ジャンクレンズ27本セット、13本目はスーパーマクロタクマー50ミリF4です。
Asahi Opt. Super-Macro-Takumar 1:4/50
スーパータクマー世代の標準マクロレンズです。
マクロレンズと言うのは接写アダプターなどを使わなくても接写ができるレンズのことです。
概ね1:2以上寄れるレンズのことをマクロレンズと呼ぶ様です。1:2というのは例えば直径2ミリの1円玉を最短撮影距離で撮影するとフィルム上に1ミリの大きさで写るということです。
1:1ならば実物の1円玉と同じ2ミリでフィルムに写ることになります。
50mmF4のマクロタクマーは3世代に渡り販売された様なので簡単に紹介しておきます。
発売 | 名称 | 撮影倍率 | 特徴 |
1964 | Macro-TAKUMAR | 1:1 | プリセット式8枚羽根絞り |
1966 | Super-Macro-Takumar | 1:2 | 自動絞り化 5枚羽根絞り |
1971 | Super-Multi-Coated Macro-TAKUMAR | 1:2 | マルチコート 5枚羽根絞り |
今回入手したものは1966年発売の第2世代ですね。
マクロレンズはこのようなすり鉢状の奥にレンズがあるタイプが多いですね。
レンズの繰り出し量を稼ぐためこの様なスタイルになるのだと思います。
レンズ構成はこの時代の一眼レフ用レンズとしては珍しいテッサータイプです。
PENTAXのレンズでは唯一のテッサータイプかも知れません(詳しくは調べ切れておりません)
状態確認
ホコリだらけなだけで一見何の問題もなさそうに見えるマクロタクマーですが。
ピントリングを無限まで回してもピントが無限まで到達しません。
なぜでしょうか?
原因を探りながら分解するしかなさそうですね。
ピント不良の原因を探る
ヘリコイドの調整でいけるのか?
ところがヘリコイドを分解した形跡がありません。
ヘリコイドをばらして色々と調整してみたけど無限が出ません。うーむ。何でだろう?
あと考えられるのはレンズ組み間違いぐらいかな?
レンズを外した形跡は?ありますね。
後玉のカニ目に工具を滑らせて付いたであろう傷がついています。
後玉を見ると凹んでる?????
あれ?凹レンズ?カメラのレンズは前玉も後玉も出っ張っているのが普通で凹んでいるものは稀です。
なくはないですけどね。
しかし、確かこのレンズの構成はテッサータイプだったはず。
ならば凸じゃないとおかしいのでは?
ググって構成図を探してみます。やはりテッサータイプで後ろから見て凹レンズなのはおかしい。
凸が正常です。コレは。何処の何奴じゃ。アフォ!
後玉レンズエレメントを裏返す
早速分解して、後玉の前後を裏返しに組み替えました。
そして徐にピントチェック。
ビンゴです。
正常になりました。
今度は組み間違いか、まあよくこれだけひどい組み立てレンズを量産したものだ。
勉強になるわ。
ヘリコイドもグリスアップして組立てました。
レンズエレメントのクリーニング
あとはクリーニング、奥まっているのですり鉢を外したままでクリーニングします。
最終チェックとコンディション認定
組み間違いのひどい状態ではありましたがレンズエレメント自体の状態は良くて、機能的にもすべて正常になりました。
外観も小傷程度でなかなか良いです。
コンディションは「良品」と言っていいかな〜。テッサータイプですし普通に使っても抜けの良い写りが期待できますね。
コメント