またもやザイスイコンwの中判カメラですわ。
しかしながら、66の真四角は我が家のザイス支部には初めてですね。
レンズ展開ボタンを押すとファインダーがシャキーンと立ち上がると同時に前蓋が下向きに開きレンズがヌルッと出てきて、カッチョいいのです。
もちろん、一山いくらの激安ジャンクですよ。
ZeissIkon Ikonta 521/16
ところでツァイスイコンのカメラでモデルナンバーに「/16」が付いたら、どんな意味でしたか?
覚えてる人〜。
こないだ6x6だって言ってたじゃん。
ツマンナイ奴だなー(小声)
このカメラが販売された時期は1938年、ナチスドイツがオーストリアを併合した年だそうです。
そんな昔のカメラですが、しかし、ジャンクと言えども状態はとても良い。
さてこのカメラ、軽整備でジャンクから、「並品」に昇格するのか?
状態を確認してみる
問題点は2箇所
- レンズのクモり
- レリーズボタン周りの不調
レンズは不遇の3枚玉、ノバーアナクチグマァトです。
何故かノバーにはカールツァイスやらツァイスオプトンなどの銘が入っていない。
それで不人気なんだろなー。同じ3枚玉でもトリオターはCarlZeiss銘入りですから人気が有るのでは無いかな〜。
激安ジャンクですからレンズは裏も表も当然このようにクモっています。
またレリーズボタンの押し込みが硬く戻りも悪いです。
問題点の解消
レンズにアクセスするためレンズシャッターを取り外す
ボディとシャッターの連動はレリーズのみですから、レンズシャッターの分離は比較的容易です。
レンズシャッターとレンズを分離する
よくみるとダニか?何か生物の死骸があるようです(汗)
前玉回転ヘリコイドの簡単な構造ですが、ヘリコイドを元どおりに組み立てることができなければピントが狂います。
無限遠位置からヘリコイドを突き当たりまでの回転数を書き留めつつ、突き当たったところでマーキンしておいて、ヘリコイドが抜ける位置もマーキングしておくと組み立てが楽になるでしょう。
各レンズエレメントのクモリ具合を確認する
3群3枚構成で貼り合わせ面はありません。
各レンズエレメント共にクモっています。
レンズのヘリコイドやシャッターの油分が長い年月を掛けて揮発しレンズに付着するのではないかな?
例の死骸が付着している面です。
ノンコートでバルサム貼り合わせもありませんから、台所洗剤で気軽に洗浄します。
で、透明度は復活して綺麗になりました。
後ほど、シャッターユニットごとデジカメに取り付けて試写ですね。
レリーズボタンを目指し巻き上げノブの基部付近を分解
レリーズボタンにアクセスするには、巻き上げノブを外す必要があります。
ノブ中心のデカいマイナスネジ(正ネジ)を外すだけです。
そしてカバーを外すと二重写し防止機構と巻き上げインジケーターが現れます。
汚れていますね。
レリーズボタンを抜いてクリーニング&軽くグリスアップしておきました。
二重写し防止機構部分もついでにクリーニングです。
ちなみに自動巻止め機構は付いてません。
最終チェック
スプリングカメラ整備のネックになる蛇腹に問題はなく、もともとジャンクにしては状態が良いものでしたし、レンズもクモりが酷かったのですが、クリーニングのみでキレイになりました。
つまり軽整備のみで完調になりました。
これは良品に近い並品ですなー
整備後記
このレンズあまりに小キレイになったので、デジカメにマウントして試写してみました。
結果は無茶苦茶よくて、素晴らしい写りです。
まあ中判用のレンズの中心部のみを使っているわけですから「当たり前だろ」という方もいるでしょうが、80年以上前のノンコートレンズしかも廉価なトリプレットですよ。
最後まで読んでいただき感謝です。
実はこのレンズの作例は既にエントリー済みなんで興味ある人はのぞいてみてくださいね。
やっぱしドイツのカメラとレンズはすげーや。
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