしょう(鱗が落ちなくても責任は取りかねますw)
わしは「超上級者なのだが?」って方にオススメ
フィルムカメラなら何台も持っているし、何なら現像も自分でやっちゃう。ハーフカメラも持っている。けれども何か見たこともない珍しいハーフカメラが無いかといつも探している。
そんな貴方はラピッドのハーフサイズなんて如何でしょう?ペンティやフジカラピッドD1などですね。買うならばラピッドカートリッジが二つ付いているものをお買い求めください。
そうそう、旧ソ連製のアガートやチャイカなども良いですよ。
拙者は「変態マニアでござる」どうすりゃ良いの?
拙者と同じですねw。そんな貴方は壊れてるジャンクでも何でも、好きなん買ってくださいね〜。
あえてオススメをいうならコレレKでも買ってください。(拙者にもコレレKを買ってくれ〜)
ハーフカメラの作例
では最後に、今まで紹介してきたハーフカメラの作例の中から、いくつか紹介してみたいと思います。
これは旧ソ連時代のベラルーシ製アガート18Kで撮った写真です。トイカメと言う人もいますが、おもちゃっぽいのは見た目だけ、テッサータイプの良いレンズがついています。
これはPEN EES-2で撮ったやつ。このカメラもレンズはテッサータイプですね。薄暗い時間帯で絞りは開放になっていますから周辺光量落ちがみられます。
これはペンティで撮ったやつ。テッサーに比べると周辺がボヤッと写るのが特徴のトリプレットというレンズを搭載しています。
こちらはちょっとレアな最初期の初代PENです。三光ペンとか片耳ペンと言われるタイプです。
マニュアル専用機なので、このようにバックをぼかした写真も何とか撮ることが出来ます。
こちらはPEN-Dの作例です。目測ですがうまくいって近距離にピントが合いました。PEN-DはF1.9という大口径(ある意味オーバースペックっすなw)レンズを積んでいるのです。シャッター速度は最高1/500ですからこんなシチュエーションだと頑張ってもF5.6までしか開けることは出来ません。ですから後ボケには絞りの5角形が出ていますね。
こちらはキヤノン デミですね。全く素晴らしい写りです。このレンズは謎が多いのですが、分解した人のレポートによるとテッサータイプをレトロフォーカス化したレンズなようですね。
最後はPEN-FTです。レンズはG. Zuiko Auto-S 40mm F1.4です。35mm換算では58mm程度となります。このカメラは一眼レフですから、レンズさえ揃えれば何でも撮れます。しかしレンズは流通量が少なく高価なものが多いです。
PEN-Fシリーズは一眼レフですが、ハーフですし独自の設計でペンタカバー(一眼レフについてる三角屋根みたいなやつ)がありませんからかなりコンパクトです。マニュアル露出だから表現も自由自在です。究極のハーフカメラと言ってよいでしょう。
これはE.ZuikoAuto-T100mmF3.5を使っての作例です。35mm換算では140mm程度となりますね。望遠レンズは人気がないのでお安いです。
あとがき
全般的に言えることですが、壊れているカメラを買うのはマニア以外にはお勧めしません。専門の修理店に依頼すれば治せることが多いですが、セレンなどの交換が効かない部品が壊れていると修理はできません。そして修理には高額な工賃が発生しますので、専門店で保証つきの完動品を買うのが良いでしょう。
最後まで読んでいただき感謝です。
ハーフカメラは各社からとてもたくさんの機種が発売されてかなり売れたモデルが多いですから今でも流通量は多いです。しかも各社ともに他社との差別化と低価格化にしのぎを削っていましたから個性あるカメラが多くて、ついつい集めてしまいたくなります。沼に、ご注意あれwww
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