KOMURANON f=28mm 1:2.5
コムラノン28mmf2.5です。こちら2本ありました。どちらもFDマウントです。
ググると、クセ玉として結構人気がある様です。
本も出ていました。
F2.5というちょっと変わった開放F値です。
見た目は、黒ずくめでカッコいいです。
ピントリングの3mと1.5mにクリックがある。
一眼レフ用の交換レンズで、距離リングにクリックがあるものは初めて見ました。
状態確認
では状態を見ていきましょう。
まずは2本を並べて比べてみます。
よく見ると少し違いがあります。
ピントリングに LENS MADE IN JAPAN(「LMIJ」と呼称)の刻印が有るものと無いもの(以後「無印」と呼称)の刻印のもの。
LMIJの方は中の方の玉が紫系のコーティングで、白地は緑系のコーティングです。
白地の方が年代的に新しいのかもしれませんね。
無印の方はレンズがとても汚いですが、汚れているだけの様です
フィルター枠が変形していて、ピントリングが空回りします。
LMIJの方はマウント取り付けネジが緩んでいるようです。
どちらとも振ると何か音がします。
分解開始
まずはLMIJから見ていきます。
とりあえずマウント取付ネジが緩んでいるので締めてみます。
絞りリングが劇重い。しかもどうやら絞りの動きもおかしい。
さらに緩みはマウントだけでは無い様子。マウントのネジを締めたにも関わらず、鏡筒がガタつく。
こりゃ重修理の香り(汗)。後回しにして無印から分解しよう。
ピントリングの空転(無印)
無印はピントリングが空回りする。
先ずは基本ゴムリングの下を確認。
有りました。止ネジ。
締めます。
OK!空回りは解消しました。
マウント付近の動きが悪いので分解して整備。
なかなか良いようです。
あとはレンズクリーニングで完了だな。
目指せ絞りユニット(LMIJ)
そして再びLMIJに取り掛かる。
先ずは絞りの問題箇所を捜索する為にマウント部から攻める。
しかしマウント部は問題なさそう。マウント部からでは不良箇所まで到達できず。
気を取り直して前から攻めます。
前玉は捻るだけで抜けました。
マウントの取り付けネジが緩んでいましたが、銀色の枠とヘリコイドを繋いでいるネジ3本も緩んでいます。とりあえず外します。
絞りユニットはまだ抜けませんので前後部鏡筒を止めているネジ3本を外して分離。
鏡筒前後はこの3本のネジで固定されているのですが、コレもゆるんでしました。
前から見ると謎のねじ穴が(もしや)
明らかに部品が外れて内部で暴れているようです。
外れていた部品を摘出しました。
もっとバラさないと取り付けできません。
ココら辺も少し緩んでいるようなので閉めようと思い極限までバラしましたが、無理でした。
構造がわかりません。
写真の奥に、謎の玉と金色の棒がたくさん写っていますが、絞り機構のベアリングです。
正常でもこのベアリングが遊んでいるので音がします。
つまり、レンズを振ったら少しだけ音がするのは、正常です。このレンズ、良い子は触らない方が良いかもしれません。
諦めて外れていた部品の取り付け方を考えて取り付けました。
これで絞りが正常に作動するようになりました。
組み立てます。
このレンズ2本ともアチコチのネジが緩んでいたり外れていたり。
なぜなんでしょうね〜。
また仕様が少しずつ違います。
それとLMIJの方は絞りリングにクリック感ありませんが、実はクリック感を出すボールとバネが付いていて結構な勢いで飛び出してきます。
絞りリングを外すときは注意しましょう。
大きなビニール袋の中で分解した方が良いと思います。かなりの勢いでビヨーンととびでますよ。(でも設計ミスなのかクリック感なしw)
最終チェック
レンズクリーニングとフィルター枠修正して完成。
二つとも機能的には問題なくなりました。
レンズエレメントも綺麗になりましたが、無印の方は後玉に比較的大きな傷があるので撮影に影響が出るかもしれません。
コンディション認定
LMIJ(308万番代)レンズに傷もなく作動も正常。外観に小傷が多い「並品」
無印(312万番代)後玉に比較的大きな傷あり。外観に小傷多い「難有り品」
にそれぞれ認定です。
マウント交換式ということに後で気づくw
なんとこのレンズマウント交換式だったのですね。
ここまでバラしておいて気がつかなかった。
このレンズたまたまつついていたらマウントがゴロッと外れた。
びっくりしたわ〜。
マウント外したら製造番号が出てきました。
LMIJが308万番代、無印が312万番代でした。
やはり緑のコーティングの無印の方が新しかったですね。
製造番号がないので不思議には思っていましたが、まだまだ修行が足りませんね。
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