30歳のスーパーリッジランナー 左ラピッドファイヤープラス シフターSHIMANO ST-M560 の分解修理

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SHIMANO DEORE LX M560 (第2世代 LX)

SHIMANO DEORE LXについてわかる範囲で説明します

DEORE LXのDEOREとは元々はツーリング車用のコンポでした。1982年にMTB専用コンポとしてDEORE XTが派生、そして1990年にミドルレンジのMTB専用コンポとして登場したのがDEORE LXでした。1991年にはMTBレース用フラッグシップコンポとしてXTRが登場、そして1992年にLXのM560シリーズが登場しました。

出典:シマノの歴史

M560シリーズはミドルレンジとはいえ当時XTRで採用されたラピッドファイヤープラスなどの最新技術がXTより早く投入された製品でした。外観上の特徴は黒く塗装されているところですね。漆塗りを意識して黒になったようですよ。
その後LXはSLXにバトンを渡すことになりました。SLXのSはSportsのSだそうです。

ラピッドファイヤーについて

ラピッドファイヤーというのは1989年ディオーレXT M735で初めて採用された変速レバーです。当時はダブルレバーと同じようなレバーをハンドルに取り付けたものが主流でした。ラピッドファイヤーはハンドルを握ったままで操作できる上、レバーを操作しても同じ位置に戻ってきますから、手元を見なくても操作できます。XT M735は親指だけで操作する方式でしたが、1991年に発売された初代XTR M900からラピッドファイヤープラスとなり、ダウンシフトとアップシフトのレバーを親指と人差し指で操作する方式になりました。まさに引き金を引いて早打ちをする様に操作できるようになったのでした。
そして1992年に登場したLX M560にも同じ操作系がものが採用されました。この方式は本当に画期的でした。そして30年以上経った現在でも進化しながら基本的には同じ操作系のものが継続して使われていますからスゴイですよねー。

ST-M560 左 シフティングレバーの分解整備

昨年あたりまでは正常に動作していましたが、先日久しぶりに乗ったところ、フロントの変速に異常が発生しておりました。

今日は不調だった左のラピッドファイヤーシフターをオーバーホールしました。

整備準備

バーエンドバーとグリップは邪魔ですから、あらかじめ取り外しておきます。
ST-M560はシフティングレバー(ブレーキ、シフター・一体型)ですからブレーキワイヤーを外す必要があります。マウンテン系のコンポはツーリング車用のコンポを基にしているのでブレーキレバーからブレーキワイヤーを外すのに工具は不要です。

シフトケーブルをを外すのはブレーキケーブルに比べると少し面倒です。フロントディレイラーのケーブルフィキシングボルトを緩めケーブルを外します。そしたらシフトケーブルをずべて抜いてしまいます。
これでやっとハンドルからシフティングレバーを抜くことができます。

シフティングレバーをハンドルから取り外したら、ラピッドファイヤー部のオーバーホールです。

ST-M560 左ラピッドファイヤー部のオーバーホール

注意

本来ラピッドファイヤー部の整備はASSY交換するような設計で分解整備できるような設計にはなっておりません。ですから、組み立てるのは意外と難しいです。挑戦する方は自己責任でお願いいたします。
当方は責任を取りませんので、悪しからずm(_ _)m

ST-M560(L)

いよいよラピッドファイヤー部を分解します。破損があるとスモールパーツの入手は困難ですから破損がないことを祈りながら分解して不具合箇所を探っていきます。

まずは、シフティングレバーからシフターを分離しましたが、実際やってみようという人は分離せずにやることをお勧めします。分離するとメインシャフト(仮称)がフリーになってしまうため取扱しにくくなります。
どんどん分解していきますが、スプリングなどをバイーンと飛ばさないように、また構造がわからなくならないように写真を撮りながら進めます。

不調の原因は赤○の箇所で、分解したのが黄○の軸です。ここが不調の原因でした。グリスの硬化というよりもグリス切れでした。グリス切れの為少し傷がついていました。

結局全バラです。

結局は全バラです。内部にプラ部品がありますので破損すれば修復は困難ですね。
全バラしたので、全ての可動個所などにグリスアップしました。

完全に組み立てる前に作動テストです。結果は良好で快調に動作しているようです。

完全に組み立てました。元どおりハンドルに組み付ければ全て完了です。
ハンドルは青色のアルマイトですが変色がひどかったです。

取り付けて動作を確認する

修理前はアウターからインナーまで一気に落ちていましたが、修理後はちゃんと一段ずつ変速できています。

これでまた30年使えるw

終わりに

メンテナスフリーというのも売りにしていた気がしますが、30年も整備していないわけですからトラブっても当然ですね。カメラも同じですが、動かないからといって流動性が高く清浄成分が入ったCRCなどを吹きかけてしまうと一時的には硬化したグリスが溶けて動くかもしれませんが、グリスが流れ落ちてしまいすぐに不調をきたすことになります。「CRC556はだめ!絶対!」です。
昨年か一昨年あたりにリアディレイラー用の右ラピッドファイヤーレバーはオーバーホールしましたのでこれで左右ともに整備済みとなりました。
最近の多段化されたコンポに比べればたった7速しかない旧々世代のコンポですが、十分か?といえば十分なのです。ですから壊れるまで使い続けようと思います。究極のエコ活動っすね。
次回はもう一箇所の問題点である、リアディレイラーを整備したいと思います。

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