PENTAX MZ-7 シャッター不良はMZシリーズの持病なのか? 分解修理に挑戦

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THE ALFEE 終わらない夢を聴きながらキーボードをつついている、ジャンカメハンターのぐりやんです。
本日の獲物はPENTAX MZシリーズの中級機MZ-7です。
このカメラの特徴は何と言っても光るダイアルです。何と言ってもカッコいいw
暗闇で使いやすいと言ったって暗闇でこのカメラを使う人がいるのか?でもカッコいいのですよ。
皆さんも光るだけでワクワクしませんかw え、しない? 拙者だけですかぁ。

PENTAX MZ-7

このカメラの特徴は光るダイアルって事で、キワモノ扱いされがちでMZ-3などに比べると人気はイマイチな気がします。しかし実はなかなかバランスが取れたカメラなのです。
撮影モードはちゃんとマルチでP,S,A,Mちゃんと全部備えています。

またMZ-3には無い機能としてはボディ側から絞り値をコントロールすることができます。つまり絞り環のないレンズを使う事ができるんですヨ。
絞り環をAに合わせた状態でレリーズボタン周りにあるレバーの操作で絞りをコントーロールすることが可能なのです。また従来通りレンズの絞り環を操作した場合でも全く問題なく使用することができます。とは言え、どれぐらいの互換性があるのか?例えばD-FAやD-FAレンズが実際に使えるのかは、わかりません。(教えてくださいw)

イマイチな点としてはファインダーがペンタミラーで倍率が0.7倍ってところです。やはり最低でも0.8倍は欲しいところですね。しかしながらファインダーを覗いてみても暗さは感じませんでした。

状態

電源を入れるとすべて正常に動いている様に見えます。
しかしながらレリーズしてもギュインというだけでミラーも上がらずシャッターも開きません。
ペンタックスのMZシリーズで良くある故障だと思われます。
というのも過去にシャッター不動ジャンクなMZ-5を修理したことがあるのですが、ミラーを駆動するモーターのピニオンギアの割れが原因だったんですよね。
ネットをみてもギア割れが原因で故障している個体が多いと思われることから、MZシリーズの持病と考えられますね。

分解

久しぶりにフラッシュ内蔵のカメラですね。先ほど電池を入れて動作チェックをしましたのでコンデンサには高電圧が充電されていると思います。感電の可能性がありますから、何度やっても緊張します。

危険

注:フラッシュ用コンデンサーには300V以上の高電圧が蓄電されています。意味がわからない人、放電方法がわからない人は絶対に分解しないでください。
放電のためにコンデンサをショートさせるのは非常に危険です。絶対にしないでください。
また、感電したらビリッときたでは済みません。
私も経験がありますが、カメラを放り投げてしまいました。かなりの痛みと衝撃です。
心臓の弱い方などは死に至る危険性もあります。
筋肉の反射でカメラを放り投げたり、手などをどこかにぶつけて骨折する危険性もあります。
挑戦してみようという方がいらっしゃっても自己責任でお願いいたします。
当方は責任を取りませんので、悪しからずm(_ _)m

ネット上にMZ-7の分解例は少ないですがMZシリーズの構造は似通っているのでMZ-5やMZ-3などの分解例が大いに参考になるはずです。

どんどんバラして上カバーを浮かせたところで必ずコンデンサーの電圧を測定して充電されている様でしたら放電を実施します。ショートはダメですよ。絶対!
そしてミラーボックスを浮かせてミラー駆動モーターを取りせる状態までの分解を目指します。

このモーターがミラーを駆動している


鬼門はフレキシブル基板のハンダ外しですね。これに慣れている人なら難なくバラせると思いますが、慣れない人にとってはかなり難易度が高いと思います。

ミラーボックスを持ち上げてやっとの事でモーターに到達

ここまで来たらモーターが固定されている金属のプレートを取り外すことができます。
注意して外してもギアが吹っ飛ぶ可能性がありますので紛失防止のためビニール袋の中で外した方が良いかもしれません。

ピニオンギアを触ってみるとスカスカです。

やはり原因はここでした。見事に割れています。

見事な亀裂が入っている 穴の径は1.5ミリ

新しいピニオンギアを入手すれば完璧な修理となるでしょうが今回も接着で誤魔化しますw
このPOM製のピニオンが割れる原因は(予想ですが)モーターの軸に対して穴が小さすぎて、ピニオンを押し広げる力が掛かり続ける事によって割れてしまうものと思われます。
ですからまずはピニオンの穴を少しだけ拡大します。
今回も1.6ミリのドリルで少しだけもみました。1.6ミリまで拡張するとスッカスカになり使い物にならなくなりますので様子を見ながら少しずつ穴を広げます。

良い感じに穴が拡大できたところでゼリー状瞬間接着剤でモーターの軸に接着しました。サラサラの瞬間接着剤はモーターの軸を伝ってモーター本体に流れ込み軸が回らなくなる可能性が高いので危険です。

あとは元どおり組み立てていきますがミラーボックス横のギアは噛み合わせ位置が決まっているので注意します。そしてハンダ付けは慎重に!フレキは熱に強いですが、あまり熱しすぎると銅箔が剥がれたりして再起不能になりますので注意します。

その他参考

このカメラは


1.底カバー

2.向かって右の黒い部分

3.マウント周りカバー

4.向かって右の黒い部分

5.上カバー

の順で分解していきますが、マウント周りのカバーを外すにはフラッシュをポップアップさせる必要があります。何故ならばフラッシュの下

ここにネジが隠れているのです。電源が入るカメラならば電源が入った状態でフラッシュをポップアップさせてから分解を始めてください。(当然コンデンサに充電され電圧は300V以上となるので上記の危険!を必ず守ってください)
電源が入らない場合は?実は無理やり開ける方法を発見しました。

黒いカバーを外した隙間から棒状のものを差し込んでフラッシュのロックを解除することができます

押す部分はピンポイントで配線もありますので慎重に!

上手くいけばフラッシュがパカン!と開くはずです。

向かって左の黒いカバーは裏蓋の蝶番の所に隠しネジがあります。

ネジを外したら裏蓋は取り付けておく事をお勧めします。シャッター幕を痛めたらゲームオーバーです。

これはどうでも良いけど、ペンタミラーなのでペンタカバーの内部は空っぽですw

最終チェック

レリーズすると聞こえてくるのはモーター仕かけっぽい音なのでグッと来ませんがw

バッチリ動くようになりました。

コンディション認定

新品のピニオンを使っていれば美品と言っても良いレベルでしょうが、接着の耐久性は未知ですね。
ですので並品ってところでしょうかね。しかしながらピニオン以外の問題点はないのでいずれ新品のピニオンを購入して組み込もうと思います。

あとがき

ペンタックスのMZシリーズのピニオン割れ修理はMZ-5に続き2台目となりました。実はむかーしお迎えしたMZ-5Nも眠ったままなんですよね。これもいずれなんとかしないとなー。
なんだかMZ-3も欲しい気がしてきた(汗)
これでとりあえず今年の1月に入手した一眼レフのレストアはすべて終了しました。
残るはハーフとコンパクトそれぞれ1台です。

ぐりやん
ぐりやん

最後まで読んでいただき感謝です。
さて次回は時代は戻って1963年に発売された、リコー製の劇レアなハーフカメラをレストアしていこうと思います。乞うご期待w

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