rewrite:2024.8.29
ジャンカメハンターのぐりやんです。
本日はコニカC35について語っていきたいと思います。
コニカC35はかつて「コニカ」とういカメラメーカーが製造していたコンパクトカメラです。
非常にバランスの良いカメラで、初代のC35が1968年に発売されて大ヒットその後シリーズ化され、1980年代まで続くロングセラーとなりました。
そのDNAはコニカBIGMINIシリーズへ受け継がれてゆくことになります。
KONICA C35系 本格レンジファインダー搭載
C35伝説の始まりは、初代C35系 じゃ〜に〜コニカから始まりました。発売は1968年(56年前)で価格は14,700円でした。1968年に発売されたヒットしたカメラとしてはオリンパスTRIP35(¥14,800)がありますが、C35はTRIPよりかなり小さいボディに外光式ブライトフレームとレンジファインダーを搭載、家族写真には必須と言えるセルフタイマー内蔵、そして電子式のEEを組み込んで価格も100円安いわけです。こうやって比べるとTRIPは時代遅れ感さえあります。
C35はカラーフィルムを作っていた小西六が開発したカメラであり「C35」のCはColorとCompactを意味しているのではないかなと思います。新発売当時の雑誌の宣伝記事には「新発売 ハーフよりも軽いフルサイズ!」と謳っていました。そしてその雑誌の説明書きの項目は
- コンパクトなフルサイズ
- カラーに強い
- 初心者の疑問にこたえベテランの要求を満たすフル機能
のようになっていました。
カラーに強いというところはレンズの解説ですが、説明書きを要約すると新種ガラスを用いたカラー用ヘキサノンはカラーダイナミックコーティングによって、ゴーストやフレアーがありません。と断言されているように自信満々の内容で、このカメラへのコニカの意気込みが伝わってきます。
このようにレンズにも妥協はなくテッサータイプのHEXANONを搭載しており写りもバツグンなのです。ちなみに新種ガラスとはアトムレンズを意味していると考えられます。
その後C35は「C35フラッシュマチック」へマイナーチェンジし価格は¥23,500へと一気に値上がりします。フラッシュマチックと言うのはフラッシュを使い易くする仕組み(ピントの距離によって絞りが変化する)なのですが実は初代もフラッシュマチックを搭載しています。なので、機能上は初代との違いはないんですけどね〜。そしてC35フラッシュマチック以降の機種はアトムレンズではなくなりました。
派生タイプの登場
C35をゾーンフォーカス化した機種として「C35 E&L(19,000)」が1972年に発売されます。なぜかファミリー層には必須と言えるセルフタイマーも省略されています。ターゲットは誰だったのでしょうか?拙者的にはの謎ですねぇ。E&Lは何を意味するのかなと考えてみましたが、Easy&Limitedってところでしょうかね?
そして1973年C35シリーズの最高機種と言えるC35FDが発売されます。これはちょっと迷走感も否めない機種で、C35のコンパクトなボディに大口径レンズを無理やり乗っけちゃった的な機種です。拙者はこういう羊の皮をかぶった狼的なの大好きなんですけどね。(BMW135とかベンツC63的なwちょっと違うかww)搭載レンズはHEXANON 38mm F1.8と、コンパクトなボディにしては大口径なデカいレンズが搭載されています。そして露出はプログラムEEではなくシャッター速度優先EEとなっています。これはおそらくYASHICA ELECTRO35を意識した機種なのでしょうね。しかしこれを最後にレンジファインダー搭載のC35は姿を消すことになりました。
拙者はE&LもFDも所有しておりませんw
KONICA C35EF系 ゾーンフォーカスのスナップシューター
1974年に発売されたC35EF系はC35 E&Lから派生したと言えるゾーンフォーカス機です。しかしもう一つ大きな違いがあります。それはフラッシュを内蔵したこと。初代C35でのユーザーの不満は暗所性能であったと思われ、C35FDはどちらかと言うと暗所性能を高めるために派生したモデルだったのではないでしょうか?しかし大口径レンズを搭載することにより「じゃーにーコニカ」の初期のコンセプトであった、安価で小さく軽量、気軽に旅行に持って行けるという最大の利点がスポイルされることになってしまったのではないかと思うんです。それを解決するためにコニカが用意したのはフラッシュ内蔵という答えだったのではないでしょうか?(まあいつものように勝手な想像ではありますw)
「C35EF」は「ピッカリコニカ」の愛称で売り出され当初月産8千台ほどだったものが数ヶ月後には3万5千台の大ヒットを記録、他社からも次々にフラッシュ内蔵のカメラが発売されることになりました。
またこのカメラは増山たづ子さんが愛用したカメラとしても知られています。
EFシリーズは1981年に発売されたC35EF3(D)まで続きました。EF3(D)ではレンズが変更され35mmF2.8となっています。(その後35EFJという機種が出ておりますが単速固定焦点となっています)
KONICA C35AF系 オートフォーカス搭載
1977年に発売されたC35AFは世界初のオートフォーカスカメラでジャスピンコニカという愛称が与えられました。ジャスピンとはジャストピントを略した造語ですが既に死語ですねーw
C35AFにより写真を撮影するという部分において、世界で初めて全自動が達成されたのです。
そうです。押すだけで失敗のない写真が撮れる時代がやって来たのです。
当時のコニカは常に時代の最先端を走り続けていました。C35というカメラは初代から露出は自動でしたから、露出の失敗は少なくなりました。しかしピントはユーザーが合わせなくてはなりまでしたから、失敗する恐れがありました。ピント合わせは慣れない人には難しく、慣れている人でもピント合わせを忘れるなど、どうしてもピンボケ写真が発生してしまう事があるのです。当時はフィルムも現像も高価な時代ですし、デジカメのようにその場で写りを確認することはできませんから、失敗のダメージは大きいものでした。そこでピンボケを無くすために搭載されたのがオートフォーカスっだったのです。
メデタシメデタシ・・と言いたいところですが、ピントの精度はあまりよくありません。ですからピンボケの失敗写真は比較的多く発生します。そしてフォーカスロックはなく測距点は中央一つのみですから、中央にしかピントを合わせることはできません。ですから、被写体が中央にある写真以外は撮る事が出来ません。そしてなぜか無限遠のピントを外す事もあります。(ピントが合わない場合は最短の1.1mで写真が撮れてしまいます。ピントが合わなかったらレリーズできないなどの機能は付いていません)
てな訳でAFに癖があり、慣れた人ならばC35EFの方がピンボケ写真は少ないです。
オートフォーカスが実用的に使える精度のAFとフォーカスロックが実現するのは数年後まで待つ必要があります。
初期のフォーカスロック機能は一旦ロックしたら解除できないものやロックした距離が分からないものなど実用的とは言えないものでした。実用的なレリーズボタン半押しでフォーカスロックと解除ができるカメラは1980年ごろに発売されたMAMIYA135AFおよびROLLEI FLASH 35 AFが最初のようです。その後、1981年になると各社からフォーカスロックできる機種が次々と登場する事になります。これは精工舎が開発し各社に供給したFCM(FocusControlModule)のおかげだと言えます。そしてコニカでは1983のAF3Dで遅ればせながら実現します。
AFカメラでピンボケ写真を量産したくなければ、フォーカスロックが可能な機種を選んだ方が無難です。ピンボケなんかなんのその。「わしゃ初期のAFカメラを使いたいんじゃ。」という方はその限りではありませんw
その後C35AFシリーズは1982年発売のC35MF(D)まで続いていきます。
そしてコンパクトカメラの主軸は他社同様ズームレンズ搭載のコンパクトとは言えないカメラに移っていく事になりますが、1989年にC35シリーズの後継と言える単焦点レンズ搭載の高性能カメラBIGMINIを発売し大ヒットを飛ばす事になります。
C35シリーズ 勝手におすすめランキング
では拙者が思うおすすめランキングを発表したいと思います。
これは入手性も考慮してランキングを決めました。入手困難なモデルを選んでも意味がないですからね。もちろん持っていない奴はランキングに入れていませんヨ!
第3位 KONICA C35 AF2どうしてもAF系が使いたい人に
初代は世界初のAF機ですが如何せんAFの精度が低いんですよ。今や失敗はお財布に痛すぎますからねぇ。せっかくのAFなのにピンボケが多いのは如何ともし難い。
ですが2代目であるAF2はAF精度がかなり改善しているようです。ですからC35銘を冠したAF機が欲しいのであればAF2以降をおすすめしたいと思います。しかしAF2はあまり見かけないので入手は難しいかもしれませんね。
こだわりが無いのであればAF2以降のMF系やC35ではなくなったAF3やMD系も選択出来ますが、やはりあまり見かけない気がします。ただしAFロックは付いていませんのでAFロックが必要な方はAF3以降を探してみてください。
もちろん世界初のAF機を試してみたい方はC35AFをお買い求めくださいw
C35AF2は数が少ないので商品リンクはナシでw
第2位 KONICA C35 EF スナップシューターとして
C35EFはゾーンフォーカス機ですからピントを大まかに(だいたい3Mぐらい)合わせておけば押すだけ(パンフォーカス)で写せます。GRのスナップモードと同じ考え方ですね。ファインダーは外光式ブライトフレームですからすごく綺麗に見えます。またファインダー内にゾーンフォーカスのピクトグラムが表示されていますからファインダーを覗きながらピント位置を確認しながら変更する事もできます。飛ぶように売れたカメラですから流通量は非常に多くジャンクもゴロゴロしています。2種類の電池が必要なのですが単3電池はフラッシュ用ですから入れなくてもフラッシュが光らないだけです。カメラを動かす電池はH-C電池で代わりにLR44を100均で買ってくればOKです。単3電池が液漏れしたジャンクでもフラッシュが不要と割り切れば激安で入手して使える可能性もあります。
C35EFは複数回マイナーチェンジが実施されているようです。
- 第1世代はセルフタイマーが付いていない
- 第2世代はKONICA銘(大文字)でセルフタイマーが付き底蓋が金属製(アルミ)です。
- 第3世代はKonica銘(小文字)で底蓋がプラスチックになっています。
第3世代は底蓋がバキバキに割れているものが散見されますから第2世代までがオススメとなります。このカメラは増山たづ子さんが使っていたことでも有名ですね。たづ子さんの写真集大変高価になっていまが画像検索すればいくつかの作品、そしてたづ子さんの笑顔とC35EFが見られると思いますよ。
是非検索してみてください。
第1位 KONICA C35 Flash matic 正確なピントで、作品づくりにも
映えある優勝は「C35 Flash matic」です。何と言っても強みはレンジファインダーを搭載しているという事です。レンジファインダーを使い正確にピントを合わせる事もできますし、距離指標を使い目測でピントを合わせて素早くスナップする事もできます。フラッシュは搭載していませんがその分コンパクトです。ボディフレームも外装も金属ですから所有欲をくすぐってくるところも大きいですね。
番外 KONICA C35(初代)
マニアックな方には初代がオススメです。レンズは他の機種と同じ3群4枚のテッサーですが初代のみアトムレンズが使われています。なので黄変しているはずです。その他の特徴としては電池蓋が金属製であったりレリーズボタンボタン周りの指皿が金属製だったりと若干高級感がありますw
オススメはFlash maticですが一番好きなのは初代だったりしますw
あとがき
最後まで読んでいただき感謝です。
C35シリーズは当時大人気だった機種ですが、今でも写りの良さで人気なんですよね。
ぜひ、使ってみてほしいと思います。
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