六櫻社pearlette(1940モデル)部品取りとしてGETしましたが、分解して修理しますw

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ジャンカメハンターのぐりやんです。
本日の獲物は獲物は前回紹介いたしました、六桜社pearlette(1940モデル)です。
前回と申しましても既に、1年半以上経っていますが(汗)

Rokuoh-sha Pearlette(1940)

入手の経緯等は前回のエントリーを見ていただくとして、このカメラを簡単に紹介します。
六櫻社パーレットはベストポケットコダックをリスペクトして作られたカメラで、127フィルム(いわゆるベスト判)を使用する蛇腹カメラで、製造されてから50年以上経過しています。
とてもコンパクトで薄いためベストのポケットに収まるカメラというところからベスト判と呼ばれます。折りたたみは蛇腹式ですが、レンズが飛び出してくるスプリングカメラとは違い、使用時はレンズをグッと引き出す必要があります。このようなカメラはクラップカメラと呼ばれるそうです。
レンズはrokuoh-sha optar 75mm f6.3で構成は3枚玉(トリプレット)です。レンズの設計は小西六ですが製造は旭光学が担っていたらしいです。
レンズは固定焦点で、ピントは4mほどで固定されているようですから、F11まで絞れば無限遠まで被写界深度内に収まると思います。どちらにせよ現在の現在の高感度フィルムを使う限り、シャッターが1/100までしかありませんから晴れた日なら必然的に絞らなくてはならず、強制パンフォーカスになりますね。

素通しファインダーの前枠を閉じると近接レンズがレンズ前にセットされる仕組み


固定焦点を補うため近距離用のアタッチメントレンズが搭載されており1m辺りにもピントが合うようになっています。

入手時の状態

製造から53年も経過していることを考えれば全体的に状態は良いと言えますが、レンズシャッターはうまく動かず絞り羽根が少し変です。
レンズは汚いですがノンコートなので磨くだけでキレイになるのではと期待しています。


巻き上げノブは、中空のベークライト製のタイプ。ほとんどの個体で割れたり欠けたりしているみたいですが、この個体も欠けています。が、巻き上げは可能です。
レンズシャッターユニットを修理すれば写真は撮れそうです。

レンズシャッターユニットの分解と修理

早速レンズシャッターユニットを取り外して分解します。

レンズシャッターは単純な2枚羽根のエバーセット式です。
油が回っていましたが、洗浄しただけで作動良好となりました。

シャッターはサクッと治りましたが、大きな問題は絞り羽根の方にあったのです。

絞り羽根の一部動きが悪く、開口部がいびつな形になっていますね。

取り外した絞り羽根です。可動軸の部分にピンは使われておらず、穴が開けられて折り返してあるだけです。これでは耐久性は低いでしょう。

この状態、わかりますか?

キズ見で拡大して観察して見ると、ひどい変形があります。
変形場所は、絞りが動く支点となる羽根の突起です。
絞り羽根の支点には通常金属の軸が取り付けられている事が多いのですが、支点部分には極小(0.5ミリぐらい?)のプラスドライバーの様な形の刃物を貫通させて作った様な、カエシと言いましょうか?フジツボ型の突起があります。絞り羽根に油の付着は有りませんでしたから、前回バラした人が組み立て時に破損させた可能性が高いです。この頃の六櫻社や小西六のechoやROXシャッターはこういった簡易的な羽根を搭載している可能性があります。耐久性は皆無ですから動きが渋くなったものを無理に動かすといとも簡単に壊れてしまいますので、ご注意ください。

この潰れてしまった突起はマイクロサイズで修正困難と思われましたが、キズミで拡大して見ながら一つずつ注意深く修正しました。

前玉は外した状態

それで少しいびつながら、どうにか動く様になりました。

シャッターも正常になりました (前玉は外した状態)

レンズクリーニング

レンズはノンコートですから傷さえなければ綺麗になると思います。

クリーニングしてみると、幸い傷もほとんどなく、すごく綺麗になりました。

最終チェック

高級パーレットのドナーとしてやって来たこのパーレットですが、使える状態まで復元する事ができました。素通し式ファインダーとブリリアントファインダーを搭載したこのカメラは使いやすくはないですが、コニカの前身である小西六商店の意欲作で、どんな写りをするのか非常に興味がありますね。
レンズは分解した時にデジカメにマウントして試写して見ました。 

rokuoh-sha optar 75mm f6.3 + α7Ⅱ で撮ったContax

実際パーレットではこんなに近接することはできないんですよね。

3枚玉らしく周辺ボケはグルグルっとなりますね。

ノンコートとですから逆光には弱いですが、レトロな良い写りをしますね。

実際のベスト判ではライカ判(35mmフルサイズ)よりかなり大きなフォーマットですからさらに周辺のグルグルなどが際立つと思います。楽しみだなあw

近接レンズを使って試し撮りしてみた

ひとつ忘れてました。
近接レンズを付けると若干画質が低下しますが、これはこれで面白いと思います。

追記:後日試写をしましたのでリンクを貼っときます

コンディション認定

外観は結構やれていますが、機械は正常でレンズも綺麗ですから、製造からの年数から考えると並品と言って良いでしょう。

あとがき

ぐりやん
ぐりやん

最後まで読んでいただき感謝です。
ベスト判(127)のフィルムはかわうそ商店で手に入るし、現像タンクもアマゾンで手に入ります。
ベスト判が使えるのは今です、やるなら今でしょw

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