こんばんは、今日もNHK FMを聴きながらブログを書いている、ジャンカメハンターのぐりやんです。
そして本日の獲物はSMC TAKUMAR 50mm F1.4です。
もちろんジャンク品で表題のとおりフィルター枠が変形しているんですが、これが非常に厄介なんです。果たして分解できるのか?そして、カビ取りの夢が叶うのか?
SMC TAKUMAR 1:1.4/50 ASAHI OPT. CO., JAPAN
このレンズはペンタックスの50mmF1.4としては第2世代のレンズと言えます。
第1世代の50mmF1.4は8枚玉と呼ばれる6群8枚構成のもの。これはレアモンですね。
第2世代の50mmF1.4は6群7枚でアトムレンズ が使用されています。
Super-Multi-Coated TAKUMARってレンズからこの構成になり、SMC TAKUMARは開放測光対応化されていて2.5世代と言えるレンズでM42マウントのレンズとしては最終型となります。
ES、ES2やSPFは、このSMC TAKUMARと組み合わせることでAEや開放測光が可能となります。
状態の確認とジャンク度
フィルター枠がかなり変形しています。そして内部のレンズエレメントがカビています。
レンズをクリーニングすればなんとか使えそうな状態ではあります。が、実は大きな問題があるんです。
カビを掃除するには前玉を分解しなくてはなりませんが、フィルター枠が変形したままでは銘板を取り外す事が出来ないのです。そして分解するには銘板を取り外す必要が有るのです。
つまりフィルター枠の曲がりをどうにかして、銘板を取り外さなくては分解はおろかレンズクリーニングもで不可能という事なのです。
さて困った。どうしたもんか?
破壊するしか無いのか? いや何とか修正出来ないか?
フィルター枠の素材は、アルミ鋳造で製作されている事がほとんどです。アルミ鋳造製品は、曲げ伸ばしに弱くすぐに割れてしまいます。
拙者も今までにいくつかのレンズのフィルター枠を修正しようとして割ってしまいました。フィルター枠の修正は破損の危険をはらんでいるという事なのです。
ですから当然ながら第1目標はフィルター枠を修正する事です。拙者はフィルター枠修正の経験値は、ボチボチ高いんですw
もし割れてしまったら、フィルター枠を削り落としてしまう他ないでしょうね。
その場合、フィルターは使えなくなりますが、レンズとしては使えるでしょう。
フィルター枠の修正に挑戦
修正はかなりリスキーな方法でやりましたので、ここでお話しするのは得策ではありませんから具体的な方法は割愛させていただきますが、慎重に少しづつ戻してゆき、かろうじてフィルターがねじ込める状態まで修正する事ができました。
しかし銘板は強い抵抗を示し、なかなか外す事が出来ません。ネジ山をキズミで確認するとネジ山の間隔が変形して不均等になってしまっています。フィルター枠の変形が酷くネジ山が痛んでいるようです。
一か八かネジ山を少し修正しては銘板が外れるようになったかを確認します。
小一時間繰り返し、ちょっと渋いながら何とか銘板が外れました。
フィルター枠も割れずに済みました。
銘板が外れれば、フィルター枠をネジ3本で取り外す事ができ、前玉が分解できます!
クリーニング
カビレンズは前玉3枚と後玉1枚の計4枚でした。
これらは取り外して洗浄しました。
後群の1枚目、絞りの直ぐ後ろの面はクモっていましたので、取り外さずにクリーニングしました。
ヘリコイドや絞りなどは問題ないので今回は触りません。
そして、フィルター枠のガリキズやネジ山の滑りが悪い部分を微修正して組み立てました。
最後に注意点ですが、フィルター枠の素材は本当に割れやすいです。修正は最小限に妥協も必要です。
完璧を目指すとほとんどの場合割れます。ご注意ください。
試写と最終チェック
レンズのカビとクモリは綺麗になりましたが若干のカビ後は残りました。しかしこの程度ならば撮影へ影響はほとんどないと言っていいでしょう。
アトムレンズ特有の黄変は若干ありますが、AWBならば問題ないレベルでしょう。
試し撮りを兼ねて、近所の紫陽花スポットに試写に出かけたよ
ここは最近は「呉あじさいロード」と呼ばれるようになったようです。
以前は長谷のあじさいロードなどと呼ばれていた気がします。
地元の方々が大切にお世話をしてここまでになったそうです。
あじさいはうちにも咲いているのですが、ここまで沢山の種類が見られるスポットは珍しいのではないでしょうか?ガクアジサイも色々あるのですね。
6月末ごろまでは綺麗に咲いているようですから一度訪れてみてはいかがでしょうか?
コンディション認定
フィルター枠に曲がりがある(修正しきれずに曲がりが残っている)が、使用に差し支えのない。
ですがまあ「難あり品」でしょうなw
あとがき
TAKUMAR 50mmF1.4は初代の8枚玉は極端に数が少ないため高値で取引される傾向があります。高性能なトリウムレンズを使用し枚数を1枚減らすことに成功した2世代目はタマ数も豊富で安価、写りも良くとてもお勧めできるレンズです。黄変だけが難点ですね。
第3世代と言えるSMC-PENTAX-Mはアトムレンズ を使っていないため黄変しませんがなぜだかバルサム切れを起こしている個体が多いです。狙う場合はお気をつけて。
実はこのレンズはもう一本持っています。なので欲しくはなかったんですけどジャンクセットの中に入っていたんですよね。こうやって同じような機材が増殖していくんですよね(汗)
コメント