ジャンカメハンターのぐりやんです。
本日は雑談…と言いましょうか、特定のシャッターを搭載したカメラが次々に故障し始めたお話。
ポリウレタンはカメラの内部や外装にもよく使われているゴムのようなプラスチック系の素材である。新しいうちはとても良い質感やショックの吸収力を発揮してくれるのだが、経年変化を起こし溶けたようになったりボロボロになったりしていろいろな問題を引き起こすのである。
縦走りシャッターが軒並みスタックする
縦走りシャッターが軒並みスタックする!と申しましてもたった2台のカメラのシャッターがスタックしただけなのですが、症状が似ているんですよね。そして2台ともCOPAL CCS-Mというシャッターを搭載しています。
まず最初にスタックしたのはRICOH XR-1です。コレまだ紹介もしていないし未整備なのですが、購入時からシャッターは正常に動いていたんですよ。で、空撃ちしてたらスタックしてしまいました。つまり動かなくなってしまったのです。
そして今日スタックしたのはKONICA ACOM-1です。こちらも同じく空撃ちしてたらスタックしてしまいました。
搭載しているシャッタはコパルスクエアCCS-Mで拙者が勝手に前期型CCSと呼んでいるタイプです。
コパルスクエアCCS-Mというシャッター
コパルスクエアCCS-Mについては前に整備したAcom1の時にお話しした通り明らかに違いがある2種類のものがあります。過去のACOM-1のエントリーからの流用ではありますが、
第一世代(1G)と思われるものと第2世代(2G)と思われるものの違いです。










今回故障した2台のカメラはともに1Gの特徴があるシャッター幕を備えています。
そして以前分解修理したRICOH XR500もCCS-M搭載機だったのですが、しこのXR500に搭載されていたCCS-Mは2Gの特徴を備えたものでした。
そしてこのシャッターユニットには先幕、後幕ともにバウンド防止レバー(勝手に言っている名称)が搭載されており、その部分にウレタンダンパーが使われていました。そしてウレタンダンパーは加水分解により崩壊しておりまして、ダンパーが無くなるとバウンド防止レバーが噛んで動かなくなりそうな構造でした。
ここだけの話、未整備未紹介のNikonFMも持っているのですがコレは購入時からシャッターがスタックしているジャンク品です。ウレタンダンパーの加水分解が原因なら治ると踏んで買ったのですが未だ手付かずなんですよね〜。
コパルCCS系のシャッターを搭載したカメラたち
実はコパルCCS系のシャッターは機械制御式(CCS-M)と電子制御式(CCS-E)があります。
CCS-Eは今のところいじった事ないのですがおそらく機械的な部分は同じであろう事から同じようにウレタンダンパーが使われている可能性があります。(入手済みなのでいずれ分解してチェックします)
ちらっとコパルCCS系のシャッターを搭載したカメラを調べて表にしました。
| COPAL CCS-M | COPAL CCS-E |
|---|---|
| KONICA AUTOREFLEX T4 | Nikon FE |
| KONICA AUTOREFLEX TC | RICOH XR-2 |
| KONICA Acom-1 | RICOH XR1000S |
| Nikon FM | CONTAX 139* |
| RICOH XR-1 | |
| RICOH XR500 | |
| COSINA CT-1 |
CONTAX139に関しては羽根の形状からの予想です。これらの機種は既にシャッターがスタックして故障しているものも多いでしょうし、ここ数年のうちに故障する可能性が考えられます。十分注意して購入した方が良いでしょう。ていうか注意しようがないのでせめて保証付きのものを買うのがベストでしょう。そしてダンパーが壊れているだけの故障であれば修理可能(特殊な修理なので受け付けてくれる修理屋さんは限られるかも)ですので修理前提でジャンク品にチャレンジしてみるのも面白いかもしれませんね。
ウレタンについて
拙者もそんなに詳しい訳ではないのですが、ウレタンで製作された部品の加水分解には悩まされてきました。
ウレタン?正式にはポリウレタンらしいですが、実はとても身近な素材です。雨具のコーティングやフェイクレザー、ラジカセなどの電池ボックス内のスポンジ、台所のスポンジなどありとあらゆる身の回りの製品に使われています。数年で捨ててしまうような消耗品にには良いのですが、10年以上使うような製品には不向きな素材だと言えます。なぜなら経年変化(加水分解)で変質してしまう特性があるからなのです。
身近な素材ってことでカメラにもよく使われています。最たるものはモルトプレーンですね。これは一種のスポンジ素材で、発泡ポリウレタンで作られているものが多く年数が経過すると加水分解して溶けたり粉々に粉砕したりするのです。またダンパーなどとして弾力性のあるゴム状のポリウレタン(エストラマーなどと呼ばれる事もある黄色っぽい透明な樹脂ですね。黒いものもあります)も使われておりまして、有名なのはYASHICA ELECTRO35のPOD(Pad of Death)と呼ばれる現象ですね。カメラにプラスチックが使われ始めた頃からは、シャッターやミラー、巻き上げレバーなどのショックを吸収する部分やグリップ、貼り革などカメラ内外のあらゆる場所に使われるようになりました。おそらくではありますがポリウレタンが使われ始めた頃はメーカーでも加水分解のことを把握していなかった?もしくはこんなに長くカメラが使われることを想定していなかったと思います。
そしてそれらの製品は令和の現代では、ポリウレタンで作られたパーツが加水分解により変質し、カメラ内外で色々な悪さをするのです。
ジャンクカメラとの闘いはポリウレタンとの闘いと言っても過言ではないほどなのです。
今まで経験したポリウレタンの加水分解に起因する故障の数々
一番悩まされるのが、カメラ裏蓋の遮光に使われている発泡ポリウレタン、いわゆる遮光用モルトプレーンですね。ポリウレタンの材質や接着方法によるのだと思いますが、粉々に崩壊している場合がほとんどです。そしてもう一つが一眼レフのミラーボックス周りに使われるモルトですね。コレが粉々になるとピントスクリーンを汚したり、溶けたモルトがプリズムの蒸着を腐食させたりします。プリズムの遮光や固定のためにモルトを使っているカメラはとても多く、オリンパスOMシリーズやミノルタXシリーズ、ペンタックスSシリーズなど様々なカメラでプリズムが腐食しているのをとてもよく見かけます。



外観に問題が起こるものとしては、まずはミノルタのα系のグリップラバーですね。α7000はもとよりα9000、αn700i系、αnxi系、αn0n si系などミノルタのAF一眼レフのほとんどの機種でグリップラバーが加水分解で朽ちてしまいます。またα7 Digitalの底面ラバーも崩壊します。困ったものですねぇ。

そしてYASHICA ELECTRO35の「POD」ですね。これも持病として有名ですね。


あとは、Canon T70では崩壊したダンパーの破片が内部のギアに挟まり悪さをしていました。コレと同じような故障は何度か経験しています。あと有名なのはCanonEOS系のシャッター羽根の固着ですね。



コレもシャッター内部に使われているダンパーが加水分解してタール状に溶けてしまうのが原因ですね。ミノルタα系のシャッターでも起こります。これらのシャッターはコパル製だと思います。

ペンタックスMEスーパー系のミラーボックスのダンパーも悪さをしますねぇ。
もう一つ思い出しました。

CANONのNewFD系ズームレンズのカムスライダーなどにウレタンが使われていますね。その他サードパーティー製のレンズでも加水分解したカムスライダーを見た記憶があります。一眼レフではミラーのショックが発生するので、ミラーボックスまわりにドーナツ状のウレタンダンパーが使われていることが多いです。
あとは初期コンタックスの貼り革ですね。RTSとか139や137など、コレも現代ではほぼ全ての個体で劣化していますね。見た目が悪いだけで安く買える事も多いのでジャンカメハンターとしては嬉しい気もするするんですけどねwww
あとがき

最後まで読んでいただき感謝です。
今のところ分解経験がないのではっきりはしませんがCOPAL CMS系でも同じような不具合が発生するかもしれません。というのもシャッターがスタックしたXR-7も入手済みでもしかしたら?と思っているんですよね。







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