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TAMRON SP 28-135 F4-4.5(28A)のジャンクレンズをGETしたんで分解して修理します

この記事は約11分で読めます。

ジャンカメハンターのぐりやんです。
本日の獲物はTAMRON SP 28-135mm F4-4.5(28A)です。
ドフの青箱出身で330円の汚いレンズです。

TAMRON SP 28-135mm F4-4.5(28A)

このレンズは、1983年にタムロンが発売した35mmフィルム一眼レフカメラ用のアダプトール2マウントの交換レンズです。このレンズは28mmの広角域から135mmの望遠域をカバーするズームレンズで、最短撮影距離は広角側で0.5m(1:4)なのでかなりの接写ができます。
レンズ構成はなんと10群17枚と贅沢な設計です。

タムロンのSP(Super Performance)シリーズは、高い光学性能と優れた機械的な品質を備えたレンズラインでした。現在所有しているタムロンのSPレンズは17mm超広角、90ミリマクロと500ミリ反射望遠、24-48mmの広角ズームなので、今回入手したレンズは、5本目のSPレンズでありまして、SPズームレンズとしては2本目の入手です。

入手時の状態

スリーコイン+TAXのジャンクとはいえ、かなり汚いです。
ズーミングは重く50mm付近で引っかかって広角側にズーミングできませんマクロリングのロックが全く効かずスカスカです。そしてレンズエレメントがとっても汚いです。
さらに動作確認を続けると絞り羽根の動きやピントもおかしい事がわかってきました。絞り羽根は粘りではなくどこかが干渉して引っかかっている感じです。ピントは無限遠が出ておらず、ズームすると無限遠がズレるつまりズーム補正が狂っている感じです。
って訳で、ほぼ使えないジャンクとなっておりますw

分解と修理

「マクロリングのロックが全く効かずスカスカ」から、みていくことにします。で、マクロリングのロックボタンが付いているプラのパーツを外そうと思ったのですが、このネジが超固い。タムロンのネジロックは強力なんですよね。部品がプラなんで強力な溶剤は使えません。プラが溶けちゃうからねぇ。エタノールを垂らしてしばらく待ってから、いつものJHTの最強ドイツ製ドライバーでなんとか外せました。と、

何やら金具が見えました。この金具でズームリングがロックされるようですが、ぷらんぷらんと遊んでいます。中で外れているようですね。リングを回していくと

ポロリと。なんと接着してあった模様です。接着剤が経年変化でポロリって。こんなところに接着剤使っちゃイカンでしょう。ファインダーを覗きながらマクロリングを回していると、どうやらズームリングがズーミングのズレ補正を兼ねている様です。

マクロリングを回すとマクロ用のヘリコイドが繰り出されてレンズが伸びます

このリングを外してみる事にしましょう。

このネジ(反対側にも計4本あります)で外れそうって事で外してみると、マクロ繰出用の真鍮製のヘリコイドを鉄のリングで押さえる様な変わった構造になっていて、外しちゃうと組み立てに難儀する仕様になっていました。この4本のネジによりマクロ用ヘリコイドと眼黒リングの嵌合が外れて調整可能にはなりますが、外すと組むのが大変です。緩めるだけにすればよかった。タムロンのマクロ繰り出しリングがある(マクロ用ヘリコイドがある)レンズの分解は十分注意したほうが良いでしょう。

ピントリングの調整は定番の粘着テープ固定式だったので、マクロリングと合わせて調整しました。これで、「無限遠とズーム補正の狂いが一気に解消しました。(調整は難しいので全くお勧めできません)
ついでにズーム用のカムスロットを見ると不思議なことにグリスが全くありませんでした。なのでグリスアップしておきました。これでズーミングの引っ掛かりも解消し正常になりました。

絞り羽根の動きがおかしいのはマウント側から攻めようと外しにかかりますが、またもやネジが固く回らない。実はこんな時のために新しいドライバーを購入してあります。ここはプラパーツは無いようですから強力な溶剤を流し込みしばらく待ちます。そして新しいドライバーをネジに当てがって見ると、かなりいいフィット感。これは期待できる。おりゃっと回すと意外と楽に回すことができました。まだまだ検証は必要ですがこのドライバーかなり好印象です。(後ほど紹介します)

そして異状がありそうな部分を確認すると、

変形した絞り動作伝達レバー

絞りを作動させるレバーが変形しているのを発見しました。変形の原因を突き止めるのに苦労しましたが、レバー自体が曲がっているのを突き止めて修正し、スムーズに作動する様になりました。

ついでに超汚い後玉群を外して、その中のカビ玉もクリーニングしました。後玉群は回して外せるタイプではなくネジ止めでした。このネジも超固かった。ここも強力な溶剤を注入して外しました。強力なネジロック剤はタムロンあるあるなので注意です。

で、後玉を外して掃除しているとレンズにキラリと光るものが(大汗)

後玉にヒビが入ってい流ようです。今回はレンズエレメントは外していませんから、おそらく最初からヒビがあったんだと思います。写りに影響は?多分あるでしょうね。ザンネン。

新たに投入したドライバー

今回新たに投入したドライバーは、実はビットのみでVESSELの剛彩ビットってやつです。用途は建築設備用となっていますがサイズは+0で、謳い文句は「史上最強のビット」と。

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ホムセンで見つけた時は「これは期待できそうだ」と即買いしました。

実は、こんなビットが無いかな〜といつも探していたんですよね。最近は電動インパクト用のビットが充実してきているのでいつかは+0番のインパクト用ビットが発売されるだろうと思って、ホムセンに立ち寄るたびにインパクト用のビットコーナーをチェックしていたんですよね。インパクト用だったらビットの先端強度はかなり高いはずですからね。

真ん中がWeraの6.35mm対応ハンドル 精密用としては大きめだが固いネジに高トルクをかけるには良い

インパクト用のビットをハンドツールとして使うには6.35mm六角差し込みハンドルが必要ですが、Weraのコンパクトなハンドルを持っていますから取り付けてみるといい感じです。このハンドルは「Wera 813 05051274001」という品番の物です。

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コンパクトな6.35mm六角差し込みビット対応ドライバーハンドルです

このハンドル単体で購入すると2,000円程度という高級品ですが、実はWera Tool-Check PLUSという工具セットに付属していた物です。このセットはカメラ用ではありませんが、かなりお買い得ですよ!バラで揃えると3万円ほどしそうなものが1/3程度の値段で買えますからね。

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憧れのWeraが!見るだけで欲しくなるw

使ってみた感じはネジの頭へ吸い付くようにフィットしていい感じですし、固くて回らないことで有名な(拙者比w)タムロンのネジが簡単に回せましたから、拙者史上最強の謎のドイツ製精密ドライバーに引けを取らないのでは無いかと思っています。
この0番ネジってやつは実はJIS規格に無くってJCIS規格なんですね。JCISとは日本写真工業規格ってやつで現在ではCIPA(カメラ映像機器工業会)ってのに変わっているんですがここが制定した規格なのです。0番ビットの規格は「JCIS -9-70精密機器用十字ねじ回しビット(0番ビット)」という規格でしたが現在は廃止され、「CIPA A D-002-2020精密機器用十字ねじ回しビット(0番ビット)」に代わっています。

JHTやKTCはこの規格に準拠しているように見えますが、KTCの形状には首を傾げてしまいます。またWeraの精密ドライバーには「JCIS 0(日本カメラ工業規格)に沿ってサイズ0を調整」と謳ってあります。Weraの精密+は持っていませんからなんとも言えませんがなんか信用できそうな気がしています。KTCは持っていますが、カメラ用としては全くお勧めできません。先端形状も上記規格に準拠しているとは思えませんし、全くの強度不足ですね。

全て0番(+0)サイズ SONY SEL50M28で拡大撮影

まだまだ検証不足ではありますが、これからも検証がてら使って随時状況をお伝えしようと思いますので、工具マニアの方はご期待くださいw

最終チェックとコンディション認定

ぱっと見はきれいになった様ですが、前玉と後玉の表面にはコーティングの腐食が残りました。後玉に小さなヒビがあります。操作系と絞りは問題なくなりました。

後玉にヒビがありますから、使えるけど「ジャンク品」に認定します。

あとがき

ぐりやん
ぐりやん

最後まで読んでいただき感謝です。
タムロンのSPレンズが330円で買えるとはラッキーとホクホク顔で家に持ち帰りましたが、まさかヒビがあるとは思いませんでした。レンズ銘板に分解痕がありましたから前に分解した人がヒビを入れてしまったのかもしれません。光学レンズは割れやすい様なので気をつけましょう。

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