ジャンカメハンターのぐりやんです。
本日の獲物はPENTAX初のマルチモード機「PENTAX superA」です。ボディキャップとDIGITAL DATA Mが付いていました。
もちろん青箱出身のジャンクで、電池蓋が緑青を吹いて固着しています。電池が交換できなければ電子制御カメラであるSUPER Aは全く動作しません。緊急シャッターなどもありませんからシャッターを切ることもできないのです。
PENTAX SUPER A
PENTAX SUPER Aは、1983年に登場したペンタックス初のマルチモードAEを搭載したカメラです。つまりペンタックスとして初めてシャッター速度優先AEとプログラムAEを実現したカメラです。この二つのAEを実現するためにマウントは新しいKAマウントとなり、マウントに電子接点、絞り環にAポジションが付きました。KAマウントはKマウントレンズとの互換性があり以前に発売された多彩なレンズを使うことが出来ます。しかし、Kマウントのレンズを使用する場合はシャッター速度優先AEおよびプログラムAEは使用することが出来ません。
その他の特徴は、軍艦部のシャッター速度表示やファインダー内表示に液晶が使われており、デジタル技術を導入した先進性を感じることが出来ます。
電池蓋の状態チェック
電池蓋の状態をよく見てみますと、コインを差し込む窪みには大きめのキズがあり、緑青を吹いてます。緑青がありますから電池の液漏れに起因する腐食による固着ですねぇ。写真は撮り忘れましたw
固着の程度を確認してみると、またもや初代500をしても開けることができませんでした。
電池蓋の固着を解消するための方策
電解液による腐食により固着した電池蓋をどうやって開けるか考えます。前回のALSの様に電池ボックスがカプセル構造ではなく底蓋を外すと電池蓋と一緒に取り外すことができ、電池ボックスはボディ側に残る構造になっています。ですからALSの電池ボックスを洗浄したついでに強酸性洗剤のお湯割りに底蓋ごとドブ漬けして超音波洗浄してみることにします。
果たして電池蓋は開くのか?
まずは底蓋を取り外します。
と?62.4.14 技 ウチゾノの鉛筆書きが現れました。その上にも謎の数字がありますね。一度修理されてのでしょうかね?ボディ側を見てみると?
液漏れしたボタン電池が現れました。電池を取り除くと電池室へのダメージは無いようですね。
で、なんと2つの電池はくっついていましたw。底蓋はALSの電池ボックスを洗浄後の強酸性洗剤のお湯わりが入った超音波洗浄機にぶっ込みますよw。
うまい具合に電池ブタまで洗浄できそうです。この超音波洗浄機は5分で自動的に電源が切れますからとりあえず5分洗浄してみます。すると電池蓋と底蓋の間から泡がシュワーっと出てきました。
そして、黒かった底蓋内側が見る見るうちに金色になっていきます。やべぇ。黒染めだったようです(汗)表側は黒色の塗装でしたので問題はありませんでした。まあ内側は金色でも問題ないでしょう。5分経って電源が切れたので取り出して1円玉で電池蓋をまわしてみると?
あっけなく回り、電池蓋を取り外す事が出来ましたw。まさかこんなにあっけなく開くとは思っていませんでしたからびっくりです。これはかなり有効は方法だと思いますが強酸性洗剤は金属を溶解させますから真似する場合は目立たないところでテストするなど十分注意して実施してください。真似をして失敗しても拙者は責任を負うことはできませんので悪しからずw。
DIGITAL DATA M
電池ボックスを開けてみると
YUASAのLR44が二つ入っていました。YUASAってボタン電池も作っていたのですね。ちょっとだけ驚きました。
電池を入れ替えると何事もなかったように動いてしまいました。まあ使わないとは思いますが動いて良かったですw
最終チェックとコンディション
電池蓋が開きましたので、底蓋をカメラに戻して電池を入れて動作確認します。KAマウントのレンズは一本も持っていないのですが、アダプトール2(タムロンの交換マウント)のP/KAは持っていますからそれで確認します。すると、すんなりと動きました。
液晶表示もOKです。若干ミラーの動きが遅い気はしますがね。programAを整備した時には微注油で良くなったフライホイール(ミラーガバナー?)の動きが渋くなっていると思われます。
整備するにはミラーボックスを取り外すという重整備が必要です。ま、このままでもシャッターラグが長いだけですので今回は整備保留とします。シャッターテストを繰り返していたらミラーボックス内のモルトが粉砕して大変なことになってしまいましたのでクリーニングが必要になってしまいました。
シャッターラグは長めですから「難あり品」でしょうね。しかしながら使える状態になりました。
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