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ZeissIkon Super Ikonta 531 ドレーカイル固着のジャンクカメラを分解修理 作例も少しだけ

この記事は約5分で読めます。

ジャンカメハンターのぐりやんです。
本日の獲物は、先日紹介しましたドイツ ZEISS IKON製のSuperIkonta531です。
今日は分解整備していきたいと思います。

レンズユニットの分離

先ずは、ボディとレンズ部分を分離します。
Img_5335
そしてレンズ部分から整備していきます。

固着したドレイカイル部とレンズシャッター部を分離する

取り外したレンズユニットです。
距離計を構成するドレイカイル部とレンズシャッター部が一体となっています。
ドレーカイル部はヒドイ固着で引き出すことさえできませんでしたが、少しずつ動かしていたら何とか動き始めました。しかしながら、やはり動きが渋い。
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先ずは可動軸の周辺を分解して様子をみます。
どうもグリスの固着などではなく根本的な問題がありそうです。
イチカバチがではありますが、ドレイカイル周りを分解し原因を捜します。
ドレイカイル部にアクセスするにはかなり分解しなくてはならないようです。
ピントリングを外し、前玉と中玉を外しプレートを外すと前玉とドレイカイルを連結しているギアが見えます。
Img_5338
そして何とかドレイカイル部の可動軸を抜き取ることに成功しました。

ドレイカイルの軸受けを整備

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ドレイカイルのヒンジ部分の穴の中は油切れを起こして錆が出ているようです。
グリスの劣化と錆が固着の原因だと考えられますね。
Img_5342
軽く内壁を研磨してグリスアップしました。
取り付けて確認します。
Img_5344
が、ネジを締めると動きが悪くなります。
原因は不明ですがニコイチかも知れませんね。
動きをよくするため接触面をほんの少しだけ研磨しましたら、バッチリになりました。
Img_5345

ドレイカイルプリズムのクリーニングとグリスアップ

ドレイカイルプリズム単体の動きも少し悪い様です。
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しかもきちゃないですね。カビが酷いです。
ドレイカイルプリズムの内側もキレイにしたいので分解に挑戦です。
分解してプリズムの内側をクリーニング、ギアはグリスアップしました。
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この2枚の歯車にはめ込まれたプリズムが逆に回転しますから相対抵抗が大きい筈です。接触面が少し荒れていましたが触らずにごく微量のグリスを塗布しました。
組み立ててチェックすると、ギアに遊びが出てしましました。
さあ何故でしょう?原因を探ります。このギアの集合体にはバックラッシュをなくす機構が組み込まれていました。このギアを見たときに80年代ホンダのレプリカオートバイに採用されていたカムギアトレーンを思い出したのは拙者だけ?実は昔'88CBR400RRに乗っていましたw
ギアを組み直したら遊びがなくなり動きもスムーズ、プリズムもクリアになりました。この機構、凄いですね。
これでドレイカイルのオーバーホールは完了です。

TessarとCOMPURの分離

次はシャッターからレンズを取り外します。
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レンズは普通に回して外します。

せっかくのテッサーも汚れカビなどが有り、汚いですね。
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次はレンズと行きたいところですが後回しにして、シャッターに取り掛かります。

レンズシャッター(コンパー)の整備

スローは全滅ですので、スローガバナの動きを確認します。

と?おや?問題ありません。
正常です。何か引っかかっていたのでしょうか?
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何もしていないのに治りました。

レンズユニットの組み立て

レンズを洗浄して(まあまあキレイです)サクッと組み立てました。
ノンコートレンズはカビの腐食などに強いですね。

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レンズ周りはこれにて完了です。

ファインダーと軍艦部の整備

レリーズボタンは戻りが悪いので二重写し防止機構とレリーズボタンが収められた左肩の部分を分解します。
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すべて取り外してレリーズボタンも抜き取りました。
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あとは清掃とグリスアップでOKとなりました。
ファインダーを調整するためにファインダーブロックを分解します。
中も、きちゃないですね。
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距離計のプリズムと保護ガラスなどもすべてキレイにします。
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前蓋の嵌合を調整してヒンジ部分はグリスアップしておきます。
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レンズがない状態ではありますが、ファインダーがシャキンと展開されると同時に前蓋シャキーン!と飛び出します。
ここまで来たらあとはボディとレンズを合体させて距離計とレンズの連動を同期させます。
外観はボロいけど味ということでOKですね。
ダミーフィルムを入れて作動確認して完成です。

GOOD!快調になりました。

今回はちゃんと試写もしましたよ。
試写結果を見てみたいと言う変わった人はご覧下さいね。

試写結果

灰ヶ峰から
Dsc03602a
ノンコートレンズですから逆光は厳しいですが、画面に太陽を入れてもこの程度は写ります。
強烈なフレアが出てコントラストが低下してはいますが、頑張っています。ゴーストも出ていますね。
でも、ノンコートで80年以上前のレンズでこれは、すごいですね。
(注:フォーカルプレーンシャッター搭載のレンジファインダー機でこの様な写真は撮らないで下さい。シャッター幕に穴があきますよ)
Dsc03602b
中心付近を等倍で貨物船と自衛隊の船でしょうか。築地町にある岸壁のクレーン?も引き波もはっきり写っていますね。
Dsc03607
某所にある神社ですが、鳥居付近の木の枝や奥にある球場の照明塔も良く写っています。
Dsc03611
いやいやよく写ります。人気のカメラだけありますね。
さすが鷹の目テッサー
Dsc03612
かっちりくっきり写りますね。
Dsc03614
次はカラーを使ってみたいですね。
Dsc03616

終わりに

ボロボロジャンクで買ったカメラですが、救いは蛇腹に穴が無かった事とノンコートレンズだからクリーニングだけで綺麗になった事ですね。

このカメラは、中判レンジファインダーとしてはかなりコンパクトで可愛くて良く写る。
人気なのも納得できる、とっても良いカメラですね〜

撮影データ

ZEISS IKON super ikonta 531 1936年製
Carl Zeiss Jena tessar 7cm f3.5
FOMAPAN classic 100 / 120
D76処方20℃:6min.
sony a7m2 digitaize

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