激レアな高級 パーレットのレストア | ジャンクカメラの分解と修理

この記事は約6分で読めます。

ジャンカメハンターのぐりやんです。
本日の獲物は、前回、良品としてGETしたものの、欠品によりジャンク認定した高級パーレットですw

高級パーレット/ luxury pearlette (1939頃の製造と推測)

高級パーレットは1937年(昭和12年)に発売されたカメラです。六櫻社(後の小西六、コニカ)パーレットシリーズの中では高級モデルでした。レンズはテッサータイプのHexar Ser.1 f/4.5、を搭載しておりまして他のパーレットとは違い、前玉回転式ヘリコイド搭載でピント調節可能、折りたたみ式の光学ファインダーを搭載しています。ファインダーにはベスト半裁版で撮影するための突起があります。
左の広告画像のようにヘキサー付きは58円でした。ちなみに昭和12年の公務員初任給が75円でございました。そして前年の1936年(昭和11年)に国産初のコピーライカであるハンザキャノンが発売されていますが価格は275円で同年に発売された舶来品のコンタックスⅡ(ゾナーF1.5付)は1000円を超えていた。ライカ(エルマー付)は650円そんな時代でした。

状態

全体的に汚くボディのアルミダイキャストに結構大きな腐食があります。

レンズは汚いが大きな傷はなさそうですがひどくクモっていてカビもあります。

ピンボケで申し訳ないっす

蛇腹には見事に穴がありました。

ファインダーはちょっとダレた感じですね。

シャッターダイアルは塗装が落ちてしまって文字の視認性が悪くなっています。

絞り指標のほうも、塗装の痛みと腐食によって文字の判別ができないレベルです。

はかせ
はかせ

全体的にかなりボロいようじゃのぉ。

レンズシャッターの取り外し

レンズシャッター周りも汚いですが、それは置いといて、

レンズシャッターユニットを取り外しました。カメラの裏からカニ目リングを外す必要がありますが、蛇腹が小さいので意外と外しにくいです。

レンズシャッタを外すと手作り感満載の黒い紙が貼ってありました。
レンズのクモリは意外と酷いですね。真っ白ですw

レンズの取り外しと状態確認。そしてクリーニング。

シャッターダイアルの台座がレンズの回り止になっていますので外せば前玉が外せます。

くもってますね。ヘリコイドグリスの油分揮発が原因でしょうか?

中玉もクモっており、カビもあります。

後玉ももれなくクモッテマス。雑に作成された黒い紙のシムが何枚も見えますね。

紙シムを外すと何やら数字がこれまた雑にケガかれていました

取り外した後玉もかなりキタナイっす。テッサータイプなんで貼り合わせてあるはずです。

テッサータイプなので3群4枚です。後玉は貼り合わせなので、バルサムが心配です。

クリーニングしたら綺麗になりました。コーティングのないレンズは痛みに強いですね。

レンズシャッターユニットのオーバーホール

シャッターの作動が不安定なので分解整備することにします。

レンズの表側には何もなく裏から開けるタイプのシャッターです。

すごく単純な構造です。羽根は2枚だけ、ガバナはありません。羽根の表面処理は黒染めやメッキではなく塗装でかなりの錆浮きがあります。単純構造なので、掃除は簡単なんですけどね。

ボディも全バラしてオーバーホール

結局あまりにも腐食などが酷いのでボディもバラバラにしてサビ落としとクリーニング。

バレせそうなところは徹底的にばらして綺麗にしていきます。

レンズボードは曲がっていましたので修正しておきます。
ボディの腐食ですが赤丸部分が特にひどくデジタルノギスで測ったところ腐食によるくぼみは深さ0.6ミリほどもありました。

これは穴が空く可能性がありますね。
穴が空いたらフィルム室ですので致命的ですね。

赤窓のシャッターは固着して動かないのでバラして整備します。
裏蓋はスチールなので錆がひどかったのか目の荒いサンドペーパーかワイヤーブラシ?でガリガリと擦って塗装した跡があります。

ボディのアルミ部分は腐食が酷いので腐食防止のために、最低限の塗装をしておきました。
汚いので全塗装したいけれど特殊なひび割れ塗装が施してありますので、今回はやめておきます。
うな垂れたファインダーも修正しておきました。
蛇腹のピンホールもほんの少しだけでしたので液体ゴムで埋めときました。

組み立て

ここから写真はありませんが、元どおり組み立てました。
単純な構造なので難しいところはありませんが、上下蓋の遮光には注意して丁寧に毛糸を仕込んでおきました。
そしてあまりにも使いにくいので軽くお色直し

シャッター速度ダイアルは塗装したので、少しは見やすくなったか?

絞り指標も判別できないぐらい塗装の痛みと腐食がありましたが…

塗装と墨入れで絞り指標はかなり見やすくなった。
ついでにPearltteの文字もレタッチしてみたがキタナいw

最終チェック

全体的に綺麗になりました。シャッターダイアル周りと絞り指標にも色を入れてなんとか見えるようになっています。レンズも思ったよりも綺麗です。ファインダーも見やすくなりました。シャッターも精度は置いといて全速作動しますし、速度も変わっているようです。
赤窓シャッターもスムーズに開閉します。

レンズをデジカメにマウントして試写してみます

ほんの少しブレてしまっているようですが、素晴らしい解像度です。

どこで解像度の高さが判るのかというと、真ん中の少し上に何かポツッと何かが写ってるの見えますか?拡大してみますと?わかりますよね〜。ついでにテレビ塔も拡大してみました。


いかがですか?55年前のノンコートレンズですよ。
これは素晴らしい写りです。さすがヘキサーですね。

フィルムでも試写しました。超エモい写り?

終わりに

ジャンクではないと思い、買った高級パーレットでしたが結果的にジャンクでした。
全体的に状態が非常に悪く、アルミの腐食でボディに穴が空きそうなぐらいです。
しかしながら、レンズはまあまあの状態に回復し、ボディもまあなんとか使えそうな感じまで復元しました。
ドナーとなるパーレットも落札したのですぐに届くでしょう。
完全復活までもう少しです。
で、パーレット探している途中に面白そうなベスト判のカメラが目に留まりついでに落札してしまいました。
その話はまた今度ゆっくりと。
では、今日はここまでw

ぐりやん
ぐりやん

最後まで読んでいただき感謝です。
さて次回は部品どりドナーのため落札した無印パーレットのお話です。
乞うご期待w

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らいか
らいか

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コメント

  1. 栗栖 茂 より:

    突然失礼申し上げます。パーレットを収集研究している者です。この高級パーレットはカメラレビュー誌で故浅見先生が「革ハギパーレット」と命名された、非革張りパーレットとお見受けしますが、従来革ハギパーレットはごく初期のものだと言われており、私も他人様のものを含めて拝見したことのある4台すべてが前期型の特徴を有し5000番台の番号のものでした。しかし今回ご紹介の個体は、後期型の(半裁爪つき)ファインダで、また通常の固定焦点パーレットでは昭和15年型から採用された六角形横長のネームプレート貼り付けであり、革ハギパーレットが必ずしも初期型でない可能性を示唆するものと存じます。ただ、ヘキサーレンズは通常の高級パーレットでは後期型は枠が白と存じますので、この部分のみ黒というのも興味深いところです(ちょうど手元に置いているものでは黒枠でNo.2779)。前板の部分は通常のパーレットとフルーツポンチすることは不可能と考えますので、貴殿の個体は間違いなく元々リベット止めネームプレート付きのタイプかと拝察申し上げ、非常に興味深く感じさせていただいた次第です。
    もしよろしければボディナンバーをご教示いただければ幸甚に存じます。また厚かましい限りですが、もし可能であればじ(あまりにも遠距離でなければ)実機を拝見させていただくわけには参りませんでしょうか。唐突なお願いにて失礼お許し頂ければ幸いでございます。
    浅見先生がお亡くなりになって20年以上となり、先生が残されたパーレットの詳細な分類データベースが手元にあるのですが、大昔のコンピュータのプリントアウトされた紙で、細部の特徴がアルファベットの符丁で書かれていて解読できず難渋しております。私も高齢となりいつまでパーレットの研究ができるかわからないのですが、今頃になって4年前の貴ブログにたどりつき、厚かましいお願いとなった次第でございます。

    • ぐりやん ぐりやん より:

      こんばんは。コメントありがとうございます。高級パーレットのエントリーから4年も経っていたのに驚いてしまいましたw。
      さて、私の手元にある高級パーレットですが、レンズナンバーは写真にあるとおりで、貴殿の愛機より35ほど若いです。ボディナンバーは6760番となっています。ですから高級パーレットとしてはかなり後期のものだと推測しておりましたがどうなんでしょうか?
      レンズは修理交換の可能性やニコイチの可能性も否定できませんが、ボディナンバーはレンズボードに刻印されており、レンズボード自体が高級パーレット専用であることやPearletteの六角プレートはリベットで留められていますから、ボディーナンバーは交換しようがないと思います。
      入手当時、国内海外を含め、Webサイトやオークション等を含め検索してみましたが、同じタイプは見つからなかったと記憶しております。
      実機を見たいとのことでございすが、ボロボロで良ければいつでもどうぞ。
      貴殿の書き込みIPアドレスからそんなに遠方では無い気がしますwww。
      ページの一番下にある、私のプロフィールをのぞいてみてくださいませ。

  2. 栗栖 茂 より:

    早速のご回答大変有難うございました。確かに仰るっ通り前板を製造業者以外が改造することは絶対に不可能ですので、本当に不思議なモデルだと思います。手元にあった高級パーレットを調べてみましたところ、B#6829,ヘキサーL#6825白のものは後期型としての特徴を備えていますので、貴殿の6760はこれ以前の前板と存じます。兵庫県の自宅にあと何台かあったと思いますので、週末に帰って調べてみたく存じます。確かにご指摘のようにレンズは交換されている可能性あり、また巻上げノブも交換されている可能性ありますが(通常は一般パーレット12年型以後の立体的で割れやすいタイプ)、前板だけは本当に不思議です。六桜社で加工したことに間違いは無いわけですが、何故この時期に革ハギタイプを、それも15年型と同じリベット止め銘板で作ったのでしょう。。。他の個体を調べてから再度コメントさせて頂きたく存じますので、お手数とは存じますが何卒よろしくお願い申し上げます。謎が深すぎて夜も寝られない思いです(^_^;)

    • ぐりやん ぐりやん より:

      こんにちは。この週末、私なりに色々と調べておりました。
      高級パーレットについての詳しい文献がほとんど見当たらないのは相変わらずなのですが、昭和15年以降に採用された六角プレートに彫り込まれたPearletteのフォントが初期は少し違っていた事が分かってきました。(栗栖さんからすれば、そんなの常識と言われそうですがwww)
      で、私のものは昭和15年の前期型のフォントが刻まれた個体のようです。戦後型では銀枠六角プレートのモノもあるようですが、高級パーレットにこのタイプがあるのか、はたまた戦後型の高級パーレットが存在するのかも私にはわかりません。
      https://paraiso.mundanoz.com/wp/wp-content/uploads/2025/05/pearlette15.jpg
      謎は深まるばかりですが、なんとも興味を惹かれるカメラですね。
      私も眠れなくなりそうですwww。
      色々調べ物をしている途中記憶がなくなり、気がつくと大正14年式をポチッと(汗;)

  3. 栗栖茂 より:

    昭和15年から戦後にかけてのものは、以前の資料でも指摘されているように残存部品かきあつめによって規則性がないと言われてますが、私も15年型以後はまだまともに調査できていないのでよくわかりません。ただ白枠が戦後型だという従来の指摘には一寸疑問をもってます。白枠プレートの個体が結構少ないのも問題ですが、私の手元にある唯一のMIOJ、すなわち明らかに戦後のものは白枠ではないです。また番号的に最終に近い24万代とかで非白枠が結構ありますが、自分にとって今後の課題としたいと思います。週末に自宅に帰って調べたところでは次のような結果でした。
    5048革ハギ、5206前期オプター、7265前期、7653後期、7870後期、8176後期。また、職場に置いているものなどから、6367、6598、6829はファインダに注目した場合には後期でした。ヘキサーのレンズ枠の色は後期でも黒のものがあり、前期と後期は一応ファインダでわけたのですが、これは付け替えも可能なので一寸面倒なところながら、少なくとも確認できている5000~8176の番号の中で、貴殿の6760は中間あたりの時期と思われ、再後期というわけでもないようです。今まで確認した革ハギは全て最初期の5000番台なのに、高級パーレットの中間あたりで貴殿の革ハギが出現したことは非常に解釈が難しい問題と存じます。ご指摘の通り前板とリベット止めされたプレートは一体であって、物凄い手間をかけてまでここを改造する理由がありませんから貴殿のカメラは間違いなくオリジナルだと考えます。6367についていたヘキサーが後期ファインダのボディで黒枠の2910、6829の後期ボディの白枠ヘキサーは8176ですので、6760に黒枠2744がついていることに関しても必ずしも矛盾しているとはいえないと思います。革ハギ=初期型という従来の解釈なら全く何の矛盾も疑問もなかったのですが、貴殿の革ハギは、そもそも革ハギが作られた経緯との関係で、いったいどういう位置づけだったのかと考えると疑問で夜も眠れない思いです(汗

    いつか機会ありましたら、実機と対面させて頂いて、暫くの時間カメラの声を聞く機会を頂戴できたらと存じます。その節は何卒よろしくお願い申し上げます。

  4. 栗栖茂 より:

    追記です
    浅見先生は詳しく分類されてて、私は分類が細かすぎるのではないかと申し上げていたのですが、高級パーレットの生産時期を類推する手掛かりとして、裏ブタ内面のシールがなくなった時期とかB#とかからの推定もしてみたいですが、高級パーレットは多分戦前に生産は終わっているのではないでしょうか。あと、固定焦点パーレットで革張りというのがあって、当時の資料には単行本にしか出てこないモデルですが、これと高級パーレットとの関係も興味深いし、解決は難しい謎かと存じます。今まで私は玉数の多い昭和10年型以後の収集や研究がおろそかになっていたのですが、昭和15年から戦後についても、先ずは個体の整理と、浅見先生が遺されたデータベースの解釈、補完をもう少し真面目にやってみたく存じます。

  5. 栗栖茂 より:

    何度もすいません。プレートの字体についても、種類があることは何となく知ってはいたのですが、番号との関係なども調べてみたく存じます。

    • ぐりやん ぐりやん より:

      大正14年型の複玉が手元にやってきました。線香の香りが染み付いた渋いやつです。おそらく仏壇の引き出しで燻され続けたのでしょう。私はこのレンズに興味を持ってしまいポチってしまったのですが、レンズはちょっと残念な状態でした。私にとっては謎だったDeltas Aplenatの謎が少し解けたので良かったと言えば良かったのですが。それと気になっていたポートレート機能。この機能も、なかなか興味深いですねー。このカメラもいずれ試し撮りしてみようと思います。

      • 栗栖 茂 より:

        返信遅くなって申し訳ありません。革ハギパーレットについては、昔発行されていた「カメラコレクターズニュース」誌でもう一台記事を発見(再発見)しました。私の手元にあるものと近い番号でこれまた超初期型です。大正14年型もご入手されましたですか。あのレバーを回してポッチを穴に嵌めての近接撮影というのは苦行に近い難しさですねえ。deltas aplanatは昭和6年型まで使われてて、私が祖父からもらった6年型のものはガキの頃に分解したので感慨深いところです。記憶ではトリプレットタイプだったと記憶してますが、最近は分解してないので、、、
        フェイスブックで「パーレット研究倶楽部」というグループを作りましたので、もしよろしければ覗いてコメントとか、できれば革ハギパーレットのご紹介なども頂戴できれば幸いです。m(_ _)m

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