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海鴎203 レバー固着でカラカラ音がするジャンクカメラ これ直るの? 修理に挑戦!

この記事は約6分で読めます。

ジャンカメハンターのぐりやんです。
本日の獲物は中国は上海発の中華カメラ「海鴎203」です。(海鸥:HAIOU:Seagull)
拙者的には3台目のシーガルを激安スリーコインでゲットしました。ボロボロですけどw

レバーは引き出されたまま固着しており振ると内部からカタカタ音がするし、前蓋の貼り革は剥がれて無くなっています。そしてファアインダーのガラスは欠けていて、レンズシャッターはチャージ状態で固着しています。てな感じで、まあいわゆる超ジャンククカメラなのですが、レンズは汚れていますがよく見るとキレイそうに見えるんですよね。果たして直す事は出来るのでしょうか?
ではいつもの様に分解修理に挑戦します。

海鴎 (Seagull)203

シーガル203は筆者ブログの熱心な読者(んな奇特なお方はいらっしゃらないかw)ならすぐにわかるとは思いますが中国は「上海海鸥照相机有限公司」から発売されていた中判レンジファインダーカメラになります。発売は1963年で当初は「Shanghai203」という名前だった様です。結構古いカメラですが、かなり長い間販売継続されたようで後期型改良型として改良型の203-1というホットシュー付バージョンを含めると20年以上にわたり販売された様です。この203-1は日本でも「TEXER SR」という名前で販売されたそうですよ。
使用フィルムは120でフォーマットは6x6と4x4.5の切り替え式でスプリングカメラでは珍しい連動距離計を搭載しています。フォーマットを切り替えるためのマスクは可動式のものが内蔵されていてカタカタ音の原因はそれでした。なのでカタカタ音は仕様ですw。
そして最大の特徴はレバー巻き上げって事でしょうね。120のスプリングカメラでレバー巻き上げってのはかなりレアなのでは無いかと思います。他にあるのかなぁ?
そしてレンズはS-111-2と刻印があるレンズです。取説によるとCoated,f3.5/75mm,anastigmatとありますからおそらくトリプレットだと思います。

状態

巻き上げレバーが引き出されたままで固まっています。そして前蓋の貼り革は無くなっています。

ファインダーの保護ガラスが欠けています。

軍艦部左肩には謎の露出計算盤が付いていますが分解されて適当に組み立てられてようでASAとDINが逆転しています。

レンズシャッターの操作部をみるとLV方式で露出の設定が出来るようですが、どうやらLVレバーが付いていないようです。故意に取り外されたのか若しくは折れてしまったのか?
調べてみると初期型はLVロックレバーがあった様ですが途中から廃止されたようです。しかしこの黒いプラ製の絞りレバーが付いているシーガル203はネット上で見つけることはできませんでした。過渡期のレアバージョンなのでしょうか??謎です。

蛇腹は少し変形がありますが、穴は開いていないようですがこの凹みは撮影に影響が有りそうです。

レンズは汚れてはいますが、カビやキズなどは無さそうに見えます。

分解修理

まずはレバーが戻らない理由を調べるためため軍艦部を開けていきます。

巻き上げレバーの修理

軍艦部を止めているネジがヤバそうです。(結局割れましたので手持ちのプラスネジに交換)

でレバーが戻らない原因はレバーの金具が巻き上げインジケーターに引っ掛かっていることが原因と判明しました。

その根本的な原因は、巻き上げレバーの巻き上げ角を制限している円柱状の金具が傾いている事でした。回しても抜けませんから、カシメられているようです。

無理やり曲げると折れそうですから、ここに鉄片を貼り付けて巻き上げレバーが回り過ぎないようにしました。金属の加工にはいつもの充電式ルーターが活躍しますね。

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ファインダー保護ガラスの修理

欠けたガラスを入れ替えるのが一番良いのでしょう。

しかし300円カメラにコストはかけられません。幸い欠けた部分は視界の妨げにはならないので、欠けた部分にレジンを充填して埃などが入らないように対策しようと思います。

この後平らに削ってはめ込んでみた。

これでホコリは入りませんから、問題なさそうですね。いずれガラスを切り出して交換するかもしれません。

レンズシャッターの修理とレンズのクリーニング

レンスシャッターユニットを取り外してオーバーホールしようと思ったのですが、レンズシャッターユニットをレンズプレートに取り付けているリングがどうしても回らず、終いには大事でレアなJHTの工具が壊れてしまいました。オーバーホールは諦めて前から分解して、なんとかならないか挑戦します。

開けてみるとシーガルお得意のプロンタータイプのシャッターでした。
固まっていた理由はセルフタイマーの固着でした。セルフタイマーをツンツンとつついたら、ジーーーっと動き出した。ですから分解はせずに、セルフタイマーとスローガバナの軸受け部分に微注油するにとどめました。シャッターはこれで調子を取り戻したようです。
レンズはクリーニングだけで輝きを取り戻しました。キズやカビが無かったんで、とてもキレイになりました。

貼り革の製作と貼り付け、変形した蛇腹の修復

貼り革は100均の合皮はぎれから切り出して作成しました。

本来は真ん中にSEAGULLの楕円エンブレムがあるようなのですがまあ無くても良いでしょうw

サイズを計測して極力正確に作成しました。曲面の部分は糸ハンダを這わせて計測しましたよ。

なかなかよくできましたw

ついでにフィルムリール抑えの飾り革も無くなっていたので作成して貼っておきました。

変形した蛇腹はおそらく本革製ですから、ヒアルロン酸入りの化粧水を染み込ませてから形がつくように圧迫して一晩寝かせたらほぼキレイになりました。

レンジファインダーの調整

レンジファインダーもズレていましたから調整します。
まずは縦ズレはファインダーの上蓋付近のネジで調整できました。

粗調整の誤字です(^^;;

横ズレはレンズ下のネジで調整できました。

最終チェックとコンディション認定

これは直らないかも?と思いながら修理し始めましたが、なんとか実用できる状態まで修理することができました。レンズはキレイなので写りは期待できそうです。

コンディションはガラスの欠けをレジンで埋めてあるので「難あり品」ですが、レンズが非常にキレイですから「実用品」でもいいですね。

あとがき

ぐりやん
ぐりやん

最後まで読んでいただき感謝です。
このカメラ300円ですからね。直るかどうか微妙でしたが無事復活しました。
先日買ったロモの中判フィルムを入れて試写してみましょうかね。
さて次回はどれをレストアしようかなぁw

実は某ハードオフが開店しましたので、早速ジャンカメハンティングに行ってきてまたもや散財してきたのは秘密ですw

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