高級 パーレット レストア | ジャンクカメラの分解と整備

前回、良品としてGETしたものの、欠品によりジャンク認定した高級パーレットです。

高級パーレット/luxury pearlette(1939頃と推測)

六櫻社(後の小西六、コニカ)パーレットシリーズの中で高級路線モデルです。
レンズはテッサータイプのはHexar Ser.1 f/4.5、他のパーレットと違い前玉回転式ヘリコイド搭載でピント調節可能、折りたたみ式の光学ファインダーを搭載しています。ファインダーにはベスト半裁版で撮影するための突起があります。

状態

全体的に汚くボディのアルミダイキャストに結構大きな腐食があります。

レンズは汚いが大きな傷はなさそうですがひどくクモっていてカビもあります。

蛇腹には見事に穴がありました。

ファインダーはちょっとダレた感じですね。

シャッターダイアルは塗装が落ちてしまって見にくいです。

絞り指標も判別できないぐらい塗装の痛みと腐食があります。

はかせ
はかせ

全体的にかなりボロいようじゃのぉ。

レンズシャッターの取り外し

レンズシャッター周りも汚いですが、それは置いといて、

レンズシャッターユニットを取り外しました。カメラの裏からカニ目リングを外す必要がありますが、蛇腹が小さいので意外と外しにくいです。

レンズシャッタを外すと手作り感満載の黒い紙が貼ってありました。
レンズのクモリ意外と酷いですね。

レンズの取り外しと状態確認。そしてクリーニング。

シャッターダイアルの台座がレンズの回り止になっていますので外せば前玉が外せます。

くもってますね。

中玉もクモっており、カビもあります。

後玉ももれなくクモッテマス。雑に作成された黒い紙のシムが何枚も見えますね。

紙シムを外すと何やら数字がこれまた雑にケガかれていました

取り外した後玉はかなりキタナイっす。

テッサータイプなので3群です。後玉は貼り合わせなので、バルサムが心配です。

クリーニングしたら綺麗です。コーティングのないレンズは痛みに強いですね。

レンズシャッターユニットのオーバーホール

シャッターの作動が不安定なので分解整備することにします。

レンズの表側には何もなく裏から開けるタイプのシャッターです。

すごく単純な構造です。羽根は2枚だけ、ガバナはありません。
単純構造なので、掃除も簡単ですね。

ボディも全バラ、オーバーホール

結局あまりにも腐食などが酷いのでボディもバラバラにしてサビ落としとクリーニング。

バレせそうなところは徹底的にばらして綺麗にしていきます。

レンズボードは曲がっていましたので修正しておきます。
ボディの腐食ですが赤丸部分が特にひどくデジタルノギスで測ったところ深さ0.6ミリほどでした。
これは穴が空く可能性がありますね。穴が空いたらフィルム室ですので致命的ですね。

赤窓のシャッターは固着して動かないのでばらして整備します。
裏蓋はスチールなので錆がひどかったのか目の荒いサンドペーパーかワイヤーブラシ?でガリガリと擦って塗装した跡があります。

ボディのアルミ部分は腐食が酷いので腐食防止のために、最低限の塗装をしておきました。
汚いので全塗装したいけれど特殊なひび割れ塗装が施してありますので、今回はやめておきます。
うな垂れたファインダーも修正しておきました。
蛇腹のピンホールもほんの少しだけでしたので液体ゴムで埋めときました。

組み立て

ここから写真はありませんが、元どおり組み立てました。
単純な構造なので難しいところはありませんが、上下蓋の遮光には注意して丁寧に毛糸を仕込んでおきました。

最終チェック


全体的に綺麗になりました。レンズも思ったよりも綺麗です。ファインダーも見やすくなりました。シャッターも精度は置いといて全速作動しますし、速度も変わっているようです。
赤窓シャッターもスムーズに開閉します。

あとは、焦点面金具を待つのみですね。

レストア中にレンズをとりはずしましたから、デジタルにマウントして試写しました。
例はよくないですが、解像度の高さは判るかと。

どこで解像度の高さが判るのかというと、真ん中の少し上に何かポツッと写ってるの見えますか?
拡大して見ます。ついでにテレビ塔も。

ほんの少しブレているようですが、素晴らしい解像度です。
ノンコートの80年前のレンズですよ。
素晴らしいです。

終わりに

ジャンクではないと思い、買った高級パーレットでしたが結果的にジャンクでした。
全体的に状態が非常に悪く、アルミの腐食でボディに穴が空きそうなぐらいです。
しかしながら、レンズはまあまあの状態に回復し、ボディもまあなんとか使えそうな感じまで復元しました。
ドナーとなるパーレットも落札したのですぐに届くでしょう。
完全復活までもう少しです。
で、パーレット探している途中に面白そうなベスト判のカメラが目に留まりついでに落としてしまいました。
その話はまた今度ゆっくりと。
では、今日はここまでw

この記事を書いた人
GRiyan

ぐりやんです。自称ジャンカメハンター。フィルムカメラに傾倒しています。ジャンクカメラを買い集めて、レストアするのに夢中です。ブログ歴17年。その他、タイヤが付いてる乗り物が好きです。特に2輪のものが好きです。雪山とか海で遊ぶのも好きです。そしてウクレレも好きです。

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