当ページではアフィリエイト広告を利用しています

MINOLTA MC W.ROKKOR-SI 28mm F2.5 人気のアトムレンズを分解修理 ジャンクレンズいつの間にやらGET そして第1次レストア

この記事は約6分で読めます。

ジャンカメ ハンターのぐりやんです。
本日の獲物はジャンクレンズ、ミノルタの1969年に製造開始された広角レンズ MC W.ROKKOR-SI 28mm F2.5です。

いつものようにS/Nははめ込み合成ですw

MCというのはマルチコートのMCでは無く、ミノルタレンズのシリーズ名と思ったらいいと思います。対応しているカメラで使えば開放測光や絞り優先AEが使えます。プログラムAEやシャッター速度優先AEで使えるのはMDからになります。
もう一つの記号SIはレンズの構成を表しています。

記号TQPHSON   
群数456789   
記号CDEFGHIJKL
枚数3456789101112

ですのでSIの表記があるこのレンズは7群9枚構成ということになります。

ネットで見つけた構成図をトレースしてみました アトムレンズと思われるレンズエレメントを黄色で示しています

このレンズは、その筋ではアトムレンズとして有名なのです。

らいか
らいか

その筋?どの筋なん?
有名?うち知らんけど?

はかせ
はかせ

アトムレンズというのは、アトミックレンズ語意的には少しおかしい気もするが放射性物質を使ったレンズじゃ。二酸化トリウムという放射性物質を使用して製造されておる。
英語ではThoriated glass LensとかRadioactive Lensなどと呼ばれておる。
トリウムは半減期が140.5億年だという事らしく、レンズから放射されているα線やβ線はごく微量で、数フィート離れれば低下し皮膚で遮断されるそうじゃが、眼球が被曝すると危険らしい。
まあ、接眼レンズに使用しなければ問題ないじゃろう。そういう事なので分解したレンズを近距離で覗き込むのはやめた方が良いかもしれんな。

参考

Eye exposure from thoriated glass(IRPA - INTERNATIONAL RADIATION PROTECTION ASSOCIATION)
トリエーテッドカメラレンズ (1970年代頃)(orau.org-Museum of Radiation and Radioactivity)
Radioactive lenses(camera-wiki.org)

MC W.ROKKOR-SI 1:2.5 f=28mm

さて今回入手したこのレンズを見ていきます。まずは黄変についてです。
アトムレンズは高性能(高屈折、低分散)ですが黄変するというデメリットがあり、このレンズもかなり黄変しています。

はかせ
はかせ

黄変というのは読んで字のごとくレンズが黄色く変色することじゃな。

そしていつものように外観はボロボロです。

この個体はピントリングの幅が狭くなった後期型です。今回もキチャナイですね。

状態と整備の方針

外観はそれなりにやれていますが、前玉後玉共にキズはありません。ただ後玉に汚れなのか?腐食なのか?よくわからないものがあります。そして中玉前面に揮発したオイルが付着したような汚れが付いています。バルサムの劣化じゃなければ良いのですが。
黄変がひどいので最終的には紫外線照射をやろうと思います。
ピントリングや絞りリングの回転は滑らかですが、絞り羽根の動きが悪いです。
そしてアトムレンズの宿命黄変はかなり進行している様です。
ピントリングや絞りリングなどの動きは問題なさそうですので鏡筒やヘリコイドは分解しない方向で行こうと思います。

どれだけ黄色く写るのか?

参考程度ですが、WBお天気マークで自然光昼間です。かなり黄色いのがわかると思います。

レンズエレメントクリーニングのための分解

なんとなくですが、後群ユニットから分解開始しました。吸盤オープナーでいけました。後玉を外すと絞り前のレンズが曇っているのが見えました。

銘板も吸盤オープナーで回りました。いつものことですが、いきなりカニ目回しはNGですよ。カニ目を傷つける可能性がありますからね。前玉ユニットも吸盤オープナーでいけました。前群中玉ユニットも吸盤オープナーでいけました。

お買い物リンク
レンズを分解時に傷つけにくい。拙者愛用のタイプです。オススメ

各レンズユニットは全て吸盤オープナーのみで分解できましたよ。キズがつかなくて良いですね。
レンズは3つのユニットから構成されてました。

レンズ周りのカニ目も全て吸盤オープナーで開きましたよ。前群中玉ユニットから黄色いレンズが発掘されました。なぜかレンズに油が回っています。

抜き出した中玉アトムレンズは油まみれ、前群最後端(絞りの前)は揮発したと思われる油が前面に付着していた。真ん中を触ってしまったので指紋がついた。


今回は絞りユニットも洗浄するので、絞り枠も取り外した。後玉ユニットには3群のレンズがある。写真は最後群の貼り合わせレンズとスペーサー。貼り合わせレンズは前群の分厚いアトムレンズとこの2群のみ。

絞りはアブラギッシュ!

レンズエレメントと絞りユニットのクリーニング

レンズはいつものように水道で洗浄したが油が酷すぎてキレイにならず、どうしても取れない固まった油?のみ、最終的にベンジンで拭き取りました。

黄変アトムレンズ(構成図:第3群)はかなり黄色い事がわかる。水洗いした際にコバ塗りが剥がれてしまったので光に透かして見ると貼り合わせの前側凸レンズのみが黄変しているのがわかる。どうやらアトムレンズはこの1枚だけのようである。ネット上には2枚使ってあるという文献もあるが、もしかしたらアトム2枚のバージョンもあるのかもしれない。拙者のは1枚だけだと思う。後玉のよく解らないモノもベンジンで綺麗に取れました。

絞りユニットは分解して洗浄しました。

綺麗になったよ〜。あとは元どおり組み立てました。とりあえず黄変レンズはそのままです。

最終チェック

SRT101に取り付けて動作チェックをしました。絞りの動きは良いようです。ファインダーを覗くと黄色い世界が広がりますw
とりあえず第1次レストアはこれにて終了です。
次は紫外線照射で黄変が解消するのか?やってみたいと思います。

あとがき

このレンズは結構人気なようで、国内海外を問わず、ネット上に記事が多いですね。
アトムレンズが分厚いため黄変がひどくて、黄色というより茶色といってもいいレベルです。
白黒フィルムで使えばハイコントラストになりそうですね。
うちにもアトムレンズはいくつかあるのですがここまでひどい黄変ではなかったためそのまま使っていました。
今回は黄変がとてもひどいので第2次レストアとして紫外線照射に挑戦してみたいと思います。
どの程度解消するのか?楽しみです。

お買い物リンク
レンズを分解時に傷つけにくい。拙者愛用のタイプです。オススメ

コメント

タイトルとURLをコピーしました