ジャンカメハンターのぐりやんです。初めてのカメラにPEN EEシリーズをおススメさせていただきましたが、今回はPEN EEシリーズのバージョンアップ版でありますPEN EESシリーズを紹介してゆこうと思います。
PEN-EEシリーズのカメラはフィルムカメラの中でも最も簡単に使う事ができるカメラの一つです。
それをちょっとだけバージョンアップしたのがPEN EESシリーズなのです。フィルムを入れてしまえばほぼ押すだけってところは同じなのですが、EESでは簡単なピント調節をすることができるようになっているのです。

今回はEE-2 とEES-2を例に説明していきます。
PEN EE-2 と EES−2の違いとは

色の違いなどは置いといて、レンズ周りに注目していただきたいと思います。
ペンEES-2の方が少し出っ張っていますね。EE-2では28mmだったレンズの焦点距離がEES-2では30mmと少し長くなっています。明るさも半絞りほど明るいF2.8ですからレンズの口径も大きいんですね。そしてレンズ鏡筒上にあるオレンジと赤のピクトグラムが見えると思うのですが、ここが最大の変更点で4点ゾーンフォーカスが可能になっているんですね。

ゾーンフォーカスとPEN EESの使い方
EES-2に搭載されているピント調節の方法を「ゾーンフォーカス」と言います。
ゾーンフォーカスとは目測式のピント調節の一種なのですが、ピントの調節の目安が距離では無くピクトグラムで表示されているんです。
そしてゾーンフォーカスの使い方なのですが、この4つのピクトグラムを選ぶことによってピント調節が可能なんですね。このピクトグラムは撮影時のシチュエーションを表しているので
一人のバストショット、二人の上半身、三人の全身、山の遠景
って感じでアバウトに合わせればOKなのです。
そして三人の全身だけ赤色になっていますよね?これは、「スナップ撮影ならここに合わせておけば大体ピントが合うよ」って事を表しています。
では実際にこのピクトグラムは何メートルに設定されているのでしょうか?
一人のバストショットは1m、二人の上半身は1.5m、3人の全身は3m、山の遠景はもちろん無限遠
って事になります。そして隠れたピントがもう一つあるんです。実は一人のバストショットより更に近景側に回す事が出来るんですね。

そしてそこは0.9m(90cm)になっているのです。
これは裏技か?と思われがちですが、ちゃんと取説に書いてあるんですよねw。
ピント調節以外の使い方はEE-2と同じですから、使い方の基本は下記リンクをご参考ください。
作例紹介
EES-2で撮った写真を見てみましたが良い作例が見つからなかったのでEESの作例を参考に載せます。

橋の欄干にピントを合わせたので少し遠景はボケています。ピントの調節が可能だから遠景をぼかして立体感を出すことが出来るわけですね。

錆びた看板にピントを合わせたので、少し遠景はボケています。もちろんピントの調整はピクトグラムを見ながらやっていますよ。

手前の看板にピントを合わせたので奥はボケています。上の2枚と比べると薄暗い場所ですから絞りが開いていますし、看板までの距離も近いですから遠景のボケが大きくなっています。

EES-2のも1枚だけ。5m以上は山のピクトグラムに合わせて撮れば普通にシャープ。
PENシリーズは裏切りませんねー。
OLYMPUS PEN EES-2(前期型)の主要要目
主要要目(PEN EES-2)
使用フィルム:35mm135 24x18mm
レンズ:D.ZUIKO f=30mm F/2.8(3群4枚)
シャッター:オリンパスシャッター(1/30秒、1/250秒)、(フラッシュ用)1/30秒
露出:プログラムEE自動露出
ファインダー:アルバダ式ブライトフレーム 0.5倍
フィルム装填:イージーローディングシステム(ELシステム)
フィルム巻き上げ:リアワインディング、セルフコッキング、自動巻止、二重露出防止、二重巻上防止
フィルムカウンター:順算式・自動復元
フィルム巻き戻し:クランク式、巻き戻しボタンセット式
ピント調節:4点調節式(実質的には5点)(ゾーンフォーカス:0.9m,1m,1.5m,3m,∞)
露出調節:セレン露出計による自動調節(EE)露出不足時レリーズロック(赤ベロ表示)
EE可能範囲:EV8〜EV17(ASA100)
フィルム感度範囲:ASA25〜ASA400
裏蓋開閉:蝶番式
アクセサリーシュー:ダイレクトコンタクト接点付(ホットシュー)
大きさ・重量108x66x48mm 370g
あとがき
いかがだったでしょうか?
ちなみに拙者愛用のEES-2はもちろんジャンク入手でフィルムカウンターのレンズが失われた状態で購入したものです。
欠落したレンズは捨てる予定だったゴミ同様のアクリル板をリサイクル。円形に切り出して中心に黒円を書き込んで接着して修理しました。

カウンターのレンズを比べてみるとEE-2はドーム状に盛り上がっているのに対してEES-2の自作レンズは平坦で黒円も少し小さい事がわかると思います。

最後まで読んでいただき感謝です。
全てカメラ任せで撮れるPEN EE。それはそれで最強のスナップカメラなのですが、スナップ以外、例えば遠景や風景、テーブルフォトなどを撮りたい場合はピント合わせができず不便です。でもEESシリーズならピント調整が出来ますから、表現の幅が広がりますよ。
EEシリーズで物足りなくなったならEESシリーズを使ってみるのをお勧めします。
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