当ページではアフィリエイト広告を利用しています

レンジファインダーカメラの種類と特徴編 | どんなカメラを選びますか第8回

この記事は約15分で読めます。

ジャンカメハンターのぐりやんです。今回はレンズ交換式レンジファインダーについて、ザックリとした種類と特徴をお話ししていきたいと思います。

この写真は拙者の所有するレンズ交換式のレンジファインダーカメラを並べたものです。
左上から下向きに順に名前を

ライカⅢb
ゾルキーⅠc
レオタックスF
キヤノンⅡD改

キヤノンP
ライカM3
ライカM5
ゾルキー4

コンタックスⅡ
キエフⅢ
コンタックスⅡa
ミノルタCLE

こちらのタイプはあまり持っていないのでほぼオールスターですw
今回も所有するものしないものも織り交ぜながら、順不同で簡単に特徴を書いていきます。

レンジファインダーとは?

前回はフィルムカメラを選ぶ上で一番メジャーと思われる一眼レフについてご説明申し上げたので御座いますが、今回はレンジファインダーカメラについてです。

レンジファインダーってのは直訳すると距離を探す?と意味不明ですが、距離計と訳される事が多いです。細かく説明すると長くなるので簡単に説明しますと、レンズのピントを合わせるための光学式距離計のことです。古いものだとレンズのピントと連動していない非連動距離計のものもあるのですが、通常はレンズのピントと連動していますので連動距離計と呼ばれ、レンズのピントリングを動かすことによってファインダー内の距離計である二重像が動きます。そして二重像がぴったり合うようにピントを調整すればピントが合った写真が撮れるのです。

連動距離計を搭載したカメラには主に二眼式と一眼式があります。
二眼式というのは、距離計のためのレンジファインダーと構図を確認するためのビューファインダーが別々で、覗くところが二つあるタイプです。バルナックライカがこのタイプです。
一眼式というのはビューファインダー内に距離計を内蔵させたもの。構図を決めるのと同時にピント合わせができますので、二眼式に比べると使いやすいのではないかと思います。

下の写真は一眼式レンジファインダーを搭載したライカM3のファインダーです。真ん中の黄色っぽく見えるところに注目してください。

左の写真では二重像がずれています。右の写真は二重像が(ほぼ)合っている状態です。
目で見るとこんなぼんやりした感じではなくハッキリクッキリ見えますよ。
まるでブライトフレームと、二重像が宙に浮いているような感じでねw

ライカLマウント L39マウント 

ソ連製Russarを装着したLeicaとElmarを装着したソ連製のZorki

戦前ドイツのエルンストライツ社が開発したLeicaという距離計連動式レンズ交換式レンジファインダーカメラとそのコピーです。エルンストライツ社は当然たくさんの特許を持っていたわけですが、特許を申請していない国や、敗戦によって特許の効力がなくなり世界の国々でコピー機が作られました。
そしてこれらのカメラのレンズマウントはLマウントとかL39マウントと呼ばれています。そしてLマウントのカメラで美味しいところは、いろんな国で作られた、たくさんのレンズが存在するところなのです。ドイツはもちろん、旧ソ連とかねw

そんな訳で、いろんなレンズが流通していて、レンズ選びを楽しめるのが一番の特徴といっていいでしょう。
本家ライカ、日本のものであれば、キヤノン、ミノルタ、ニコン、トプコン、フジカ、コニカ、オリンパス、ヤシカ、そして、比較的近年の製品ではリコー、アベノンやフォクトレンダー、宮崎工学その他もたくさんありますから探してみるのも楽しいでしょう。
そして忘れてはいけないのが、ソ連のレンズですね。安価で写りが良く流通量が多いので人気です。ただしほとんどのものがアルミ鏡筒で耐久性が低めなので整備されずに使い込まれたものはヘリコイドにガタがきているものもあるので注意が必要です。
ドイツから技術者を連れ帰ってライカのまんまコピーを開発するわけですからまあ同じようなカメラになるのは当然ですね。
そしてLマウントのレンズはMマウントのカメラにもアダプターを介して装着することができ距離計も連動しますから2度美味しいですね。
他にはタナック ニッカ ヤシカE YE キャノネックス や イギリスのリード アメリカのカードンなどがLマウントのカメラとレンズを生産していました。

Lマウント バルナックタイプおよびバルナックコピー系統

leicaⅡ型コピーのZorki-1C LeicaⅢb LeicⅢf型コピーのLeotax F

ライカとまんま見た目がライカと同じカメラです。
実際にはLeicaⅡ系Ⅲ系のレンジファインダー搭載機をコピーしたもの。
特にソ連のゾルキーはサイズ感まで同じです。
ソ連は当時はベールに包まれた謎の大国で、西側の特許は関係なかったのでしょう戦前からFEDというコピーライカ(レンズマウントはフランジバックが統一されていないので注意)を製造しており戦後はライカと同じフランジバックのZorkiが作られました。
戦後はエルンストライツ社の特許が無効になりましたから、日本でライカのコピー機がたくさん作られています。しかし工業技術水準やらなんやらでライカよりもほんの少し大きいものがほとんどのようです。
戦前ライツ社が日本で申請して受理されていた特許は距離計の光路内にビュファインダーを入れるというものだったそうです。その為、戦前キヤノンはびっくり箱のように飛び出すファインダーを開発したようですね。そして戦後もライカのような二眼タイプにはせず一眼タイプのファインダーを開発してゆくことになります。

他にはタナック ニッカ ヤシカE YE キャノネックス や イギリスのリード アメリカのカードンなどたくさんのコピーライカが存在します。

Lマウント 独自進化系統

LeicaⅢb CanonⅡD改 Zorki4 Canon P

上にもあげましたがキヤノンはライツ社の特許を避ける為独自の一眼タイプファインダーを搭載しています。ボディの機構はバルナック型と同じですが独自に進化してゆき最終的にはマウントにも若干手を加えて50mmF0.95という化け物レンズを発売することになります。
ソ連のFEDは初期の頃は初期のライカをコピーした為レンズマウントのフランジバックが統一されておらずレンズを交換すると距離計の連動や無限遠が出ないなどの問題がありますので注意が必要です。FED2からはLマウントと互換性があります。
Zorkiに関してはZorki1、2のみがライカと同じような外観で、その後は独自進化して外観もどんどん変化してゆきます。Zorki3で一眼式ファインダーとなった為外観はライカと同じでは無くなりその後はどんどん独自進化してゆく事になります。

他にはヤシカYF ミノルタイギリスのウィットネスやペリフレック 中国の上海
そして忘れちゃいけないコシナフォクトレンダーのベッサRなどです

Lマウントだけど、ちょっと変わった系

多分他にもあるのでしょうが知ってる範囲で
Leicaのレンジファインダーが搭載される前のビューファインダーのみを搭載したLeicaⅠ系統のカメラがあります。最近でもぼちぼち見かけますね。黒でかっこいいんですよ。M型のクロは高いですがバルナックの黒なら手が届くかもよw。あとはファインダーが全くないやつ。アクセサリーシューが二つついていてなんか背が低くてカッコいいのです。これに広角レンズをつけて外付けファインダーつけたら、涎が出るぐらいかっこいいんですよ。どうでも良いかw
あとはフォクトレンダー(コシナ)のベッサLこれもファインダーがありません。
値段もお手頃ではありますがプラッチックでちょっと安っぽいんですよね。しかしシャッタースピードは1/2000までありTTL露出計を搭載してますから実用機には良いですね。

ライカMマウント

現在のデジタルライカMシリーズに引き継がれているマウントです。
最初のカメラはLeicaM3で、その後、フィルムのライカはM7まで続きます。
その他、数字の後ろにRついたりPがついたりと派生タイプが多少あります。
M7は電子シャッターで絞り優先AEが搭載されています。
現在のライカのフィルムカメラに電子シャッター機はありません。
MマウントのカメラはLマウントほど多くはありませんからレンズも当然種類は少なめになります。
本家ライカ、カールツァイス(コシナ)のVMマウント、コニカのKMマウント、ミノルタMロッコールなど
面白いのは、最近中国製のMマウントレンズが発売されていることです。
拙者も一つ持っていたりするw

メカニカルシャッター機

LeicaM3 中国製レンズ装着

簡単に言うと、全て手動で電気に関するものが何も無い。露出計も未搭載のカメラです。
ヤマ勘露出、単体露出計もしくは専用外付け露出計を使用して露出を決定します。
電池もないので液漏れに起因する故障もないですね〜
現行機のLeicaMAは今でも新品で売っていますよ。

LeicaM3:Mシリーズ中最もファインダー倍率が高くほぼ等倍です。フレームは50、90、135ミリなので広角を使うなら外付けファインダーが必須です。シャッターダイアルが変更されていたり、アイレットの形が違ったりファインダ枠の切り替えレバーがなかったり、2回巻き上げだったり1回巻き上げだったりと色々な違いがあります。
大きくはダブルストロークとシングルストロークで分けられていることが多いです。
ダブルストロークは巻き上げレバーにカリカリ感が全くありません。シングルストロークは巻き上げレバーにラチェットを使っていますので少しだけカリカリ言いますが他のカメラに比べるととても細かいラチェットで精密感があります。またファインダー窓周りに装飾が施されているのが他のMシリーズとは異なるところですね。
M2:ファインダー倍率が0.72倍になり35、50、90ミリフレームが内蔵されているため、35ミリレンズまでは外付けファインダー無しでいけます。M3に比べると各部が機能が若干簡略化されています。
M4:巻き戻しがクランク式になったのが大きな特徴です。ファインダーは0.72倍、フレームは35、50、90、135、M4-2はカナダ製で色々と問題が多く昔は安く取引されていましたが最近は高くなりました。M4-PはM4-2の改良型で28、35、 50、75、90、135mmとたくさんのフレームが内蔵されています。
M-Aは2014年発売の現行品です。外観的にはM3に似ていますがファインダーの倍率とフレームはM4-Pと同じです。新品を買うとコダックのTRI-Xが付いてきます。

メカニカルシャッター機 露出計搭載

LeicaM5の露出計受光部

露出計を搭載しており、追針式や定点合致式で露出を決定します。
シャッターは機械式なので露出計が壊れても使えます。

Leica M5:ライカで初めて露出計を搭載したカメラです。TTL式で巻き上げるとシャッター幕の前に露出計の受光部がニョキッと出てきます。ですので使えないレンズが存在します。M型では唯一外観が全く異なっているのがいちばんの特長でしょうね。露出計に電池を使うので液漏れには注意しましょう。電池はMR-9型で入手できませんので電池アダプターが必要です。
CL:ミノルタと共同で開発されたカメラです。ミノルタからもLeitz minoltaCLが販売されています。ファインダーにはライカ唯一の40㎜枠がありその他50、90の枠があります。またシャッターは布幕縦走りという珍しいものが搭載されています。外観も独特でシャッターダイアルがボディ前面に搭載されています。露出計が故障しているもの、フィルムの巻き取り爪が折れているものが多いようなので注意が必要です。昔は安かったのですが、最近値上がりしてきました。
M6、M6TTL:M6は今年復刻販売されることで話題になりました。M5のニョキッと露出計ではなくシャッター幕の反射を受光素子で測定するCLEと同じタイプの露出計に変更されました。ここにはミノルタの技術が入っているのかもしれません。ファインダーの倍率とフレームはM4-Pと同じですが、0.85倍モデルもありファインダー窓の下に表示があります。外観はM3から続く伝統的な形状に戻りましたが、M3とは巻き戻しのところが異なっており、クランクのあるM4タイプです。セルフタイマーレバーが付いていた位置に電池蓋が設置されているのと採光窓の横に赤いパッチが付いているのが外観の特徴でしょう。
MP:M6の外観をM3っぽくしたもの、と言って良いようです。具体的には巻き上げレバー、巻き戻しノブの変更、ストラップ環の傷防止プラまで撤去されるというこだわりようです。

MP:現行なのでライカのサイトで見てみましょう。
M6:2022年に復刻され現行品となりました。

そのほかには、LeitzMinolta CL、BessaR2・R2M・R3M・R4M など
変わり種としてベッサT(距離計のみでビューファインダーが無い)があります

マニュアル露出・絞り優先自動露出搭載 もれなく電子シャッター

絞り優先AEを実現するには電子(制御)シャッターが必須ですから、電子シャッターが実用化後の比較的新しい世代のカメラになります(といってもM7が2002年発売です)
電子シャッターを搭載しており電子制御部が故障すると修理が難しいことが多いようです。
LeicaM7
ZeissIkon(コシナ)
MINOLTA CLE
BESSA R2A R3A R4A
など
電子制御部分が壊れたら修理困難。買うなら完動品。

ワインダー・モータードライブ搭載機

最初に自動巻き上げを一眼レフに搭載したのはコニカFS-1だったのですが、レンジファインダーでもやってくれました。
それはコニカヘキサーRFっていうカメラです。
電動巻き上げですからその他の部分ももれなく電子化されています。
もちろん絞り優先AEを搭載していますよ。
一時期は安くなっていたのですが、今や高嶺の花となってしまいました。
底値の時に買っときゃよかった。最近は玉数も少なくあまり見かけなくなりましたね。

CONTAX マウント

コンタックスはナチスドイツの少し前のドイツのZEISS IKONで開発されたカメラです。
コンタックスⅠ型は数も少なく拙者も一度しか見たことがありません。その後コンタックスⅡとⅢまでがナチスドイツ時代、そしてⅡa,Ⅲa は戦後の西ドイツ製となります。
また戦後の東ドイツではCONTAXの技術者や部品はソ連に持ち帰られてソ連で誕生したのがキエフです。初期のキエフⅡ、Ⅲはまんまコンタックスと同じらしいです。
それと近年コシナフォクトレンダーからベッサR2Cというコンタックスマウントのカメラが発売されています。
コンタックスのレンズはみんな大好きCarlZeissです。しかし戦争やドイツの分断のため色々な銘の物が存在しています。戦前のCarl Zeiss Jena戦後西ドイツ製のZeiss Optonその後はCarl Zeiss のものもあるそうです。(うちにはOptonが2本あるのみ)
NIKON SはCONTAXマウントを踏襲しておりレンズの装着はできるらしいのですがフランジバックが微妙に異なるため広角レンズ以外はピントが合わないらしいです。
もちろんキエフ用のソ連レンズも存在し、こちらのツァイスのコピーで写りが良いので人気があります。

NIKON Sマウント

ニコンがコンタックスをリスペクトして開発したカメラ。
なぜコンタックスとフランジバックを同じにしなかったのかは不明です。
ニコンⅠ、M、SシリーズとコシナフォクトレンダーのベッサR2Sがある
ニコンSシリーズは2000年代にS3とSPが台数限定で復刻再生産されている。
玉数が少なく値段は高め。

AF フルオート機 厳密にはジャンル違いだが(汗)

CONTAX Gシリーズは、形状がレンジファインダー的なレンズ交換式AFフルオート機だがAEは絞り優先のみ。オートフォーカスであったがどこにピントが合っているのか、本当にピントは合っているのかを確認できないという難点があった。
しかしながら一眼レフのようなミラーが必要なくショートフランジバックが実現された為コンパクトで高画質な広角レンズが多くラインナップされていた。
特にホロゴン16ミリが復刻されたのはビックリで、Gホロゴンと呼ばれ現在でも人気がありMマウントに改造さらたものもよく見かける。Mマウントのホロゴン15mmはとっても高価でぬわわ万円を超えることも。

ボディはG1 と G2 の2種類のみ

G1にはROM改造というものがあって未改造のものは使えないレンズがあるので注意
一時期は非常に安価になっていたが最近は(特にG2)高価になっている
またGレンズの流通量もかなり少なくなってきている気がする。

拙者が「初心者の1台目にオススメしたいカメラ」

入手性、価格などを考えてお勧めを挙げるとすれば

★Zorki1系 FED2系(旧ソ連系)コスパ最強
★★CanonやLeotaxの国産Lマウント機 バランスが良い
★★Leica Ⅲa Ⅲc Ⅲf やっぱりライカ 良いけどお高い
★★★BessaR2以降 比較的新しく高信頼 Mマウントのレンズが使える

以上がオススメですがどれもある程度高価になります。
やはりM型ライカが欲しくなるかもですが、いかんせん高すぎる。コスパを加味して上の結果としました。外観が良くないやつならレンズセットで5万以下で狙えるかなぁ〜

フォクトレンダー以外はいずれも古いものでシャッターは布のものがほとんどなので整備済み保証ありを選ぶのが無難。星の数はオススメ度です

終わりに

全般的に言えることですが、露出計内蔵カメラは露出計が壊れると治せないことがあります。
部品がなければ専門家でも治せません。
いつも同じことを書いていますが、電池式の露出計搭載の場合は電池の液漏れによる腐食が原因の故障が多くあります。電池式の場合は必ず電池室の状態を確認してください。またCdSという受光素子の経年劣化による故障も多いです。汎用のCdSを使用している場合は治せる可能性がありますが、専用のCdSを使用している場合は絶望的です。何れにせよ露出計の故障(AE機はAE制御系統の異状)には注意してください。
その他の機械的な部分は専門の修理店に依頼すれば治せることが多いですが高額な修理代が発生します。またファインダーも二重像や、ブライトフレームが薄くなっているもの、見えないものは修理が高額になる可能性が高いので避けるのが無難です。特に古いM型はプリズムのバルサム切れに注意。
バルナックはハーフミラーを使っているのでそんなに高額にはならないと思いますがそれでも修理代は高いです。完動品、保証付をお勧めします。
とはいえ、露出計が壊れているものは格安で入手できますから、メカニカルシャッター機で写真が撮れれば露出計は動かなくても良いならば、そういう選択もアリですね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました