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KONICA C35(初代)アトムレンズ搭載の初期モデルをジャンクで入手したんで分解修理

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今日は北海道の友人から送られてきた「行者にんにく」と「ジンギスカン」を堪能してお腹いっぱいの、ジャンカメハンターのぐりやんですw
行者にんにくご存知ですか?美味いですよーw
さて、本日の獲物はジャーニーコニカこと「KONICA C35」の初代モデルです。
C35は小型の普及機ながらレンジファインダーを搭載しておりまして、レンズは3群4枚テッサータイプで、名玉と言われたHEXAR(ヘキサー)の流れを汲む3群4枚のHEXANON(ヘキサノン)を搭載しています。C35は大ヒットしのちにAF化されてシリーズ的には15年ほど続いてゆく事になります。レンジファインダーを搭載したC35シリーズのカメラは5年ほどで姿を消しますが、中古の球数は豊富で現在でも人気のカメラです。 

レンズ右下に電池の液漏れと思われる痕跡がある

KONICA C35

以前、「KONICA C35 flash matic」は入手済みですが無印のC35いわゆる初代は初めて入手しました。レンズが黄変しているので、もしや!と思って調べてみると初期のものはアトムレンズを搭載しているとの事で、初代C35の初期モデルだと思われます。

レンズ径とフォーカスレバーの形状に違いがある 無印は黄変している(クリーニング後)

フラッシュマチックと良く見比べてみると前玉の径が違っているのが分かります。レンズは硝材が酸化トリウム入りのアトムレンズから通常の硝材に変わったため再設計された結果レンズの径が少しだけ大きくなったと考えられますね。
その他、初代の特徴としては、レリーズボタン下の指皿と電池蓋が金属って事ですね。
後の型はプラスチック製になって少し安っぽいですよね。それとフォーカスレバーの形状が変更されていますね。拙者は初代のレバー形状が好きですね。

状態

外観では金属部分に電池の液漏れのためと思われるシミが多くあります。レンズやファインダーもかなり汚いですね。シャッターは動くことは動くのですが、うまく閉じません。

液漏れした電池は変色し周りの金属部分も若干腐食している

電池室を開けてみると変色した水銀電池が入っていました。代替えでLR44を入れてみましたがメーターはピクリとも動きませんでした。

まずはメーター本体を確認したい

このカメラはEE専用機ですが電気系統は露出制御のみでシャッターなど他の部分は機械式です。
しかしEE専用機ですからメーター本体がコイル断線などで壊れていると修理はお手上げです。
ですから露出制御系の確認から始めます。

まずはメーター単体の動作確認

メータ本体はファインダーの横にあるはずですから軍艦部のカバーを外します。

拙者のテスターは抵抗モードにするとプローブの先には3Vが出ますからこれでメーター単体の動作確認をします。(このカメラの作動電圧は1.5Vですからメーターに3Vを印加する事はお勧めできません。真似する方は自己責任でお願い致します)
するとメータがピコーンと動きました。
これでメーターの生存は確認できました。残る電気系統に問題点があるとすればCdsか電源もしくは配線ですね。

電源確認のために電池室を確認する

次は電源の確認です。電源は電池ですから電池室を確認するために底蓋を開けていきます。

電池室につながっている配線を見ると緑青がみられます。これは怪しいいですね。

電池ボックスを外して裏を確認してみます。

配線は2本とも腐食してちぎれていました。

配線に直接1.5Vを印加してメーターの作動確認

単3電池を使ったテスト用の電源を使ってちぎれた配線を皮むきし直接1.5Vを印加してメーターの動きを見ます。

無事動きました。これで配線Cdsとメーターが全て正常だという事がわかりました。
このカメラは治りますね。

こいつ治るぞ!CLAを開始

残る機能的な問題点はシャッター羽根の作動とレンズ、ファインダーなどの汚れ、そしてモルトです。
次に重要なシャッターの修理をやっていけそうならば光学系をクリーニングします。CLA開始です。

はかせ
はかせ

説明しよう。CLAとはClean,Llubricant,Adjustの略語なのじゃ。
掃除して潤滑して調整するってことじゃな。

まずは邪魔なレンズユニットを取り外しシャッターユニットを修理する

レンズユニットには露出計の受光部であるCdsが内蔵されていてボディ内と2本の配線で接続されていますからこれを外すためレンズ前側から分解を開始します。大きなカニ目リングを外してCdsの配線を外せばレンズユニットは前板ごと分離する事ができます。

次にファインダーを取り外して配線抑えを外してからシャッターユニットを分離します。

電池の液漏れが原因でかなり腐食していますが致命的な故障には至っていない様に思います。(この時点では…)


ボディとシャッターユニットの接続部にモルトが使われていましたのでこれをクリーニングしてからシャッターの故障探求です。

このカメラはシャッター羽根が絞り羽根を兼ねていて、絞り羽根は存在しません。
フライホイールの回転運動でシャッター羽根を開閉させて、フライホイールの回転角を制限する量でシャッタースピードと絞りが変化する構造です。(説明が難しいw)

どうやらフライホイールの動きが悪い様で、軸に問題がありそうなので取り外してみます。
すると軸に腐食がありました。
どうやらここまで電池から漏れた電解液が流れてきた様です。

フライホイールの軸と穴をクリーニングして注油してフライホイールを取り付けると、シャッターがスムーズに動作する様になりました。

光学系とモルトのクリーニング

ファインダーは汚くブライトフレームにはカビの影が出ています。なんとかしたいですね。

ブライトフレームに見えるカビの影の正体は

ブライトフレームマスクにはびこったカビが原因ですから綺麗にします。ただ強力な溶剤を使うとフィルム製のブライトフレームマスクを傷める危険性がありますから洗浄剤選びは慎重にします。拙者は薄めた中性洗剤を使ってクリーニングしました。いつものことですがハーフミラーの蒸着面は拭かない様にします。蒸着を剥がしてしまうとブライトフレームもメーターも見えなくなりますよ。

ハーフミラーの蒸着面は掃除しなくてもこんなに綺麗になります。

レンズの内部は綺麗でしたので分解せずに前玉のみクリーニングました。
綺麗になりましたがかなり黄色いですね。

トリウムガラス特有の黄変(ブラウニング)ですね。気が向いたら紫外線照射をするかもですが、これぐらいの黄変ならば問題なさそうなので今回は現状のままにします。

最後に裏蓋のモルトをクリーニングします(大量にモルトが使われているのでちと大変です)

モルトを貼りながら再組み立て

CLAは一通り終了です。

モルトを貼りながら組み立てていきます。

不具合の原因は全て電池の液漏れにアリ!

結果的に故障の主因は電池の液漏れでした。電池から漏れた電解液が電池室の配線を腐食させて結果的に断線し、さらにシャッター制御用のフライホイールの軸まで侵入し腐食させてシャッターの動きが悪くなっていたという事になります。
これだからエレキカメラは困りますよね。カメラの保管時には必ず電池を抜きましょう!
ボタン電池の電解液は微量ですが、液漏れが発生するとインパクトは大きいです。
単三アルカリ電池などが液漏れすると、電解液の量は多いですしアルカリ性なのでインパクトは推して知るべし!カメラを再起不能にしますから特に注意しましょうね。

最終チェック

ファインダーは縦横のズレもなく綺麗になりました。動かなかったファインダー内のメーターも正常値を示しています。

シャッターもきちんと開いてきちんと閉じますし光量に対してちゃんと変化しています。
フィルムの走行系もテスト用フィルムを使って巻き上げ巻き戻しともに良好ですね。
全てOKです。

コンディション認定

レンズにはちょっとスレが残りましたがクモリはなくクリアです。初期アトムレンズなので黄変はありますね。ファインダークリアでブライトフレームと距離計もクッキリです。純正キャップと純正ケースも付いていました。自動露出もOKです。てな訳で各部とも問題のない「並品」に認定ですね。

あとがき

このカメラの故障で露出計のみの問題であれば、底蓋を開けて電池ボックスの配線確認から始めるのがベストでと言えそうですね。まあ古くて各部汚れていたりモルトカスの掃除や交換まで考えると結局はかなりの分解が必要にはなってしまいますけどね。

ぐりやん
ぐりやん

最後まで読んでいただき感謝です。
これで2023年1月に入手したジャンク品のレストアは全て終了しました。
ですが、いつに間にやらまたジャンクが増殖している様子です。
不思議だな〜。次は何を弄りますかね〜w

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