フィルムを装填中、つまり使っている途中でカメラの巻き戻しボタンを押してしまったという失敗をする事があります。ボタンが押し込まれて戻ってこない。焦りますよね?
そんな時、どう対処すればいいのでしょうか?
なぜ途中で「巻き戻しボタン」を押してしまうのか?
何も知らない友人や子供などが「ついポチッと押してしまった」り、自分がカメラを触っている時に「何気なくポチッと押してしまった」りなどですかね?w。
人は何故ポチッとしてしまうのでしょうか?
実は、人はそこにボタンがあると押したくなる生き物なんですねw。
アフォーダンス理論と言われるらしく、チコちゃんに言わせれば「ボタンは押せと誘っている」らしいですよwww。一時期Amazonから「Amazonダッシュボタン」という押すだけで商品が届くという物理ボタンガジェットが発売されていましたが、これはまさにこの心理を応用(悪用?ww)したモノだったの思います。コレ、子供の手が届くところに置いといたら大変なことになりそうですねwww
大きく分けると2種類ある巻き戻しの手順
フィルムカメラでフィルムを巻き戻す時の手続きは主に2種類のタイプがあります。
どんなやつかと申しますと?
巻き戻しノブや巻き戻しレバーなどがあるカメラ
巻き戻し用の「ツマミ」や「レバー」などがあるタイプ。レリーズボタン周りのリングを操作するものもありますね。
これらのカメラにフィルムを入れたままフィルムカメラを全く知らない人に手渡してしまっても、そのツマミなどを操作してしまう事はあまり考えられませんし、誤って操作することも考えにくいと思います。しかし子供は好奇心の塊ですから注意が必要ですね。
巻き戻しボタンがあるカメラ
ボタン式は、なんとなく押したくなりますし、何かの拍子で誤って押し込まれてしまう可能性がありますからある程度の注意が必要かもしれませんね。
巻き戻し用の「ボタン」には、細かく分けると、さらに2種類のタイプがあります。
- ボタン式(自動復帰しないので巻き戻す間押しっぱなしにする必要アリ)
- 自動復帰ボタン式
一番多く採用されているやつが自動復帰ボタン式で、ボタンを押し込んだらカチッと言って押し込まれたボタンがロックされるタイプですね。そして「ん?ヤっちまった。どうしよう(汗)」ってなるのがこのタイプなんですよね。
誤って押し込んだボタンがロックされてしまった! さあ、どうするのが正しいのでしょうか?
押してしまうとカメラの中で何が起こるのか?
通常は巻き上げ操作をすればフィルムが巻き上がる。まあ、当たり前ですね。巻き上げ操作をすると1枚分だけフィルムが進んで止まるのが通常です。もっと細かく言えば、フルサイズの場合はフィルムが38mm進んで止まるようになっています。
巻き上げ機構の主な部品は巻き上げスプールとスプロケットの二つです。
巻き上げスプールは主に撮影済みのフィルムを巻き取る役目をしていて巻取り機構と完全には固定されておらずスリップする構造になっています。
スプロケットにはパトローネからフィルムを引き出すと同時に38mm分のフィルムを正確に進めてスプールに渡す、そしてフィルムが逆向きに走行しないようにする二つの役目があります。正確に38mm分フィルムを送るためにフィルムのパーフォレーションとスプロケットの爪が噛み合って、パーフォレーション8個分のフィルムを進める事によって正確に一コマ分38mmのフィルムが送られるようになっているのです。
それを踏まえて、カメラの巻き戻しボタンを押すことによってカメラの中で何が起こるのかと言いますと、巻き上げ機構からスプロケットが切り離されるのです。つまりスプロケットが自由に回るようになります。スプールはある程度の力が加わるとスリップするようになっていますから、巻き戻しをするとフィルムはパトローネの中に巻き戻されてゆくのです。
そこで気になるのは「押し込んだ状態でロックされた巻き戻しボタン」ですが、通常は巻き上げレバーを操作すればロックが解除されてぴょこんと復帰するようになっています。つまり、巻き戻しボタンを復帰させるには、巻き上げ動作をすれば自動的に復帰するのです。
注意:ほとんのどカメラの場合は上記のような仕組みになっていますが、ごく一部のカメラではユニークな機構を採用している場合があります。
間違えて、巻き戻しボタンを押してしまいボタンがロックされたら?
まずは、落ち着きましょうw
上に書いた通り、巻き上げ操作をすれば巻き戻しボタンは自動復帰します。ところがスプロケットと巻き上げ機構が噛み合うのに少しだけスプロケットが空回りするのが通常なんですよ。ですからコマが被ってしまう可能性があるのです。撮影したコマが被ってしまうと2枚の写真に影響が出てしまうことになります。ですから1枚だけ空送りするのが安全です。
空送りというのは何も撮影せずにフィルムを一コマ進めるということです。具体的にはフィルムに光が届かなくすれば良いわけですから、レンズキャップをしたまま一回だけレリーズして、巻き上げればOKです。手でレンズにあたる光を遮断してもOKです。マニュアルカメラの場合は最小まで絞り込んで、シャッター速度を最高速にしてから空写しをすればより安全でしょう。オートカメラの場合はそうもいきませんから極力レンズに光が入らないように気をつけながら空シャッターを切りましょう。
その次のコマからは通常撮影してOKです。カメラによっては空シャッターをしなくてもコマ被りが起こらないものもありますから、試写などの場合はやらなくてもOKですが、大事な写真を撮った後の場合は空シャッターを1枚切っておいた方が安全だと思います。
コマ被りってなに?どうなるの?
この下の写真のようになります
1コマ撮影後、次のフィルムが正常に送られなかった場合、前後のコマが重なってしまうのです。カメラの巻き上げ部分のトラブルでコマ被りが発生することもありますが、知らず知らずのうちに巻き戻しボタンを押してしまってコマ被りが発生することがあります。2枚の写真が失敗作になってしまうのでできれば避けたいですよね。
まとめ
- フィルムを巻き上げた状態(巻き上げできない状態・シャッターボタンを押せば撮れる状態)で間違えて巻き戻しボタンを押してしまったら、そのまま1枚撮影をして一回巻き上げてレンズキャップをした状態で空写しします。その次からは普通に撮影を再開してOKです。
- フィルムを巻き上げていない状態(巻き上げできる状態)で間違えて巻き戻しボタンを押してしまったら、そのまま一回巻き上げてレンズキャップをした状態で空写しします。その次からは普通に撮影を再開してOKです。
最後まで読んでいただき感謝です。
カメラのことがよくわからない初心者の時はちょっとした失敗でも焦ってしまいます。
失敗は無いに越した事は有りませんが、「失敗してもリカバリーする方法」を知っていれば焦らなくて済みますが、最近はフィルムカメラのことを知っている人も少ないですから始めたばかりの人は苦労すると思います。拙者に答える事ができる質問ならばどんな些細なことでもお答えします。質問絶賛募集中ですwww
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