謎のレンズ aus jena pancolar 50/1.8 完全ジャンクレンズ 奇跡のプレ復活? | ジャンクレンズ27本セット購入顛末記

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メルカリジャンクレンズ大量セット購入顛記の「21本目から27本目はというと(汗)」の中の一本。
aus jena pancolar 50mm F1.8です。
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aus JENA Pancolar 1,8/50

Pancolar 50/1.8 は、M42マウントの一眼レフ用レンズで、東西ドイツが分断後、カールツァイス商標権裁判中の東ドイツ側カールツァイスの製品ですね。
パンカラーはビオターの後継製品で4群6枚構成の典型的なダブルガウス型で、拙者はオリジナルプラナーの末裔と言えるレンズだと思っています。

パンカラーの御先祖「プラナー」について

話は少しそれますが、プラナーについて少し。
プラナーはカールツァイスイエナで19世紀の終わり頃に発明されたレンズですが、その後あまり普及する事はありませんでした。
西ドイツのカールツァイスで1950年代後半から1960年代にかけてコンタレックス用4群6枚のレンズとしてプラナーという名前が復活しましたが、しばらくすると5群6枚の変形ガウスへそしてローライプラナーやヤシカプラナーでは5群7枚の変形ガウスタイプの標準レンズとしてプラナーの名称が使われる事になります。
その後一眼レフ用ではありませんが、ContaxGシリーズ用のレンズとして4群6枚のプラナーがZMマウントのコシナプラナーでもオリジナルプラナーと同じ4群6枚構成が採用されています。
東ドイツのカールツァイスでは何故かプラナーという名称が使われる事はありませんでした。
一眼レフ用50mmレンズで4群6枚構成は以外と少ないためパンカラーは貴重なレンズと言えるのでは無いでしょうか。

aus jenaとは?

Carl-Zeiss-Jenaと同じと思っていただいてよろしいです。じゃ味気ないので拙者の知る範囲で少しだけ説明します。
ausは英語でいうとfromです。もうお判りですよね?from Jenaって事です。
Jena(イエナ)というのは二次大戦前にCarl Zeis Jenaが起業した都市で二次大戦後は東ドイツになりました。二次大戦後ドイツが分断された後は西ドイツと東ドイツそれぞれにCarlZeissが存在することとなった訳ですがCarlZeissという商標をめぐり裁判になります。その裁判のゴタゴタでレンズの表記は色々なものが存在するのです。
例としてあげると、戦前と同じCarl Zeiss Jena、Carl Zeiss Jena DDR(DDRとはDeutsche Demokratische Republik:東ドイツの意)C.Z.Jena、Jena、aus JENA、などですね。
これらはイエナがある東ドイツのCarlZeissJena製という事になるのです。

状態確認

なんと、直進キー2つとも折損。ヘリコイド(ピントと同意)がまともに機能しません。

レンズの汚れも酷いですね〜。

ピントリングを回してもレンズは伸びず、しかも鏡筒がクルクル回ります。
絞り環はクリック感なく、スカスカです。
絞り羽根は開放のままです、絞り羽根が付いていれば良いのですが。
絞りは自転車のブレーキワイヤーの様な部品で動かすという珍しい方式でした。
ワイヤーの固定が外れていましたので止めると絞りが作動しました。
しかし油がまわって動きが悪いです。
そして銘板の一部に隙間がありコジった形跡や叩き込んだと思われる傷跡があります。
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その上、銘板は斜めに入っています。
ゴムリングで思いっきり回したら、ガチャリとハマりました。
しかし、ネジがバカになって外すには破壊するしかないようです。
前に弄った人は、バカになった銘板をこじって無理やり開けようとしたのでしょうか?
これで、前玉の裏側や絞り羽根の分解クリーニングは絶望的です。

肝心のヘリコイドと直進キーの状態確認

絞り羽根は後玉を外して、羽根の間にクリーニングペーパーを差し込む方法で行いました。

で、肝心要のヘリコイドの直進キーの状態は?

直進キーの一本目
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直進キーの2本目(絞りを作動させるワイヤーが写っていますね)
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2本とも折れて無くなっています。
ひどいですね。

外してみました。
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直進キーの、有るべき部分が全く有りません(大汗)

部品の試作

で、3Dプリンターで作ってみました。
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プラ(PLA樹脂)製強度は足りないでしょうが、サイズ等を確認するために試作です。
そして、取り付けてみました。

ヘリコイドの作動状況

試作品なので耐久性はかなり低いと言わざるを得ませんが、
Pancolar
直進ヘリコイドが正常になりました。
無限遠は、ねじ込み回転数の調整だけOKでした。
心もとないプラ製の試作パーツでの復活なので「プレ復活」w ですわww。

直進キーのサイズと形状は大丈夫そうなので、いずれ金属で作り直す必要が有りますね〜。

コンディション認定とあとがき

コンディションは、使えはするものの、「ジャンク」に認定です。残念です。

ぐりやん
ぐりやん

最後まで読んでいただき感謝です。
これで入手した27本のうち21本が使える状態にはなりました。
の頃の6本の復元は多分無理でしょう。
今回入手してレストアした一連のレンズはつかまされた形とはなりましたが、教材としては非常に面白かったです。

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