単体露出計 買うべきか?買わざるべきか? 必要なのか、それとも不要?

ズバリ!単体露出計は、必要なのか?

これはどちらとも言えません。
必要だと感じる場面を考えてみます。
「露出計を使わない方がカッコいい」とか、「俺、露出計必要無いからカメラに電池入れてねえし、露出計壊れてても問題ないし」とか、「まあ初心者は露出計使った方が良いかもね。俺には必要無いけどね」などと、こんな人種が居ますが、無視してもらって構いませんw

露出計が付いていないカメラを使う場合

これは単体露出計を持っていたほうが良いでしょう。
ネガフィルムを使って屋外で撮影するならば必要無いかもですが、適正露出を知り失敗せずにキレイな写真を撮るためには必要です。フィルム高いですからね。
またリバーサルフィルムを使ってみたい場合は必須です。リバーサルフィルムはラチュードが狭いためカンで撮るのはまず不可能だと思ってください。
正確な露出を測定するには入射光を測る必要がありますから入射光を測れるものを求めておくのが良いでしょう。入射光式ってのはプロのカメラマンがモデルさんなんかを撮影する場合に、助手の方がモデル付近で測定しているアレです。

露出計が付いているカメラを使う場合

ほとんどの場合、単体露出計は不要でしょう。
ほとんどの場合とは?必要な場合もあるの?
そうですねー。カメラに内蔵されている露出計は反射光式と言いまして、被写体に反射した光を測定するものなんですね。
では被写体が極端に光を反射しやすい、例えば真っ白なニャンコを撮るとしましょう。
真っ白なニャンコをカメラの露出計(反射光)で測って写真を撮ると白ではなくグレーに撮れてしまうんです。極端にいうと真っ白い紙を撮るとグレーに撮れます。
どういう事かというと、反射式露出計というのは被写体が18%グレーという明るさになるように設計されているのです。つまり真っ白い猫が18%グレーの猫に写ってしまうわけです。
では真っ黒い猫だとどうなるのか?
そうです。もちろん結果は同じ白い猫でも黒い猫でも18%グレーの猫に写ってしまうんです。
どうやったら、被写体の反射率に関係なく正確な露出を測れるのか?
そこで登場するのが入射光式の露出計なのです。入射光式の露出計を使って露出を決めると白い猫は白、黒い猫は黒に撮ることができるのです。別の言い方をすると、反射光式の露出計では被写体の反射率によって測定される露出が変わってしまうのです。
入射光式では被写体付近の明るさを測るので白い猫でも黒い猫でも露出は同じになり白いものは白く、黒いものは黒く写るわけです。例え話、極端な例なんで、ツッコミはナシでw

入射光式は万能か?

実は入射光式では測れない被写体があります。考えれば当たり前の話なのですが、光っているもの、つまり発光している物や透けているものは測れません。
例えばカラスの食器に後ろから光を当てて撮影したい場合やステンドグラスなどですね。考えれば当たり前の話ですよね。
そして測定するには被写体の場所に行って測定する必要がありますので遠くにあるものを測ることもできません。そう行った場合は反射光式で測定する必要があります。

結論

露出計が付いていないカメラを使う場合は必要
露出計が付いているカメラを使う場合は不要だがポートレートなどをリバーサルフィルムで撮影したい場合は必要
って感じでしょうか?まあ露出の勉強をする上で一つは持っておいても損はないと思いますよ。
露出の勉強をする上ではデジタル式よりもアナログ式がオススメです。
アナログ式はダイアルの組み合わせを見るだけでも露出の仕組みが理解できますからね。

そもそも単体露出計ってどんなんもの?

らいか
らいか

単体露出計って何なの?

はかせ
はかせ

説明しよう。
それは単体の露出計のことじゃ。
一つ持っておくと便利じゃぞ。
露出の勉強にもなるしのぅ。

具体的にはこの写真のようなもの。被写体の明るさを測定して追針式や定点合致式でシャッタースピードと絞り値を瞬時に計算できる。
ツインメイトとシックスチノは入射光、反射光とも測れます。

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拙者も使っているオススメ露出計 アクセッサリーシューへのクリップオンもできます

追針式(拙者が持っているもの)

手持ちのものを3つ並べてみました。3つとも追針式で同じようなタイプのもので、ツインメイトとオート・ルミはセコニック製でシックスティノはゴッセン製です。3つとも中古でしか入手できません。

性能はずっと下でまとめて表にしました。EV露出方式のカメラで使うならEV値がわかる物の方が便利な場合もあるでしょうね。
正確さでいうならセレンよりSPDなど電池を使うタイプでしょうがそこまでの精度が必要なのかといえば拙者的にはセレンで十分だと思います。
使い方は簡単です。下図はツインメイトの例です。他の二つも同じような使い方です。

1.あらかじめISO感度を合わせておきます。(赤丸)
2.露出計を被写体に向けて測定ボタンを押すと明るさが測定され指針(赤い針)が動きます。測定ボタンから指を離すと指針が15秒間保持されます。
3.ダイアルリングを回して追針(緑の太い針)を指針に合わせて、シャッタースピードと絞りの組み合わせを読み取ります。表示されている組み合わせはどれを選んでも適正露出ですから例えば1/1000とF5.6でもいいですし、1/60とF22の組み合わせでも良いです。EV値をセットできるカメラであればEV15にセットすれば良いことになります。ネガカラーやモノクロであれば少々のずれは気にしなくて良いですよ。

実際に操作してみた。こんな感じで片手で操作しやすい設計になっています。拙者的にはダイアル一つで片手で使える追針式ものが好きなのです。
セレン式は常に測光されていますから測定ボタンはないですがそれ以外は同じような使い勝手です。
ツインメイトとシックスチノはクリップオン可能ですが注意点があります。

双方をLeicaにくっ付けてみたところなのですが、シックスチノの方シャッターダイアルがほぼ隠れてしまいます。なのでこういうアクセサリーシューの近辺に突起物や操作部があるカメラには使えません。それとクリップオン金具は別売りなので注意です。
ツインメイトは写真のようにクリップオンアダプター(正式名称:シュー取り付け板)をオフセットさせて取り付けることができ、ある程度の自由度があります。クリップオンアダプターは標準付属ですが中古を買う場合は注意しましょう。

定点合致式、読み取り式(一個も持ってない)

その他現在販売されているものから選ぶとすれば下のようなものが有ります。

拙者は持っていませんが、候補になりそうな露出計を並べてみました。
左の二つはクリップオンメーターといってカメラのアクセサリーシューに取り付けて使うように作られたタイプです。上の黒いのがフォクトレンダーのVCメーター2で下の銀色のは中国TTartisanのTT METERで全て新品で入手可能、特にTT METERはお安いです。
上であげた露出計との大きな違いはダイアルが一つか二つということと定点合致式というところですが、使い方は三角か±を参考にどちらかのダイアルを回して緑のランプが点いたら適正露出ということなので、その時のダイアルの値を読み取ってカメラに設定するということになりますね。ダイアル二つのものは絞り優先的もしくはシャッタースピード優先的に使いたい場合には便利ですね。屋外でスナップに使う場合なんかだとシャッターダイアルを125か250あたりにセットしておいて絞りダイアルのみを回せば良いですからね。
二つとも2つのダイアルの間に数本の線が引いてありますがこの組み合わせでも適正露出になるということです。上の写真の場合どちらとも1/125 F16の組み合わせですが1/60 F22 でも良いし 1/250 F11でも良いわけです。この二つは反射光専用で入射光は測れません。
左側のDIGISIXはボタンを押すとEV値が表示されるので、ダイアルにEV値を合わせてシャッタースピードと絞りの組み合わせを割り出す方式ですね。いわばEV読み取り計算尺方式でしょうかね
こちらは測定範囲がEV0〜18までなのでかなり高性能ですよ。
EV0はロウソク一本の暗さですよ、もうちょっとくらいかもしれません。
ISO100で2秒 F1.4で適正露出ですからね。
これは入射光、反射光とも測れます。

終わりに

現行タイプでおススメはセコニックのツインメイトです。
この種のダイアル式はシャッタースピード、絞り、フィルム感度の関係性を勉強するのに非常に分かりやすいのです。よく露出の話でプラス1段とか、マイナス何段みたいな話が出ると思いますが、このタイプの露出計を触ってみると考え方がよくわかると思うんですよね。

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VC-Meter2EV1-20SPD1-221-1/2000LR44
TT Meter非公表非公表1-221-1/2000CR2032
L-208とSIXTINOはクリップオン可能です。

EV値の目安(ISO100)

シーン薄暗い廊下昼間の屋内日陰快晴の屋外
EV値EV5EV9EV12EV15
参考露出設定1/15 F1.41/60 F2.81/125 F5.61/125 F16
この記事を書いた人
GRiyan

ぐりやんです。自称ジャンカメハンター。フィルムカメラに傾倒しています。ジャンクカメラを買い集めて、レストアするのに夢中です。ブログ歴17年。その他、タイヤが付いてる乗り物が好きです。特に2輪のものが好きです。雪山とか海で遊ぶのも好きです。そしてウクレレも好きです。

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