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楽勝かと舐めてかかって返り討ち? minolta XE ブラックボディのジャンクカメラ 分解修理 前編

この記事は約5分で読めます。

やっぱし電子制御のカメラはキツイわと思わず呟いている、ジャンカメハンターのぐりやんです。
本日の獲物は1974年発売のminolta XEのブラックボディーです。

minolta XE

XEはミノルタのMF一眼レフでは1、2を争う人気のカメラだと思います。シャッターの音や巻き上げの感触が良い事で人気のカメラなんですね。
このカメラには兄弟機が有ります。それはライカのR3なんですね。
このカメラは電子シャッター搭載の絞り優先搭載機なんですけど、あのドイツのライツが設計して日本のシャッターメーカーであるコパルが試作と量産をしたCLSシャッターが搭載されています。
で、人気のカメラなのでレストア記事がたくさん見つかるわけですよ。
なのでこりゃ楽勝だなと意気揚々と分解していったのですが…(汗)

状態を見てみる

シャッター速度 B、X以外はミラーアップしてしまいます。
Bでレリーズしてもシャッターが開きっぱなしにならずカシャっと切れてしまいます。変ですね。
露出計は上に振り切れたまま動きません。バッテリーチェックランプも点きません。
外観はキレイですがバッテリーチェックランプ付近に少しアタリがあります。

軍艦部を分解しまーす

レストア記事は多いですから参考にしながら分解します。
このカメラの上蓋はペンタカバーと両肩が別体で3分割なんですね。ファインダー交換式を想定した設計だったのかもしれません。なので部分的な整備をしたい場合の整備性がとても良いですね。

分解してバッテリーチェックボタンの接点を直押ししたらランプがつきました。不点灯は物理的な問題な様ですね。

セオリー通り抵抗帯などをクリーニング

ネットを参考記事を見るとXEの不調は、ほとんどの場合摺動抵抗体(しゅうどうていこうたい)の汚れが原因な様ですので、まずはASAダイアル下の摺動抵抗帯を目指しました。

そして動きなどを確認しながらクリーニングします。
この抵抗帯は両面に設置されており下面が絞りリングと糸を介して連動する様になっており上面はASA感度と露出補正兼用となっています。この抵抗帯が何をやっているかと言いますと、露出メーターに加える電圧を制御しているんですね。ここを無水アルコールでクリーニングしたら振り切れて全く動かなかった露出計が少しだけ動き出しました。何回かアルコールで拭きましたがどうも完全にスムーズに露出計の針が動かないので「ピカール」で軽〜くなでる程度少しだけ磨きました。ほんの少しだけですよ。そしたら絞りリング側ASAダイアル側共に針がスムーズに動く様になりました。ただしピカールは研磨剤なのでやり過ぎると折角の金メッキが剥がれたり摺動抵抗帯に取り返しのつかないダメージを与える可能性があります。真似する人は自己責任でお願いいたします。
露出計はまともっぽくなりましたがシャッターはダメです。ミラーアップは治りませんでした。
まあシャッターなんで次はシャッターダイヤル下の切り替え接点をクリーニングします。

しかしシャッターはX,B以外は依然としてミラーアップして止まってしまいます。
そこでミラーアップ原因をさらに検索するとミラーボックス横の接点が怪しいことがわかってきました。

目指せミラーボックス

あまり手をつけたくはありませんでしたがしょうがありません。ミラーボックス横の接点を確認するためには前板を外す必要があります。配線やら糸があるので嫌なんですがしょうがありません。

このカメラのミラーボックスは前板に固定されているだけでボディ側には固定されていません。とても変わった設計ですね。そして例の接点に到達しました。この接点はミラーアップを検出するセンサーな様ですね。(SW5)最近の車もそうですが電子化されたカメラにはあちこちにセンサーが付いていてセンサーに異常が発生すると正常に動かなくなります。しかもこの時代のセンサーはこの様な開放型の接点が多いですね。そしてこの時代のカメラによく使われている遮光モルトが経年劣化で粉々になるとこの開放型の接点に悪さをする様なんですね。困ったものです。この接点はモルトで支えられているのでモルトの加水分解のせいで緑青が発生しています。クリーニングしてテスターで導通を確認し良好ですがミラーアップは回復せず。この辺からサービスマニュアルを見ながら整備しています。英語版だからわかり難い。

ミラーボックス周りを観察するとミラーボックス下にも接点がありました。
これもミラーの動きでON、OFFになるセンサーです。(SW2、SW3、SW4)

よくみると変形していました。分解歴はなさそうなカメラだったのになぜこんな所が変形しているのか?実はここ底蓋を開けると底面から見える様になっているんですね。こりゃ元オーナーさんが何か突っ込んだな〜。

曲がっている接点は常時ONでミラーが上がるとOFFになるようですが、変形して常時OFFになっています。

変形を修正して導通確認してもミラーアップは治らずでした。

こりゃシャッター本体の故障だなー。あきらめるしかないのか?

こりゃ電子回路の故障かなぁ。ちと難しいな。と思いながら頭を冷やしにコーヒーブレイクです。
「電子シャッターといえば電子回路とソレノイドだよなぁ〜」「ん?ソレノイド動いてたっけ?」

つづくw

あとがき

やはり電子シャッター電子制御のカメラは壊れると難しいですね。電子シャッターといっても最近のデシカメのシャッターのように完全に電子化されている訳ではなく先幕が開くところまではメカニカルシャッターと変わらない作りで、後幕だけが電子的に制御されています。といっても後幕をソレノイド(電磁石)で止めておき、タイマーでカウントして設定時間が来たら電磁石を開放して後幕が走るという仕組みです。いわばハイブリッド的なんですね。どちらにしろ電子的な部分が悪いのか機械的な部分が悪いのか切り分けが難しいのです。

ぐりやん
ぐりやん

最後まで読んでいただき感謝です。
さて次回も引き続きMinolta XEのレストアが続きます。乞うご期待w

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