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NEW(SEMI)OLYMPIC レストア まさかのレンズ削り | いつの間にやら

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素性がわからないボロボロのベークライト製カメラ

ウチでは初めてのベークライト製のカメラです。

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その名もオリンピックイヤーに相応しいニューオリンピックです。
素性は良くわかりませんがいろいろ調べてみると現在のリコーの前身である旭工学工業製(PENTAXの旭光学とは全く違う会社らしいです)のカメラだそうです。
いろいろ調べてみるけど情報は少なくリコーの全カメラリストにも同じものはありません。
発売は1938年ごろだったようですが、最初は折り畳み式のファインダーだったようで、筒式のファインダーが搭載されたのは1939年ごろのようです。

詳細を見てみる

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(レストア後:ナンバーははめ込み合成w)
正面から見ると右側にThe Olympic Camera Worksと書いてあります。
レンズ周りの沈胴リングにはNEW OLYMPIC SIZE 4.5 x 6 CMとありまして、レンズシャッターの銘板には
SEMI OLIMPIC
AKKマーク(Asahi Kohgaku Kougyou)
MADE IN JAPAN(輸出用にのみ表示?) 
FISKUS
レンズ周りにはUKAS Anastigmat 1:4.5 F=75mm
レンズはヘリコイドで沈胴する方式ですが、ヘリコイドはなんとベークライト製です。
ピントリングに距離の単位表示は無いですが距離目盛はfeet表示だと思われます。

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裏蓋にはNEW.OLYMPICとあります。

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赤窓は旧式の二つ窓タイプで、赤というより橙窓です。

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軍幹部にはシャッターボタンらしきものがありますが、シャッターボタンではありません。(コレなんなんでしょう?)

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本物のシャッターはこのレバーです。
エバーセットシャッターといってチャージの動作がなくシャッターレバーを押すだけで何度でもレリーズができる。
ホルガと同じような単純な構造ですね。

レストア開始

状態はとにかくボロい。
レンズは汚くカビだらけで、レンズ周りはマジックか何かで塗ってあります。
シャッターは切れますが、速度が変化していない様子です。

ファインダー

ファインダーはあさっての方を向いていますね。しかもファインダーの対物レンズがバキバキに割れています。
ファインダーはボケボケで何も見えません。

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鏡筒は上下が逆?のようです。
裏蓋の蝶番は何か汎用品の真鍮製のモノに交換されているようです。

まずは外見上一番気になるファインダーを取り外しました。

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下側のねじを外すと対物レンズもポロリと外れて、中からガラスの破片が出て来る始末。
どうも純正品ではないレンズを無理やり取り付けてネジを締めた為、ネジに押されてレンズが割れたようです。
ファインダーを覗いてもボケボケで何も見えません。とりあえずファインダーは後回しに決定です。

レンズとシャッター

気を取り直してレンズシャッタ周りに取り掛かります。
レンズやらシャッタースピードリングを外してみます。
レンズ周りは、まず無限止めネジが脱落しており、レンズシャッタープレートの位置決めネジもありません
前玉を取り外して外せるものは外しましたがシャッターメカにはたどり着けませんでした。

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裏からアクセスするタイプのようです。
しかし、汚いですね〜。しかもパーツ類は手作り、手加工っぽさMAXですなぁ。

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裏から止めリングを外せばレンズ機構をボディから切り離せます。

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外れました。チャージレバー兼シャッターボタンが曲がっています。無限ストッパーのネジも欠損。
ストッパーがありませんからヘリコイドを回せばレンズは抜けてしまいます。

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代わりに新しいネジを取り付けました。

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はい、こちらはレンズです。
トリプレットタイプでレンズエレメントは3枚ですね。
しかし汚すぎですね。

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後玉はひどいカビです。 

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しかし洗浄によってそこそこキレイになりました。
ノンコートなので痛みは感じられません。
さて、次はシャッターです。裏からシャッターメカにアクセスします。

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ご開帳〜w
スッカスカ。しかもすごく単純。原始的なシャッターです。
シャッタースピードの変更はシャッタを動かすバネのテンションを変えるだけ。
しかしうまく動いていないようで、シャッタースピードを変更してもほぼ変化せず、まるで単速シャッターです。
絞りはちゃんとした虹彩絞りを搭載していますから、撮影はできそうですね。

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絞り羽根は乱反射しそうな金色ですが、動作等異状ありません。

再度ファインダーの修復を考える

残るはファインダー。
ボロボロはまだしもボケボケひどいです。

どうやらなにかレンズがおかしい。違うものに取り替えられているとしか考えられません。

代用のレンズを探しました。そして見つけたのが真ん中の丸いやつ。
これ昔100均の双眼鏡から取り出して保管していた片凹メニスカスレンズ。試してみると行けそうです。

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しかしガラス製のレンズ。果たして加工できるのか?やったことないけどガラスを削ることができるのだろうか?

実は左のものが加工後のものです。既にコバ塗りを済ませてあります。なんとか加工できました。ルーターとダイヤモンドビットでサクサク削れました。
右のが最初についていたやつなんですが、欠けまくっています。

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ファインダー筒内部です。下面はメッキままだったので植毛紙を貼りました。

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レンズを入れてみました。見た目はいいかんじでしょう?

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ボケぼけだったファインダーは

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ほぼOKっぽい?
完璧ではないけれど、ギリ実用範囲ってところです。

あとは、お化粧直し。
レンズ周りの墨入れです(白文字なので墨じゃないか)白のダーマトグラフで塗り潰し。

結果、ガラスを削るなどと、困難を極めましたが、これでレストア終了です。

試写結果

実はもう試写を終えています。
とりあえず一枚だけw

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意外とちゃんと撮れていました。
その他の試写結果は次回ww

終わりに

明石の正直なお店よりガラクタとして激安で購入しましたが、なんとか復活です。

ビフォー

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アフター

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次回は試写結果をお送りいたします。

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