MINOLTA New MD 70-210mmF4 ジャンクレンズをGET & レストア

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ジャンカメハンターのぐりやんです。
本日からはズームレンズの巻です。最初の獲物はミノルタ製のジャンクなズームレンズ
New MD 70-210mmF4です。このレンズは1983年に発売された3倍望遠ズームレンズで前にも後にも同じ設計のレンズは無いみたいです。実はAFになったαマウントに全く同じスペックのレンズがあるので同じ設計かと思っていました。

全長が長い方がMD

しかし並べてみると明らかに長さが違いαの方がかなりコンパクト(10ミリ短く)になっています。ズーミングは直進ズームで同様なスペックの望遠ズームレンズでは標準的です。最短撮影距離は1.1mで、マクロの表示がありますが切り替え等は不要な連続マクロとなっており、倍率は210mm時に1:3.9となっていますね。結構デカく撮れますよ。

MINOLTA MD ZOOM 70-210mm 1:4

New MD シリーズはミノルタ製マニュアルフォーカスレンズでは最後のレンズです。このレンズは1983年発売なのですが1985年にはα7000が発売になり一眼レフもオートフォーカスの時代に入りますからね。見分け方はレンズ銘からROKKORの文字が消えてMDのみの表記になっているので簡単ですね。

レンズ構成は9群12枚、ズームの構造は4群ズームで(色分けを参考に)ズーム時に可動するのは2群(黄色・緑)です。水色はピント調節で動き、紺色は固定です。

さて今回入手したレンズを見ていきます。
外観はかなり綺麗で、ほんの少し傷がある程度です。ゴムリングも問題ありません。
前後のレンズエレメントは若干汚れていますが大きな傷やカビは見当たらないようです。
ただレンズ内の可動する玉がなんだかビッシリと汚れています。

ピント、ズーミング、絞りリングの動きなどは問題なしです。
また自動絞りの動きも問題なさそうです。

整備の方針

作動に問題はないのですが、ズームで動くレンズにクモリ?汚れ?がありますので分解してクリーニングします。
問題があるレンズはズーミングすると動くレンズですから変倍系か補正系、図で言うと黄色か緑色に示す部分だと考えられます。クモリの原因が、第4群のバルサムじゃなければ良いのですがね。
その他は問題なさそうなので分解しながら確認し、何かあれば対処するって感じです。

分解と患部の確認

ズーミングで可動するレンズエレメントは前群(絞りより前)にありますから前から分解します。前枠は脇に付いているすり割付き止めネジを緩めて回す事で外れます。硬かったので100均の瓶オープナー(写真の奥側に写っていますねw)で開けました。出てきたステンレスのプレートについている3本のネジを外すと前玉がフリーになります。このレンズは前玉回転式ですから前玉がフリーになるという事はピントが狂うという事です。ピントを調整する手段を持ち合わせていない方はこのネジを外してはいけません。

あとはピントリングのゴムリングを外して、ピント指標リング(プラスチック製)とピントリングを止めている黒いテープを剥がし、透明テープを剥がし真鍮のプレートを外すとネジが見えます。

このネジを外すとピントリングがフリーになり抜くことができるようになりますが、2箇所についているネジは種類が違い(サラネジとナベネジ)真鍮のカラーの形状も違うので注意します。ピントリングは10数回転回せば外れます。

これで目指すレンズを留めているマイナスネジが見えます。何度か稼働させて仕組みを理解してから外した方がいいです。またこのネジは固く締まっていますので、特に適正工具で外します。

犯人はコイツ補正系でした

一応、後玉も確認のため分解します。

こちらもすり割ネジ3本を緩めたリングを外したら、絞りをF32に合わせると4つの穴の奥に隠れプラスネジがあるので外すと絞りリングがユニットで外せます。

組み立てる時は緑◯で示す絞り伝達カムを嵌合させる必要がありますので注意。

汚れたレンズエレメントのクリーニング

左から前玉→後玉の順 後玉は赤い反射ですので新しい世代のマルチコートだと思われます

後玉と前玉の裏側はキレイでしたらか触りません。問題があるのは真ん中の2つ。
ズームの構成からいくと2群(変倍系)と3群(補正系)なので洗浄します。
洗浄後に変倍系をよく見るとレンズの縁に何かがついているようです。

幸い変倍系は分解できる構造ですからバラして確認します。と?オイルですよコレ。なぜこんな所に。
結局は変倍系をバラして再洗浄しました。

すると今度はバラせない補正系が内部結露してるじゃないですか(ギョギョ)
やってもーた(大汗;)
ここは、たぶんカシメでられていて、レンズサッカーで引っ張るとカタカタ微妙に動くことからカシメが緩んで隙間が出来ており、微小な水分が染み込んだのだと思われます。このレンズを整備する人はここは水で洗わない方が良いです。
とりあえず一晩ドライボックスに置いて乾燥させてみます。

見事に乾燥させることに成功しました。危なかったーw
あとは元どおり組み立てますがヘリコイドスレッドが鏡筒内にむき出しになっているのでマスキングテープで保護しながら組み立てました。

最終チェック

光にかざすと少し埃っぽいですが、変なクモリは消滅して非常にクリアになりました。

いつものようにα7Ⅱにつけて試し撮りです。

望遠端210mmでは1.1mまで寄れますから、かなり大きく撮れます。

広角端70mmでも最短撮影距離は1.1mですからこちらは物足りませんね。
しかしながらキレイに写りますね。ボケ感も意外とキレイですね。

コンディション認定

使用には全く問題はないが外観に多少傷がある良品に近い「並品」に認定ですね。

あとがき

ジャンクとしてお店に並んでいたレンズでしたが、外観もレンズエレメントもキレイだったんですよ。
望遠レンズはあまり使わないし、買うかどうか迷ったのですが値段からすると激安だったんですよね。なので、いつの間にやら連れて帰ってたわけですw
で、家に帰って、光にかざしてみると最初にお話ししたような汚れがあったのです。
キレイになったので、持ち出してみようかな。

次回はかなり古いサードパーティ製の謎の望遠ズームレンズをレストアしていきたいと思います。
乞うご期待w

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