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【どんなカメラを選びますか】RICOH AUTO-HALF は、初めてのフィルムカメラにオススメです

この記事は約16分で読めます。

ジャンカメハンターのぐりやんです。「どんなカメラを選びますか?」ってことでそこはかとなく書きつくっているわけですがw
第2回はリコーのオートハーフシリーズです。

ペンEEの対抗馬 なんと巻き上げまでも自動になった!

1959年に初代オリンパスペンが発売になり大ヒットしました。リコーでは対抗のハーフカメラとしてキャディを10,800円で発売しました。ボディサイズはちょっとだけ大きいけれどセレン式の露出計を内蔵しておりレンズは25mmF2.8という広角レンズを搭載(25mmはフルサイズ換算35mmと同等の画角となります)価格は6,800円。しかしながらそこまでのヒットとはならなかった様です。露出計搭載とは言えマニュアル露出機であった為取り扱いが難しくボディも大きかったのが原因だったのかなぁ。

そして1961年、より簡単に使えるペンEEが発売になり、押すだけで写るカメラとしで大ヒット。自動化ではいつも先鞭を切りたいという設計思想を謳うリコーは1962年に巻き上げさえも自動のオートハーフを12,000円で発売。PEN EEより2,000円も高いけれど自動巻き上げでボディもふた回りほどコンパクトでした。

オリンパスPEN EE と リコーオートハーフ(初代)

そして発売後は大ヒット、ベストセラー機となりシリーズとして20余年もの長期にわたり販売されました。
フィルム巻き上げの自動化のため、スプリングモーターと言われる機構を搭載しています。巻き上げは電動ではなくゼンマイが使用されており、ゼンマイの材質の探索には多大の時間を費やしたそうです。
搭載レンズが富岡光学製という所もポイントです。

富岡光学製のレンズ よくみるとカビが(^_^;)
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拙者も愛用している可愛いカメラ

押すだけで撮れる巻き上げもゼンマイで自動です。

リコー オートハーフの種類と特徴

リコー オートハーフに共通の特徴といえばスプリングモーター巻き上げです。かっこよくいえばスプリングモーターですがいわゆるゼンマイです。チョロQの中に入っているのと同じですね。
このゼンマイをあらかじめチャージしておけば、レリーズボタンを押し込んでシャッターを切った後指を離すと自動的に次のコマまで巻き上げてくれるのです。
そして、オリンパスのPEN シリーズに比べるとかなりコンパクト(特に初代は小さい)です。なんとL&Mというタバコの箱のサイズを目標に開発されたそうです。
そしてデザインが可愛く現在でも人気があるカメラです。
オートハーフEは前面のパネルが容易に交換できる構造だったためデザインのバリエーションが豊富で、ノベルティ品なども存在するなどメーカーでもバリエーション数は不明としています。
オートハーフシリーズは簡単操作で写りも良い為ロングセラーとなり25年に渡り生産されました。
オートハーフシリーズのモデルとマイナーチェンジを表にしてみました。しかしながら調べれば調べるほど小変更がされているようで、はっきりとした変更時期などはもう少し研究してみる必要がありそうです。
*初期、前期等の区分は拙者が勝手に呼称しているものですので悪しからず。

RICOH AUTO HALF シリーズの変遷(ピント固定タイプ)2022/12調べ 

機 種特徴時 期
AUTO HALF (初代)シンプルでコンパクトな外観 前面に付いたレリーズボタン ASA200まで1962
AUTO HALF Sシャッターボタンが上部に移動し一回り大型化して以後の基本形ボディとなる。セルフタイマー・巻き戻しクランク搭載。裏蓋開閉式。 ASA400までとなった1965
AUTO HALF Eセルフタイマー無し 貼り付け式フロントパネルでバリエーションが非常に多い1966
AUTO HALF SEセルフタイマー付き。1枚目まで自動巻き上げ1967
AUTO HALF SE2SEを小変更 ホットシュー搭載1976
AUTO HALF E2Eを小変更 ホットシュー搭載1976
AUTO HALF EFストロボ搭載1978
AUTO HALF EF2ストロボがポップアップ化1979
今回はピント調整式は除外しております。悪しからずw

自動露出で固定焦点(ピント調節がいらない:パンフォーカス)なのでピンボケによる失敗が少ない
欠点はシャッターが単速1/125のみですから屋内に弱い。ピントが2.5メートルに固定されている為、お天気の時でも1.1メートル以内はピントが合わない。お天気の時?そうも思われるかたもいらっしゃるかと思いますが、実はこのカメラは仕組み上、被写体の明るさによってピントの合う範囲が変わるのです。
ピントの合う範囲の参考:(あくまでも拙者の予想値で被写界深度を計算したものです)
晴天時の屋外(EV15程度)0.9mから∞まで
雨の屋外(EV10程度)1.9mから3.8mぐらい(絞り開放で1/125となる)

機種別紹介

今回は拙者が持っているものだけを紹介します。
では、いってみよう!

AUTO HALF(初代)

外観はS以降のモデルとは違いサイズが一回り小さい。レリーズボタンは前面にあり上面にはASA /絞り設定ダイヤルのみで非常にスッキリしていてAUTO HALFの文字が彫り込んであるが墨入れは無しで、なんともカッコいい。前面もS以降のモデルにあるはめこみパネルはなくスッキリ。後面もファインダー接眼窓のみで真っ黒でこれまたぬりかべのごときスッキリさ。サイドもスッキリ。
シリーズ唯一シャッターロック搭載(ピント調節可能タイプを除く)
そして何と言っても小さい。横幅で言ったらうちにある35mmフィルムを使うカメラの中で一番小さいと思います。裏蓋が取り外し式なのでフィルムを交換するときに、裏蓋を置き場所に困るのが玉にキズでしょうかねぇ。
S以降とは違いファインダー内に黄色い表示が出たら撮影OK。
暗くなったら黄色が消えるだけで赤はでません。

はかせ
はかせ

真ん中の写真は裏面じゃが、まるで黒いぬりかべのようじゃ。
鬼太郎もビックリじゃな。

難点は、シャッタースピードは単速1/125なので露出の範囲が狭い。明るい室内でもギリぐらい。
屋外ならば雨の日からから快晴までなのでちょっと暗い屋内や逆に明るい砂浜やスキー場などでは厳しいし、ASA200を入れると快晴ではオーバー気味になる可能性もある。
フィルムは最高ASA200までしか使えない。
細かくみるとチマチマとマイナーチェンジされている 
最初期 細長アイレット 巻上黒に白W ASA12,25,50,100,200 赤三角がシャープ フィルター溝無し
その他 丸アイレット 巻上白に黒W、黒WIND ASA12.32.50.64.100,160,200 赤三角がこんもり フィルター溝追加 ナドナド。
それと使い方がS以降と若干違います。
そんなわけでオススメからは落選としましたが、「あばたもえくぼ、初代がええ!」って人にはアリかな。見た目は一番かっこいいと思うし一番好き。欲しい人は完動品を探してください。

AUTO HALF E

オートハーフSからは外観がガラッと変わって一回り大きくなり、以後のオートハーフの基本形となりました。性能的にはASA400まで対応となった以外はあまり変わっていません。
機能的には、シャッターボタンが上部に移動し、クラッチ内蔵巻き戻しクランクを搭載しています。

クラッチというのはクランクを格納すると巻き戻し軸との接続(嵌合)が解除されるので、巻き上げの時には巻き戻しノブが回転しない構造になっています。一眼レフカメラでもモータードライブを搭載できるカメラに採用された例が多く、聞いた話によると、モーターで高速巻き上げをする際に巻き戻しクランクが高速で回転すると髪の毛が巻き込まれる事故が多発した、オートハーフも自動巻き上げですが巻き戻しノブは底面についているため髪の毛が巻き込まれる可能性は低いでしょうがもしかしたらヒゲが巻き込まれる事故が多発したのかもしれませんね。

その他は、裏蓋開閉式となりました。またファインダー内の表示が「黄⇄赤」表示になりました。

オートハーフEはオートハーフSのセルフタイマーを無くしたものと思えば良いです。
そしてオートハーフEの最大の特徴と言えるのは、前面レンズの左右にはめ込まれた飾りプレートです。
前面にセルフタイマーレバーもないためデザインの自由度が高く変更が容易となっため、純正のデザインも多彩でノベルティ用としても重宝されたようで、デザインバリエーションがものすごく多いのです。
種類についてはメーカのリコーでもわからないということでコレクターも存在します。
ググってみると可愛いデザインがたくさん出てきます。
その他、上面の表示はAUTO HALF Eのみ(RICOHの文字が消えた)接眼部横にRICOHのプレートがはめ込まれました。

AUTO HALF SE

Eにセルフタイマーがついたとの説明されていることが多いですが、最大の特徴はフィルムカウンターの1まで自動で巻き上げてくれること。フィルムを入れてゼンマイを巻くとカウンターが1になるまで自動で巻き上がるので便利です。また巻き戻しボタンがセット式になったので押し込めば保持されます(Eまでは押し込みながら巻き上げる必要があります)
SEまでが富岡レンズを搭載と言われています。
拙者的には一番オススメのタイプかなぁ。
SEまではアクセサリーシューがありませんから上面がスッキリしています。
フラッシュやアクセサリを使いたい人はE2かSE2 を選ぶ必要があります。

「フィルム装填後、巻き上げで自動的に1コマ目まで送られる」という機能について読者さまから質問がございまして、文章で説明するのは難しいと思いましたんで簡単ですが動画を作りました。

注意:音声あり!

このようにフィルムを装填していない状態ではゼンマイを巻き上げても空回りしてゼンマイチャージは出来ず、フィルムを装填してゼンマイを巻き上げるとカウンターが1になるまではシャッターボタンを押さなくても勝手に進み、カウンターが1になった後はゼンマイがチャージされいわゆるスプリングドライブに力が蓄えられていきます。

シリーズ中、最もオススメなのは

選ぶのは非常に難しいのですが、S、E、SE、SE2、E2、この5機種がオススメです。ま、あくまでも拙者の私見ではありますがw
とは言え、デザインはやっぱり初代が好きですね 次選 E (バリエーションが多く楽しい)
機能的にはSE以降が良いでしょう やっぱり使いやすいのが一番かな

オススメ5機種のオススメポイント

おすすめ1

E デザイン豊富 機能的にほぼ完成(装填時自動送りが無いだけ)セルフ、ホットシュー無くスッキリ

おすすめ2

SE 機能的に完成されている。デザイン的にセルフがマイナスだがセルフが必要は人はコレ

おすすめ3

S セルフだけは欲しい。そんな貴方にはコレ。

おすすめ4

SE2 セルフもフラッシュも使いたい「欲ばりさん」も納得の一台w

おすすめ5

E2 セルフはいらんがフラッシュは要る。そして出来るだけ高年式がええ。って人はコレ!

おすすめ番外w

ちなみ拙者の愛機は 初代 E SE の3台ですが、初代が一番好きってのは秘密です。

3台並べてみた 初代(右側)が横幅、厚み共に若干小さいのがわかる
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拙者も愛用している可愛いカメラ

押すだけで撮れる巻き上げもゼンマイで自動です。

初代は古いし使いにくい面も多いので、S以降をおすすめとしましたが、EF系はプラボディでサイズも大きすぎるのでオススメからは落選としました。そして、拙者が一番好きな初期型を番外入選としましたwww

購入するときに注意する点とチェックの方法

まず行いたいのが、セレン露出計のチェックです。
上面にあるダイアルを「A」にセットします。ASAは100以上が良いでしょう。
ファインダーを覗きながらカメラを明るい方に向けます。
ファインダーの真ん中に黄色い表示が出ていれば第1段階クリア。

そのままの状態でレンズ周りのセレン部分を手で覆います。
初代は黄色い表示が消えます。
再度手を離してセレンに光をあてると黄色い表示が現れればOKです。

初代です。黄色い表示が出ていれば撮影OKって事。黄色が消えたら暗すぎるよ〜って事
らいか
らいか

なんなの、この動画は!酔いそうだ。

AUTOHALF S以降 黄色い表示が出ていれば撮影OK。赤になったら暗すぎるよ〜って事

AUTOHALF S以降では黄色い表示が赤に変わります。
そうなれば露出計はほぼ正常に動いていると思います。さらに明るさに応じて絞りが変化しているかをチェック出来れば完璧ですが経験がないとムズイと思います。

まとめると

露出計周りが故障しているとセレンに当たる光に変化があっても、表示が変化しない
初代:黄色いまま、黄色が消えない、黄色が出ない>NG
S以降:黄色いまま、赤いまま>NG

このような症状がある場合は修理が必要です。

拙者の経験上オートハーフのセレンがダメになっていたことはなく、露出メーターがダメになっていることが多いです。修理に出せば治る可能性が高いですが、修理代は高いので保障付きの店で完動品を買うのがオススメです。

オートハーフの場合レンズが傷んでいるものは少ない気がしますが前面に露出しているレンズ(前玉)はよくチェックしましょう。
リコーのカメラは前玉のコーティングが傷んでいるものが多い気がしますので要注意です。

それとやっぱりモルトが傷んでいるものが多いです。
オートハーフは裏蓋に大量にモルトが貼られていますので、チェックしましょう。

ボロボロになっていたら貼り替えが必要です。よくわからない場合は軽く触ってみるのも良いでしょう。ベタベタしていたり、ボロボロと崩れるようだとNGですから注意してください。高価なフィルムとせっかくの写真が光線もれで台無しになりますよ。

終わりに

デザインが良くコンパクトで持ち運びやすい上に写りが良い。
そんなこんなでAUTO HALFシリーズはとてもオススメなカメラですよ。

ぐりやん
ぐりやん

オートハーフおすすめですよ。
ほいじゃあ、おやすみなさい。

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押すだけで撮れる巻き上げもゼンマイで自動です。

コメント

  1. kazu より:

    ぐりやん様
    初めまして、最近フィルムカメラに興味を持ってオートハーフSEを購入したkazuと申します。
    オートハーフの情報検索中にぐりやん様のHPを拝見させて頂きました。
    SEについての情報の中で「フィルムカウンターの1まで自動で巻き上げてくれる」の記載がありますが当方のSEはフィルムセット後ゼンマイを巻いてもカウンタは1まで巻き上がらずシャッターを2回程度押してカウンタを1にしております。その他動作については問題はなさそうです。何か必要な手順があるのでしょうか。
    お手数をお掛けいたしますがお知恵をお貸し頂ければと思います。
    よろしくお願い致します。

    • ぐりやん ぐりやん より:

      こちらこそ、はじめまして。コメントありがとうございます。
      良いカメラを選ばれましたね(^^)。
      さて自動巻き上げの件ですが、SE以降のモデルではフィルムを装填してゼンマイを巻くとカウンターが1まで勝手に巻き上がります。リコーのホームページでもその様な説明が有ります。特別な手順等は必要ございません。カウンター周りは分解していませんので、ここだけが故障する事があり得るのかは不明ですが、ちょっと考えにくい気はしています。となると、ニコイチの可能性もあるかも知れません。例えばSにSEのガワを被せたとか、カウンター周りだけSから移植したなどですね。やった事ないので出来るかどうか定かでは有りませんが…。
      SE以降のゼンマイノブにはREWIND POSITIONがありますが、E以前のモデルにはありません。
      ま、自動で1まで巻き上がる機構は無くても使用には差し支えありませんから気にしなくても良いとは思いますけどね〜。
      私のSEは気温が低いためか、かなり動きが悪いです
      (^^;

  2. Kazu より:

    ぐりやん様
    早速ご回答頂きありがとうございます。
    ネット検索しても具体的なカウンタの動きについての記載が無かったので分かりやすく説明を頂きありがとうございます。
    お忙しい所ご回答頂きありがとうございました。

    • ぐりやん ぐりやん より:

      いえいえ。コメントいただけると嬉しいので今後ともよろしくお願いいたします(^ω^)
      初めてのフィルムカメラですか?オートハーフは小さくて手ブレしやすいので、シャッターは一気に押さずに「ゆっくりググッと」押し込むようにすると良いと思います。
      デジカメやスマホにでは撮れない素晴らしい写真が撮れると思いますよ。

      • kazu より:

        ぐりやん様
        コメントありがとうございます。フィルムカメラは「写ルンです」位しか使ったことがないかもしれません。撮影の注意点も教えて頂きましてありがとうございます。
        すみません、最初の質問にまた戻ってしまうのですが改めてカウンタの動きを確認したところゼンマイを巻いていくとカチっと音がしたところでカウンタが少し動いておりました。(カウンタSから1までを10段階とすると3くらいまで)そこからシャッターを2回切るとカウンタ1となります。動作について少し気になっています。

        • ぐりやん ぐりやん より:

          正常なSEであればそうはならないです。
          まず基本的なところですが、フィルムを入れていない状態でゼンマイを巻くと巻き上げ機構が空転して巻き上げ音がします。ゼンマイがチャージされる感が少しでもあれば何らかの問題があります。正常ならは、ゼンマイを巻くとほぼ同時に巻き上げ機構が空転しガーっと音がするのです。そしてフィルムを入れて裏ブタを閉めてからゼンマイを巻くと、カウンターが1になるまで自動で巻き上がります。
          言葉では伝わりにくいので、今晩にでも動画を撮ってあげますね。

          • kazu より:

            ぐりやん様

            コメントありがとうございます。上記のゼンマイ動作については問題はなさそうです。
            最初にお伝えしておらず申し訳ございませんが当方のSEは整備済の物でした。
            カウンタの動作の件について的を得た回答を得られなかったのですが先方がSEを入手しご理解頂けたようです。
            現在、状態を確認頂いております。親身になってご相談に乗って頂き感謝しております。ありがとうございます。

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