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満身創痍の初代GR DIGITALを甦らせる リフレッシュ整備大作戦!

この記事は約12分で読めます。

ジャンカメハンターのぐりやんです。
本日のクランケは齢20にして満身創痍の初代GR DIGITALでございます。

このカメラは拙者が20年前発売と同時に入手したモノ…
と言いたいのですが、実は最初に入手したものはすぐに故障し、初期不良交換してもらった2台目もすぐに壊れ、さらに交換してもらった3台目なのです。ですから厳密には発売と同時に入手したものではないわけです。

コンデジの普及とGR DIGITAL

フィルムカメラであるGR-1Vが発売されたのは2001年でした。しかしその頃にはすでにカメラはフィルムからデジタルへ急速に移り変わろうとしていました。20世紀も終盤にさしかかった1995年世間はWindows95で盛り上がっていた。そんな頃カシオから6万円台で購入できる普及価格帯のデジカメQV-10が登場。25万画素で画像解像度は320x240というものであった。

当初デジカメはフィルムカメラの足元にも及ばないモノであったが急速に高性能化し価格もどんどん下がっていく事により爆発的に普及し始める事になる。普及機コンデジの代表と言えるCANON IXYを例にとってみると、2000年発売の初代IXY DIGITALは211万画素、その後2002年に300万画素その後は毎年100万画素ずつアップしていき、2003年-400万、2004年-500万、2005年-710万画素といった具合である。そしてのsの進化はコンパクトフィルムカメラにおける肥大化の歴史と似ていた。

GR DIGITAL(初代:2005年)

そんなデジカメ高画素化、高倍率ズーム化戦国時代の最中の2005年に換算値28mmの単焦点レンズを搭載したGR DIGITALが登場したのである。コンデジの平均実勢価格は5万以下というところだったと思うが、そんな中GRDは8万円越えだったにもかかわらずかなりのヒットとなった。そして、現行のAPS-Cセンサーを搭載するGRシリーズへ続く事になったのである。

小型のセンサーを搭載するGR DIGITALシリーズは初代が2005年に発売され2011年に発売されたⅣまで続いた

GRD最大の売りはプロやハイアマがサブカメラとして使える性能であり、フィルム時代GR1と同じ画角を持つGRレンズを搭載していた。その他、ツインダイヤルによる一眼レフライクな操作性、外付ファインダーや外付フラッシュが装着できるホットシューを搭載したこと、露出はダイヤルで選択できるマルチモードを搭載し、スナップモードやMFを含む多彩なAFモードを搭載した事なども注目を集めた。

フロントパネルを外したOLYMPUS XAをGRDで接写した例

また最短撮影距離は1.5cmというところも画期的であった。

状態:満身創痍の初代GR DIGITAL

今年で20歳になる初代GRDですが、動いてはいます。しかし、多くのトラブルを抱えまさに満身創痍なのです。抱える症状等を挙げますと

  • ADJ.フリーズ
  • CCDゴミ
  • リング紛失
  • 塗装剥がれ

特にADJ.フリーズとCCDのゴミは致命的なのです。

ADJ.フリーズとCCDゴミ問題

この2点は初代GRの二大トラブルと言えるモノでほぼ全ての個体で発生していると考えられます。

まずADJ.フリーズなのですが、GRDはツインダイアルってことでコンデジではとても珍しいと言える2つのダイアルがあります。そして背面液晶右にあるのがADJ.ダイヤルなのです。このダイヤルは回転操作以外に押し込み操作ができるのです。ADJ.ダイダイヤルは、いわばカスタマイズダイヤルで、プッシュする事によって多彩な機能を呼び出すことができるのです。

ADJ.ダイヤルは秀逸なのでGRDを使い始めると多用する事になるのですが、持病を抱えていて時間の経過とともに「押し込む事によってカメラがフリーズする」ようになってしまうのです。フリーズすると全ての操作は愚か電源ボタンも効かなくなり、バッテリーを抜く以外に回復手段はありません。ADJ.ダイヤルを押し込まなければ普通に使う事はできますが、ADJ.を押し込むという操作が体に染み込んでいますから、思わず押し込んでフリーズさせてしまう事になるのです。これはGRDユーザーにとっては非常に厄介な問題なのです。

そしてもう一つ厄介なのが、CCDゴミ問題ですね。

先日撮った写真 空にある黒い点はCCDセンサーについたゴミの写り込み Aモードで絞り込んで撮影してみて確認すると良い

レンズ固定式のデジカメでセンサーにゴミがついてしまうとどうしょうもないですからねぇ。これはおそらく防塵設計が良くない為に起こるのでしょうが、分解しないとクリーニングはできませんから困ってしまいますよね。

以上2点は、メーカーの保守が打ち切られた現在ではおそらくメーカーでの修理は無理ですし、民間の修理業者でも受け付けてくれる所は無いのではないでしょうか?

拙者はADJ.フリーズ、CCDゴミともに過去に修理した経験があるため、久しぶりにやってみようと思います。

ADJ.ダイヤルの分解掃除

初代GRDの分解方法は検索すればいくらでもヒットするのでそちらに任せるとして、まずはADJ.ダイヤルの取り外しです。当然ですがハンダの技術が必要です。

上写真では、すでにトップカバーを取り外しています。ADJ.ダイヤルはレリーズボタンや電源ボタンと同じ基板に付いています。この基板を持ち上げてからハンダを外す必要があるのですが、クロとムラサキの配線を外してから基板を持ち上げる必要があります。先ずは黄色で示す部分のハンダを外します。そしたらクロとメッキのネジを外せば基板を浮かせることができますから、ADJ.ダイヤルのハンダ6箇所(ミドリで示す)を外します。そうすればADJ.ダイヤルを取り外す事ができます。

あとはダイヤルASSYを分解します。ダイヤルASSYの内部には2種類のバネがありますので無くさないように注意します。

ダイヤルASSYは3つの部品に分解することができます。

端子はおそらくこんな構成 コモンはエンコーダCとプッシュで共通

分解できたら、接点をクリーニングして組み立てればOKです。可動する接点は極小で繊細なので曲げたりしないよう注意して掃除します。きれいになった接点には微量のグリスを塗っておきました。(グリスはプラスチックを犯さず導電性ではないものを選びましょう。タミヤの接点グリスがお手軽です)

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使い易くて安心して使える

このダイヤルの組み立ては意外に難しいので注意が必要です。前回は内部のバネを釣り用のPEラインで引っ張りながら組み立てました。今回は何故か難なく組み立てる事ができたんですけどね。

CCDセンサー(ローパスフィルター)クリーニング

こちらも分解掃除の方法は検索すればいくらでもヒットするのでそちらに任せるとして、まずは下の写真を見て頂きたいのです。

ローパスフィルター上にたくさんのゴミが付着しているのがよくわかると思います。しかもセンサー周辺にも糸状のホコリやチリがたくさん確認できます。レンズを取り外す事ができないコンデジにおいてこれは致命的な問題だと思うんですよ。

ここまで分解する事ができればエアブローするだけできれいになるので良いんですが…

と思ったら、チリやホコリだけでは無くどうしても除れないゴミ?があったんですよ。しかも粘着棒タイプのセンサークリーニングキットでも取り除くことは出来なかったんです。

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CCD/C-MOSセンサ上のローパスフィルターに付着したホコリなどをペタペタとくっつける棒です

センサーに付いたゴミはほとんどの場合これで取れるんですけどねぇ。何回やっても取れませんでした。なのでおそらくカビだろうと判断したんです。

ローパスフィルターを傷つけてしまったら元も子もないのでやりたくは無かったんですが、意を決してシルボン紙に微量のエチルアルコールを染み込ませて拭いてみる事にしました。すると、除れなかった物体を簡単に除去する事ができました。やはり微小なカビだったのだろうと思います。

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あとは元通り組み立てて、正常に動けばOKである。のだが…

塗装のタッチアップとリングキャップの簡易再生

組み立ててみると、塗装の剥がれが気になってきたんです。GRDの外装はマグネシウム合金製なのですが、塗装が剥がれるとその部分が白く腐食するんです。黒いボディに白い錆?これは見た目的にも精神的(更なる腐食の可能性)にも良くないのでタッチアップしておく事にしました。

選んだ塗料は100均のアクリル絵の具っす。プラモデル用のエナメル塗料などを使う事も多いのですが今回はツヤ感などの具合からして相性が良さそうなアクリル絵の後を選んでみました。

白く見えるのが塗装が剥がれた部分に発生した白い錆?なのですが、錆が発生した傷の部分に極細の筆(これも100均のネイル用)でタッチアップしてみました。

結果はなかなか良好で、アクリル絵の具は乾けば耐水性があるので耐食の面からも見た目の面からも良さそうな気がします。耐久性については疑問ですが、剥がれたらまた塗れば良いし塗料も安いので無問題ですなwww

あとはリングカバーが付いていない件ですな。リングカバーが付いていないままで使っていたらマウントが傷だらけになってしまいました。初代GR DIGITALがカメラグランプリ特別賞を受賞した際に「プレミアムリングプレゼントキャンペーン」ってのがあって、プレミアムリングキャップという非売品のリングキャップを応募者全員にプレゼントするという太っ腹な企画だったんです。リングは赤、青、金のラインが入ったモノで、いずれか1色がもらえたんですよね。色は指定する事ができたので拙者は赤を選択したんです。そして大事にしまい込んで行方不明になったって訳www

なのでリングキャップを3Dプリンターで簡易的に再生して取り付けてみた。

プラ製で若干しょぼいとも言えますが、まあないよりはマシですよねwww

これにて20年目のリフレッシュ整備は完了とします!YouTubeも見てね!

あとがき

ぐりやん
ぐりやん

最後まで読んでいただき感謝です。
20年前に買ったGRDですが、ADJで固まるし撮影したらゴミだらけで使うに使えない状態だったんですよね。しかし何とか使えるレベルまで復活したと言っていいでしょう。バッテリーもヘタってたんですが、純正バッテリーはもう入手出来ませんが、互換バッテリーは売っていましたので先日買ってみました。20年経っても動いていることが奇跡な気もしますがあと何年使えるんでしょうかね?
使ってみたい方はいないと思いますが、SDカードは2GBまでしか認識しないので注意してくださいね。

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