デジカメではありえない失敗ですが、フィルムを装填中のカメラを使っている途中で開けてしまうという失敗をする事があります。
そんな時、どう対処すればいいのでしょうか?
なぜ途中で「開けてしまった」という事故が起こるのか?
何も知らない友人や子供などが「つい開けてしまった」り、自分がカメラを触っている時に「誤って開けてしまった」りなどです。
友人や子どもが開けてしまう
フィルムカメラのフィルム室を開ける方法は主に2種類あります。
フィルム室を開けるための専用の「ツマミ」などがあるカメラ
フィルム室を開けるための専用の「ツマミ」や「レバー」また「ボタン」などがあるタイプ。
これらのカメラにフィルムを入れたままフィルムカメラを全く知らない人に手渡してしますと、そのツマミなどを操作してしまう事が考えられます。
全く知識がないわけですから、フィルム室を開けるとフィルムが感光してダメになるという知識もないわけです。ですから、ここだけは操作しないでと念を押してから手渡すようにしましょう。
中には開放の操作をするにはロックを解除する必要があるカメラも有りますが油断は禁物です。
巻き戻しノブを引き上げてフィルム室を開けるカメラ
これは少し知識のある方がやってしまいがちなのですが、巻き戻しノブを引き上げるとフィルム室を開ける事ができると知っている場合、フィルムが入っていないと思い開けてしまうというものです。
フィルムカメラの知識がある友人等にカメラを渡す時には「フィルム入っとるけん、開けないでね」と一言声をかけましょう。
その他、自分で誤って開けてしまう場合も考えられます。さあどうするのが正しいのでしょうか?
もしも開けてしまったら? 秒で裏蓋を閉めよう!
まずは、すぐに閉めます。とにかく何も考えずに閉めましょう。
開けている時間が長ければ長いほど被害が大きくなりますから、即閉めるのが非常に重要です。
開けてしまうと何が起こるのか?
フィルムを使用中にカメラを開けてしまうと上のような状態になります。当たり前ですがフィルムに光をあてるのは厳禁です。もし裏蓋を開けて、フィルムに直接光が当たってしまったらどうなってしまうのでしょうか?
パトローネ内のフィルムは問題なし
水色で示すフィルムの格納容器(パトローネ)は遮光されていますから、フィルムの未使用部分は全く問題なく、使用する事ができます。
パトローネから引き出されたフィルムは感光してしまう
赤色で示す部分、パトローネから引き出された部分は、裏蓋(フィルム室)を開けた瞬間から光線に暴露されてしまいますから、大なり小なり感光してしまいます。つまり光によるダメージを受けてしまうのです。
撮影済みのフィルムに焼き付けられた画像もダメージを受ける
黄色枠で示した撮影済みの部分にも光が当たってしまいますから、当然ダメージが及びます。
感光時間が長いほどダメージが拡がりますから、気付いたら速やかに裏蓋を閉めることが最も重要です。
上記の図では14枚目まで撮影し、巻き上げていない状態を示しました。
このように撮影済みの3枚から4枚程度はモロに光が当たりますから一瞬の裏蓋開放でも影響は避けられません。
しかし未現像のフィルムは光を通しにくいので、緑色矢印で示すスプールに重なって巻き取られた撮影済みの部分は意外と大丈夫な場合が多いのです。この場合は14、13、12、11枚目ぐらいは影響がありますが、10枚目より前は影響が少ないもしくは全く影響がない可能性も有ります。
裏蓋を閉めたらどうするか?
上の場合でいうと未撮影の15枚目の一部までは感光していることになりますから、一枚は空シャッターを切ってから、16枚目以降の残りのフィルムは普通に撮影した方が良いでしょう。
あえて「光線カブリのエモい写真」を狙ってみるのであれば、空シャッターは切らずそのまま撮影してみるのも面白いかと思います。
注意点が一点だけ。それは裏蓋を開けるとカウンターがリセットされてしまうという事です。
裏蓋を開けるまで何枚撮ったか覚えていれば良いですが、覚えていない場合は残り枚数が分かりません。その点は注意が必要ですね。
そして撮り終わったら、現像に出しましょう。
できれば現像に出す時に一度裏蓋を開けてしまった旨を伝えて、光線かぶりしたコマをどう処理するかを伝えると良いでしょう。同時プリントするのかしないのかを伝えるということですね。
データー化のみであれば、料金体系が「一本/円」の場合は何も言わなくても問題ないかも知れませんが光線カブリがあるかも知れないがそのコマもスキャンして欲しい旨を伝えた方が安心でしょう。
料金体系が「一枚/円」の場合は「光線かぶりのコマをスキャンするのか?しないのか?」を伝えた方がトラブルにならずに済むでしょうね。
光線カブリとは? 実際どのようにダメージがあるのか?
実際に裏蓋を開けてしまって光線かぶりした写真です。このように実際に撮影済みのフィルムに光が当たってしまったわけですから、光が当たった部分は変な色になっていしまいます。実はこの写真は拙者が撮ったものではなく、ジャンクカメラを買ってきて家に帰って何気無く裏蓋を開けたらフィルムが入っていたんでそのまま閉めて現像してみたものです。開けた時間は0.3秒ぐらいでしょうか?ダメージは4枚程度でした。
どうですかこの写真?意外と面白いですよね。
光線かぶりも予期せぬ作品を生む可能性があります。そしてデジカメでは絶対にありえないのです。
結論とあとがき
ミスって裏蓋を開けてしまっても、すぐに蓋を閉めて、そのまま撮影を続行し、諦めず現像してみることをお勧めします。
相当な時間、開けっ放しにしなければ撮影済みのモノが全滅することは、おそらく無いでしょう。予算が許せば現像に出してみる事をお勧めして終わりにしたいと思います。
もし全滅していても拙者は責任は取れませんし、無駄なお金がかかちゃう可能性もありますので自己判断にはなりますが、エモい写真が現れるかもしれませんよw
最後まで読んでいただき感謝です。
誤って裏蓋を開ける事故と装填ミスはフィルムカメラあるあるですよねw
失敗は無いに越した事は有りませんが、「失敗してもタダでは起き上がらない」というのが大事ですねw
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