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CANON FD 200mm F4 S.S.C. のジャンクレンズ | いつの間にやらGET&レストア

この記事は約6分で読めます。

こんばんは、ジャンカメ ハンターのぐりやんです。
本日の獲物はジャンクな望遠レンズ、1973年に製造開始された望遠レンズCANON FD200mm F4 S.S.C.です。S.S.C.というのはスーパースペクトラコーティングの頭文字らしいです。簡単に言うとキヤノンのマルチコーティングです。現代のレンズのコーティングにも同じ名称が使われていますよ。マルチコーティングは当時の最新技術でしたので各社ともレンズにコーティングの記号などを表記していたのです。

参考リンク

canon.jp:スーパースペクトラコーティング現在リンク切れになりました
書いてあった概要としてはキヤノンでは理想のレンズを作るために指針している4つの条件の4つ目に物の色が忠実に再現されることを条件としてあげており1960年代に独自にレンズの色基準を設定した。この色基準を実現した技術が「スーパースペクトラコーティング」という名の多層膜コーティングである。という内容のことが書かれておりました。コンテンツの復活を願いましょう。

分解した感じでは緑色のコーティングが施されたレンズは一枚でした。マルチコート=緑色ということはないのですが初期のマルチコート(多分2層?)は緑のものが多いようですから、まあそうなのかもしれません。
初期の無印FDレンズはシングルコートで第2世代のFDレンズ群はS.C.がスペクトラコーティング(単層:シングルコート)S.S.Cがスーパスペクトラコーティング(多層:マルチコート)で、NewFD時代にはマルチコートはごく一般的な技術になり、以降は表示がなくてもマルチコートという事らしいですね。

CANON FD 200mm F4 S.S.C.の勇姿w

CANON LENS FD 200mm 1:4 S . S . C .

さて今回入手したこのレンズを見ていきます。
ジャンク理由はレンズのカビとクモリですね。このレンズ2群目がクモるの持病のようですね。

どうもこの個体も2群目にとてもひどいカビがある様なのでヤバいかもですねー。

らいか
らいか

うわ〜キチャナイね。

状態と整備の方針

外観、鏡筒は綺麗です。絞り羽根の動きなども問題ない様です。
問題なのは、レンズエレメントですね。

酷いカビです。整備方針としてはレンズエレメントを全て取り外してクリーニングします。
鏡筒は触らない予定です。

はかせ
はかせ

手抜きはいかんぞ!

ぐりやん
ぐりやん

手抜きでは無いですよ。
効率的な整備です。

分解

ネットにバラし方は結構ありますので参考にしながら最低限の分解でレンズを取り出します。
まずは、いつものように吸盤オープナーで銘板を外して・・・
外れません(汗)
超固く締まっている?というかどうやらネジロック剤が入っています。
エタノールをねじ山に少量垂らして暫く待って吸盤型オープナーで挑戦しましたが無理でした。
しょうがないのでカニ目レンチの登場です。全身の力を込めてぐいっと力をかけると、まあなんとかキズをつけずに外せました。ネジロック剤(所謂接着剤のようなものでネジを接着してある)は難儀ですねー。これで前玉が抜け・・・ません。(大汗;)

第1群は周辺に若干バルサムの痛みがあるようだ

前玉を抜こうと思いましたが、こちらも接着剤のようなもので止めてあるようです。ですので前群ユニットを鏡筒から取り外し、第3群を取り出してから、を裏側から第1群第2群押し出す作戦をとります。

構成図:左が前側

実は今回のような状況に陥った時にレンズ構成図があると便利です。おかげで第3群側からのアプローチに至ったわけです。

第3群も抜けにくかったのですが、なんとか抜けました。

そして第2群を内側から押し出すことにより前玉第1、2群を取り出すことができました。
やはり第2群がひどいカビです。こりゃダメかな?

メゲずに後群ユニットを取り外しにかかります。
まずはマウントを外そうとマウントのネジを外し…せない。これまた固くて回らない。なんとか2本は抜けたけど、しかも一本だけどうしても回らない。
リーサルウエポン!KTCの精密ドライバーで回そうとしたげど、ビットの先が舐めました。
ネジじゃなくてKTCのビットですよ。しょうがないので愛用の謎のドイツ製ドライバーとプライヤーとグリップ剤の合わせ技でなんとかネジ外れました。KTCのせいでネジ山が痛んでしまいましたが…。拙者の中でのKTC神話が崩れ落ちました。

ちょっと痛んだネジ ドライバーの方が酷い(またいずれ紹介するかも)

が、後玉は外れませんでした。ネットで検索するとと、なんとマウントを外すんではなく、後玉ユニットのカニ目を回すのが吉と。なんてこった。骨折り損のなんとやらっすね。

気を取り直し、後玉のカニ目をサクッと外し…せない。これもめっちゃ固い。位置も深くてネジにエタノールは滴らせません。こちらはカニ目レンチで挑戦するしかありません。
ファーストコンタクト。固すぎてちょい舐めてしまいました。セカンドチャレンジは全身全霊込めていきなんとか外せました。もうネジロック剤はやめて欲しいですね。

レンズを全て取り出して、分解はここまで。

レンズエレメントの状態

うーむ。第1群から第5群を順に並べてみました。左が前です。第2群が激しくクモってますね。
雲行きが怪しくなってきたぞ。

クリーニング

いつものように水道水で洗浄します。くれぐれもお湯は使っちゃいけません。急激な温度変化はバルサムが剥がれますよ。レンズが割れる可能性もないとは言えませんからね。

こう見ると綺麗に見えるんですがね。

ここだけ緑の反射が見えます。マルチコートだと思われます。

後群はそこそこ綺麗になりました。

第2群には、ひどいカビ跡とクモリが残りました。これを改善するには研磨するしか無いのでしょうが、とりあえず今回はこのまま組み立てました。

最終チェック

組み立ててもクモリが目立ちます。残念ですねー。
このレンズはここが弱点のようでネット上にも同じような例が多数見られますね。
α7Ⅱに付けて試し撮りです。

真っ白になるかと思いましたが意外と良いですね。

ううむ。順光ならば十分使えそうだ。

逆光だと少しフレアっぽくなってコントラストが低下するが、味と言えなくも無いレベル。
レンズ本来の性能は出ていないと思うけど、オールドレンズだなーって感じ?w

コンディション認定

格安ジャンクでしたが、残念ながら「強いクモリありのジャンク品」に認定です。ザンネン。

強いクモリが出ているのは第2群の後面だけなのでいずれ研磨するかなー
ま、一度試し撮りしてみるとしようかな。

あとがき

ぐりやん
ぐりやん

最後まで読んでいただき感謝です。
次回は古いミノルタの標準レンズ、若しくはROKKOR-SI 28mmF2.5の第2次レストア(紫外線照射結果)のどちらかをお送りする予定です。
では、おやすみなさい。

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