minolta SRT101
このカメラはミノルタ最初のTTL開放測光搭載機で、しかも世界初の分割測光を採用したカメラとして有名です。発売は1966年ですからかなり古いですが、古さを感じさせないデザインと思うのは拙者だけでは無いと思います。
露出計のために電池は必要ですが、シャッターは機械式ですから電池がなくても露出計が動かないだけで普通に使えます。
状態を確認
シャッターの後幕がスパッと走らない。
ミラー上がりっぱなし(たまには下りる)
シャッターボタンがいつでも押せる
あとはファインダー内のホコリ
ってところ。後幕の遅れとミラーは関連がありそう。
後幕不調の原因探求
とりあえず底面からアクセスってことで底面をあけて観察する。
ミラーが正常に下りたときと上がったままになった時を見比べてみる。
で違いを発見
左がミラーが上がりっぱなしの時、右が正常に作動したとき。
青で示すプラスチックのギアが赤で示すレバーを蹴飛ばすとミラーが下りる。
このプラギアは後幕と連動していて後幕が閉じきったタイミングでレバーを蹴飛ばすようになっている。
で後幕の走りがスパッといかず、なんだかヌルッと遅いため勢いが付かずレバーを蹴飛ばしきらないためミラーが上がりっぱなしになっている。
つまり後幕の走りが遅いのがミラーが上がりっぱなしになる原因と推測しました。
そこで、巻き上げドラムの軸受けのオイル切れと推測。軸受けを探します。
どうも電池ボックスの裏にありそうなので電池ボックスを外します。
発見しました。赤で示した部分がそれです。2つあるので4軸式のようです。
とりあえずどちらともに極少量の注油を行いチェックしてみます。
見事に快調になりました。
後幕もスパッと走るしミラーもカッンと上がります。
シャッターボタンがいつでも押せる問題の修理
あとはシャッターボタンです。
どうオカシイかというと
普通はシャッターボタンを一度押すとシャッターが切れますよね。
で次の巻き上げが完了するまではシャッターボタンが押せなくなってシャッターを切ることはできませんよね。
ところがこのカメラいつでもシャッターボタンが押せてしまうのです。
巻き上げ途中でも押せるのです。
この2重写しを防止するための二重撮影防止機構も底面に装備されていることが多いので探します。
で、発見。
赤で示したレバーが一回巻き上げるとシャッターボタンをロックするはずなのですが、全く動いていません。
で、外してみると軸受けが錆び付いていました。
さびを落として組み立て注油で正常に作動するようになりました。
仕上げに、クリーニングとモルトプレーン貼り
後は軍艦部をバラしてファインダーを清掃して修理完了です。
あ゛モルト貼りが残ってた。
モルト貼って完成です。
ついでに超カビ玉の標準レンズも整備
次は¥500の標準レンズ
状態は後玉のひどいカビ。
バラして清掃。
キレイにはなりましたが後玉の1枚でコーティングがダメになりガラスまで浸食されている部分がありました。
でもまあ逆光でなければ何とか大丈夫だろうし最悪ソフトフォーカスでもOKです。
500円ですからね。
試写結果は?
実はもう試し撮りを終えています。結果は良好ですね。
色調がちょっとなのは、曇天+期限切れフィルム+疲労した現像液(ナニワカラーキット)のせいだと思います。
コメント
あのー・・・
シャッターが切れたり切れんかったりってんは
どげんしてでしょうかね?w
F3・・・いっちゃぃました(><)
来週末安浦へオデカケ予定なのにぃぃぃぃ
シャッターきれてぇぇぇぇ
カメラ、レンズのレストアができるなんて!すごいですね~
私なんか、普段のメンテナンスも細部はちょっと怖くて(壊しそうで...)できそうにありません。
いえいえたいしたことありませんよ。
修理代が勿体ないような不人気カメラは段ボールなんかにゴッチャに入って捨て値で売られています。
数千円の価値しかないカメラですが修理屋に出せば
数万円。
なので数百円で売られていたりします。
そんな可哀想なカメラたちを救出しているw
ただそれだけです。
でも、カメラ屋でジャンクとして売られているならまだ良い方でしょう。
「デジカメ買ったから、こんなボロいカメラいらねーや」などと捨てられたカメラはごまんとあるはず。
CDがこの世に生まれてアナログレコードが捨てられたように。(実際あのころレコードがどばっと入ったワゴンに、ご自由にお持ち帰りくださいと書かれていたのを見たことがある)
たのむから捨てないで。
捨てるぐらいだったら、俺にクレ!