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MINOLTA UNIOMAT2: 革新的な追針式プログラム露出計を搭載したジャンクカメラの修理に挑戦

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こんばんは。ジャンカメハンターのぐりやんです。
本日の獲物はミノルタのユニオマット2です。

先日青箱から救出したワンコインジャンクカメラです。

MINOLTA UNIOMAT2

MINOLTA UNIOMAT2はユニオマットシリーズの2世代目のレンジファインダーです。
このカメラがどう革新的だったのかと言いますと、それは特徴的な露出機構とシャッターにあります。
まずは露出機構なのですが、カメラ上部に見える露出計の窓にセレン光電池で動く指針があり、鏡筒にある露出設定リングを回すと動く追針を合わせることによって予め組み合わせが決められている露出値(いわゆるプログラムされた露出値)の中から適正露出が得られるのです。ざっくり言えば追針式プログラム露出といえます。
そして搭載シャッターは「オプチパー・ユニ・シチズン」というのですが、このシャッターには絞り羽根が無いのです。それでどうやって絞りを変えるのか?鋭い人はわかると思いますが実はシャッター羽根の開き具合で絞りの設定を行うんです。つまりシャッター羽根が絞りを兼ねているのです。このタイプのシャッターはその後EEカメラである初代HI-MATICに採用され、電子化後コンパクトカメラのシャッターとして主流になるのです。
気になるレンズは、ROKKOR 45mmF2.8です。群枚を示すコードはありませんが、3群4枚って事でテッサータイプ、A3のROKKOR TDと同じレンズだと思います。

状態

肝心の露出計指針が真ん中(EV12程度)ぐらいまでしか動きません。まあ動かなくても露出リングにはEV値が表示されていますから写真は撮れるんですけどね。
ファインダーはチリが多くレンズは思いっきりクモっています。
露出設定リングの動きが重いですができれば分解したく無いかなw
さて、復活するのでしょうか?
で逝ってみようw

露出計の状態確認

セレン光電池を使った露出計ですからまずはセレンを疑いセレンの状態を確認しようと思います。

軍艦部を開けてみると、セレンはリングとプレートで抑えて嵌め込まれているだけです。
リングを抜いてプレートを外せば外れます。

ハンダを外してセレンを取り出してみますと、完全に密閉されたセレンでした。よく見ると表側の透明なカバーに黒マジックが塗ってあります。これは!とりあえず黒マジックを剥がせば感度が上がるかも!やってみると若干起電力(電圧)が上がりましたから感度は上がった事になります。しかしまだ足りません。

固定抵抗を探し、発見しました。2KΩの抵抗がついています。外してもよいのですが手持ちに10KΩがありましたから並列に付けてみます。
合成抵抗は(2K*10K)/(2K+10K)=20/12=1.6K(Ω)となります。これでどうなるか?

完全に成功とはいきませんが、-1〜-2EV程度になりました。これならASA200かASA400にセットしてASA100のフィルムを入れれば実用になりそうです。いずれ1KΩぐらいの抵抗に変えてみたいですね。

ファインダーとレンズのクリーニング

ファインダーはモルトカスとカビでキチャナイです。ですが対物レンズが全面ハーフミラー蒸着のアルバダ式な上に距離計用のハーフミラーには特殊なものが使われていますから超慎重にクリーニングします。

レンズのクモリ面は何処かなと前玉から開けて行きました。レンズはテッサータイプですので3群ですね。前玉は汚いながらもクモリなし。中玉も綺麗問題なし。

中玉をとり外して、バルブにして後玉の前面確認するとココでした。クモっています。拭いてみます。
汚れではありませんでした。分解して研磨するしか無いみたいです。

レンズボードを取り出して後玉を目指します。

後玉は幅広のカニ目を回すと抜けてきます。そして内側のカニ目リングを抜けば、そう難しいところもなく後玉を取り出すことができます。と?

なんか酷いですね。軽く研磨すると?

一見キレイですが、なんか変ですよ?キズミで確認します。と

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時計屋さんとかが目に着けて使っているいわゆる拡大鏡。コレがあると今まで見つけられなかったトラブルが発見できる

これは(大汗)以前に分解されて乱暴に研磨されたようでキズだらけです。

皆さんにみていただくためにα7Ⅱにマクロレンズ(SEL50M28)を着けて撮影しました。
どうですかコレ。やばいっすよねぇ。誰やこんな乱暴な研磨をしたのはwww笑うしか無いww

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クモリは解消しましたが現れた傷跡はかなり酷いので写りに影響があるでしょうね。気合を入れて研磨してもよいのですが、見てのとおり初期のバルサム切れが発生しています。これは妥協するのが無難ですね。レンズメンテはこれで良しとします。
ここまでバラしましたから露出設定リングまで分解してグリスアップしておきました。

ちょっと変わった設計の距離計のズレを調整

この距離計ちょっと変わった設計ですね。普通の距離計とは左右が逆だし、ミラーの角度を変えるのではなくプリズムを光軸に対して横に動かしているんですね。興味深いですね。
調整は緑色にペイントしてあるネジでいけました。

コレで今回のレストアは終了とします。    

最終チェックとコンディション

結局は完全に直すところまでは至りませんでした。

残った問題は露出計が1段から2段程度オーバーを示す事と、レンズの後玉前面にかなり多数のキズがあるという2点ですね。これにより写真は撮れるけど普通には使えないし写りの解像感が落ちるでしょう。ですからジャンク品に限りなく近い「難あり品」ですね。

あとがき

ぐりやん
ぐりやん

最後まで読んでいただき感謝です。
このカメラはよく見掛けていたのですがいつも跨いで通ってましたw

ですがワンコインって事で救出してきました。

レンズの状態が良く無いため写りは期待できませんが一応試写してみようと思っています。

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コメント

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