ジャンカメハンターのぐりやんです。前回は初めてのカメラにPEN EEシリーズをおススメさせていただきましたが、今回はその中でも一番おススメなPEN EE-2の世界一やさしい(当社比w)使い方をやってみようと思います。
PEN-EEシリーズのカメラはフィルムカメラの中でも最も簡単に使う事ができるカメラの一つです。
フィルムを入れてしまえば、ほぼ押すだけでOKですからね。
まずは各部の説明から、イってみよう!
OLYMPUS PEN EE-2 各部の説明
フィルムの装填
1.ASA感度設定
ASA設定リングを回して中央指標からASA感度以外に合わせます。(オレンジ色の数字ならどれでもOK)
白い数字に合わせるとEEが作動してシャッターボタンが自動ロックされるのを避けるため。
2.裏蓋を開けます
裏蓋開閉ロックを下方向に引っ張ると裏蓋がカパッと開くはずです。少し固いかもしれませんので、親指の爪が良いでしょう。爪が弱い方は一円玉でも開きますよ。
次にいよいよフィルムを入れますが、フィルムが入っている容器(パトローネと言います)の遮光性は高いですが完全ではないので直射日光を避けて行いましょう。
3.フィルム巻き戻しノブを引き出す
フィルム室にはフィルム巻き戻し軸が飛び出していて邪魔ですので、一旦上方に引き出してからフィルムを入れます。巻き戻しクランクを引き起こして引っ張り出しても良いですが巻き戻し軸を押し上げる方が簡単です。
4.フィルム巻き戻しノブを元の位置に押し込みます。写真のように片手でやっても良いですし、もちろん空いている手を使ってもOKです。押し込めないときは無理に押し込まず、巻き戻しノブを左右に少しまわしながら押し込むとカチッと入るはずです。
5.フィルムの先端をスプールに差し込むフィルムをパトローネから少しだけ引き出しながらスプールの溝に差し込みます。穴がいくつも開いてますから差し込みやすい穴にさしこめばOKです。ここで引き出したフィルムは感光して使えませんから引き出しは最小限にします。
6.スプロケットを確認して裏蓋を閉じる
巻き上げノブを止まるまで巻き上げます。(白矢印)止まったらレリーズボタンを押して再度巻き上げて(空写し)スプロケットの歯にフィルムの両脇にある穴(パーフォレーション)が掛かる(赤丸)ところまで巻き上げたら、パーフォレーションとスプロケットの掛かりをよく確認して裏蓋を閉じます。
7.フィルムの弛みをとる
クランクを引き出してクランクについている矢印の向きに軽く回転させてフィルムの弛みを取っておきます。あまり強く巻かないでください。フィルムの弛みをとるだけですから。
8.フィルムカウンターを1にします
フィルムカウンターが1を指すところまで空写しをします。
空写し中の巻き上げをするときに巻き戻しノブを確認してください。巻き上げに連れて回っていればフィルムの装填に問題がないということです。そうでなければフィルムの装填に失敗していることになります。(7.のフィルム弛みとりをしていない場合は連れて回りません)
このように連れて回っていればOKです。
9.フィルム感度を合わせます
ASA設定リングの値を使用するフィルム(装填したフィルム)に合わせます。
これで撮影準備は完了です。
ASAというのはアメリカのフィルム感度の表し方で当時は主流でした。現在のISO値と同じです。
撮影準備完了 フィールドに繰り出しましょう
さあいよいよ撮影です
ファインダーを覗きましょう。ファインダーの中に黄色っぽい枠が浮かび上がっているはずです。これが撮影範囲ですから構図を決めます。
(写真では枠の外が暗くなっていますが実際は枠の外側まで被写体が確認できます)
カメラの状態によってはファインダーが傷んでしまい枠が見えないかもしれません。
構図を決めたらレリーズボタンを押すだけで撮影できます。
一枚写すごとに止まるまで巻き上げればOKです。
写したいもの(場所)が暗すぎるとレリーズボタンを押したと同時にファインダー内に赤い表示が現れてシャッターが切れません。
明るい場所に移動するかフラッシュ撮影を検討しましょう。
一か八かASA設定リングを3.5に合わせて撮る方法もあります。夕暮れ時や少しくらいぐらいなら案外写ってしまうのがフィルムカメラの面白いところなんですよ。
撮影後は必ずASA設定リングを元に戻すのを忘れないようにしましょう。
フラッシュ撮影
PEN EE2以降ははホットシュー付きですからストロボを取り付けるだけでOKです。ホットシューというのはストロボ用の接点がついたアクセサリーシューのことです。
初代PEN EEにはホットシューは付いていません。
ちなみに上の写真のフラッシュはGN10です。GNとはガイドナンバーのことでして、光の強さを表す単位でGN値と被写体までの距離で絞り値を決めます。
このようなマニュアルフラッシュの場合はカメラの絞りで明るさを調節します。マニュアルフラッシュとはただ光るだけ、設定はカメラ側でマニュアルで行います。フラッシュの裏側に必ず計算表がついていますから被写体までの距離に合わせて絞りを設定します。このフラッシュの場合はASA100で被写体まで2-3mであればF4という具合です。
ですからこのように絞りリングをオレンジの4に合わせれば良いことになります。3〜4mならばF2.8に設定すれば良いのです。しかしPEN EE-2のレンズではF3.5までしかありませんから無理ですね。
4m以上は?
こんな小さなフラッシュでは光が届きませんから撮影できません。
そしてオートフラッシュの場合です。オートフラッシュはフラッシュが自動的に明るさを変えてくれる便利なフラッシュです。こちらはちょっと明るいGN16です
オートフラッシュにも同じような計算表がありますがオートの場合(ASA100)はF4に合わせるだけで0.7〜4mの範囲であればフラッシュが自動で明るさを加減してくれます。
それ以遠の場合はマニュアルに切り替えれば可能ですがこちらもF3.5のPENでは4mちょいが限界となりますね。
撮影が終わったら
フィルムが最後まで行くと巻き上げノブが固くなって回らなくなります。そしたら撮影終了です。
PENはハーフサイズカメラですからフィルムのパッケージに書いてある撮影枚数の倍撮れます。24枚撮りであれば48枚以上、36枚撮りであれば72枚以上撮れます。
フィルムは表示枚数より数枚多く撮れるのが普通です。
フィルムカウンターを見ると40と72が赤色になっています。実は昔のフィルムは20枚撮りが主流だったんですねー
FUJI NEOPAN SSの20枚撮りのパトローネです。今はもう20枚撮りはありませんねー。
閑話休題w
はい撮り終わりの確認はカウンターではなく(カウンターは目安)巻き上げができなくなったら撮り終わりです。実際は規定枚数以上撮影できるのが普通です。ハーフの場合は4から6枚ぐらいは多く撮れます。
そうしたら巻き戻し(フィルムをパトローネ内に再格納する事)をします。
まずはカメラ底面にある巻き戻しボタンを押し込みます。PENはボタンセット式なのでボタンを押しこめば押し込んだ状態で保持されます。
巻き戻しボタンを押すと巻き上げ機構が切り離されて巻き戻せる状態になりますから、巻き戻しクランクを起こして矢印の方向にグルグル回します。巻き戻されている間はクランクに抵抗を感じますがフィルムの先端がスプールから外れると急に軽くなります。そしたら巻き戻し終了です。結構な回数グルグルする必要がありますよ。根気強くグルグルしてくださいね。
装填の時と同じように直射日光を避けながら裏蓋を開けてパトローネを取り出しましょう。
取り出したら現像に出してくださいね。初めて現像するときは「同時プリント」でおねがいしてみるのをお勧めしますが、同時プリントしたらいくらかかりますか?と聞いてからの方が良いかもしれません。特に72枚も撮っちゃうと金額もかなり高くなりますからご注意をw
OLYMPUS PEN EE-2の主要要目
主要要目(PEN EE-2 前期)
使用フィルム:35mm135 24x18mm
レンズ:D.ZUIKO f=28mm F/3.5(3群4枚)
シャッター:オリンパスシャッター(自動)プログラムEE(1/30秒、1/250秒)、(フラッシュ用)1/30秒
ファインダー:アルバダ式ブライトフレーム 0.5倍
フィルム装填:イージーローディングシステム(ELシステム)
フィルム巻き上げ:リアワインディング、セルフコッキング、自動巻止、二重露出防止、二重巻上防止
フィルムカウンター:順算式・自動復元
フィルム巻き戻し:クランク式、巻き戻しボタンセット式
ピント調節:固定焦点式(1.5m〜∞:3.2M固定)
露出調節:セレン露出計による自動調節(EE)露出不足時レリーズロック(赤ベロ表示)
EE可能範囲:EV8.5〜EV17(ASA100)
フィルム感度範囲:ASA25〜ASA400
裏蓋開閉:蝶番式
アクセサリーシュー:ダイレクトコンタクト接点付(ホットシュー)
大きさ・重量108x66x43mm 335g
終わりに
世界一わかりやすく書いたつもりですが、いかがだったでしょうか?
ちなみに拙者愛用のEE-2は祖父の形見です。昔の写真を見ていると20歳台だったと思われる叔母がこのPEN-EE2を使っている姿が写っていたりしていて、このカメラと祖父一家の歴史を感じる事が出来て、とても感慨深いです。
さてw、わかりにくい部分とか、これってどうなのなど質問がございましたら、お答えできる範囲にはなりますがコメントいただければお答えします(^ω^)
次回はPEN EE-2の作例です。
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