ジャンカメハンターのぐりやんです。
本日はフィルムカメラで写真を楽しむ上でとっても重要な、コストについて考えていきたいと思います。
今回はフィルムの場合は一眼レフ、デジタルの場合はミラーレスを買うことを想定して考えてみる事にします。
フィルムカメラはデジタルカメラに比べてお金がかかるのか?
フィルムカメラで写真を楽しむためにかかる費用は、使用するカメラやフィルムの種類、現像方法などによって異なります。一般的な費用の目安を挙げますが、個々の状況によって異なることに留意してください。
イニシャルコスト(初期コスト)
- カメラとレンズ: 新品のフィルムカメラほぼ絶滅していますから、中古で手に入れる事になるでしょう。価格は数千円から数万円程度で購入できる場合がほとんどでしょう。ただし人気のあるモデルや希少価値の高いカメラは数十万円、ライカなどの希少なカメラになると100万円を超えることもあります。しかし普通に使うカメラならば、レンズ付きの一眼レフでも数万円程度が売れ筋価格帯でしょう。
ランニングコスト(運用コスト)
- フィルム: フィルムの種類や枚数によって異なりますが、1本あたり千円前後から数千円程度かかります。一般的な35mmフィルムであれば、カラーネガフィルムや白黒ネガフィルムがであれば一千円から千五百円程度が相場でしょう。
- 現像: フィルムの現像費用は、現像方法やサービスを利用する業者によって異なりますが、1本あたり五百円から数千円かかることが一般的です。
- プリント: フィルムから紙の写真を焼いて(印刷)もらう場合、サイズや枚数によって異なりますが、1枚あたり数十円程度かかることが一般的です。
- ネガ保管機材:デシタルと違い全ての写真が一瞬で消滅するというリスクはほとんどありませんが、(天災等のリスクはどちらも同じか?デジタルの場合はクラウドストーレージなどを使った分散バックアップで回避可能)ネガの保管状況によっては退色や変色、カビなどのリスクがあります。ネガホルダーなどに格納し防湿庫などで保管すれば安心ですが拙者の経験上かなり劣悪な環境下で保管しない限りはこれらの問題は発生しないと思います。
- デジタル化コスト:現代の写真を楽しむ上でデジタル化したい場合も多いでしょう。その場合は現像時にデータ化して貰うか、スキャナーなどのデジタル化機材が必要となります。
これらの費用を考慮すると、フィルムカメラで写真を楽しむためには、デジタルカメラと比べてイニシャルコストは安いが、ランニングコストがかなり高めであることがわかります。しかし、フィルムカメラならではの魅力や楽しみ方を求める方にとっては、その価値があると考えられるでしょう。
コラム :フィルムカメラの運用コストはどこまで抑えることができるのか
フィルム写真は運用コストが高いものの、かなり下げることができるってのも特筆すべき点かもしれません。拙者の場合は、ほぼフィルム代のみ(長尺フィルムの自家装填であるためモノクロ36枚撮り1本当たり500円程度)しかしかかかっていませんいません。
ランニングコストを抑えるためにはさらにイニシャルコストがかかります(当然かw)
現像するための道具やスキャナーが必要になります。これで数万円が飛ぶ事になるでしょう。極めれば引き伸ばし機と暗室って事になりますから大変ですねぇw。
しかし運用の仕方によってはコストはかなり抑えることができますし、これをランニングコストを抑えるためと見るか、趣味だから楽しいから自分でやると考えるかによっても違ってきますね。
デジタルカメラはお金がかからないのか?
デジタルカメラの場合も、使用する機種や撮影スタイルによって費用は異なりますが、一般的には以下のような費用がかかることになります。
イニシャルコスト
- カメラ本体: デジタルカメラの本体価格は、一般的なコンパクトデジタルカメラであれば数万円から、一眼レフやミラーレスカメラであれば数十万円になるのが普通です。現在の相場感ではフルサイズの場合はレンズ込みで15万から30万程度が一般的でしょう。高いですねー。
- 記録メディア: 写真や動画を保存するためのSDカードなどの記録メディアは、容量や速度によって価格が異なりますが、数百円から入手できますが、信頼性や性能などから数千円のものが一般的でしょう。
- バッテリー: デジタルカメラはバッテリーが無くなると写真が撮れなくなります。ですから予備バッテリーは必要でしょう。純正品であれば5千円から1万円弱程度でしょう。ミラーレスカメラは電気を食うため大きめのバッテリーが必須であるためバッテリーも若干高めな傾向です。
- レンズ: 一眼レフやミラーレスカメラをレンズキットで購入しても、追加の交換レンズが欲しくなるでしょう。レンズの種類や性能によって価格が異なりますが、撒き餌レンズと言われる標準レンズは5万円以下程度で買えますが、その他のレンズは5万円から数十万円になること普通でしょう。
- パソコン:これは無くても良いのでしょうがデジタルカメラを楽しもうとするならば必要でしょう。できれば大画面のものが良いですね。拙者は27インチのiMACを使っていますがとても快適です。画面は大きければ大きいほど良いでしょう。ここでも数万円が必要ですね。もちろん写真専用に購入する必要はありませんから持っていればそれでOKです。
- バックアップストレージ:デジタルデーターは何らかの障害などで一気に失うというリスクを常に抱えています。SDカードの寿命もそうですが、PC内に保存するためのHDDやSSDにも寿命がありますからいつか必ず壊れます。バックアップがなければ全てのデーターを失う事になります。ですから定期的な手動バックアップや多重バックアップは必須であると言えるでしょう。
ちなみに拙者の場合は、MACのTimemachineを使った自動バックアップとDorobo(古いんで信頼性が低いw)を使った定期的な手動バックアップをしています。これにも数万円のコストがかかりますね。 - 画像編集ソフト: 写真の編集や管理をするためのソフトウェアを購入する場合があります。有料のソフトウェアは数千円から数万円、最近流行りのサブスク系であればPhotoshopなどの超高性能なソフトを月額数千円から利用することができます。ちなみに拙者はフリーソフトのみで運用しています。レタッチはGIMPを使っていますよ。
ランニングコスト
デジタルカメラのランニングコストは、イニシャルコストの部分と被るものが多いところが特徴です。
- 記録メディア: デジタルカメラでは写真や動画を保存するための記録メディア(SDカードなど)が必要なのですが、実は寿命があります。SDカードの寿命は3年から5年程度と言われており、また使われている部品により書き換え回数の上限があります。一般に安いものは1000回程度、高いものは3000回程度とされています。
- バッテリー: デジタルカメラのバッテリーは、劣化して容量が減っていきますから定期的に交換する必要があります。純正品であれば5千円から1万円弱程度でしょう。
- 電気代: デジタルカメラは電気を使用して動作するため、電気代がかかります。とはいえ、一般的な使用では電気の使用量は微々たるものですね。
- バックアップストレージ:HDDやSSDにも寿命がありますからいつか必ず壊れます。ですからバックアップストレージは定期的チェックと更新が必須です。
これらのコストは、カメラの使用頻度や撮影スタイルによって異なります。しかし、フィルムカメラと比較すると、現像や印刷などのコストがかからないため、総合的なランニングコストは比較的低く抑えられると言えます。
これらの費用を考慮すると、デジタルカメラではイニシャルコストがかなり高く、維持費もある程度はかかることがわかります。ただし、フィルムカメラと比較すると、撮影後の現像や印刷などの費用がかからないため、ランニングコストは低く抑えられる傾向になりますね。
総合的なコストを試算してみる
まあ、ざっくりにはなりますが総合的なコストを考えてみたいと思います。
フィルムカメラの場合
- カメラとレンズ:中古カメラを買う上で考えないといけないのは買った後でレンズが欲しくなった場合にレンズの流通量が豊富なカメラを選んでおくとレンズを探すとき楽です。ここでは一例としてNikon FM2で考えていきたいと思います。 FM2の中古は人気商品で市場価格は6万円程度だと思います。そしてレンズは流通量が豊富な50mmF1.4を選んでおきましょうか。するとセットで9万円程度となりますね。
- フィルム: フィルムの種類や枚数によって異なりますが、1本あたり1500円程度と見積もり月に5本、年間60本使うとしましょう。90,000円です。
- 現像: フィルムの現像費用は、業者によって異なりますが、青森のみなみやさんでCD-R返送であればフィルム1本あたり800円ですから60本であれば48,000円って事になりますね。
- プリント: 今回はプリントはしないってことで考えていきます。
- ネガ保管機材:ネガ保管機材も省きます
- デジタル化コスト:現像と合わせてやるってことでこれも今回は省きます。
トータルコスト試算(Nikon FM2を買った場合)
イニシャルコスト 90,000
ランニングコスト 138,000(年間60本撮影)
合計 228,000円と試算
となりました。ちなみに拙者の年間撮影本数は20本程度でフィルムローダーによる自家装填ですからフィルム代は10,000円程度、現像は自家現像で現像液は自家調合(薬剤はいつ買ったか忘れたw)ですからコストはほぼプライスレスw。スキャンも数十年前に買ったCOOLSCAN Ⅴ ED(フィルムスキャナー)でやってますからプライスレスwつまり、年間ランニングコストは長尺フィルム代の1万円程度です。
60本撮ったとしても年間のランニングコストは3万円程度って事になりますね。(そんなに撮らんけどw
デジタルカメラの場合
- カメラ本体: デジタルカメラは新品が買えますから新品から選びましょう。今回はα7cⅡ 標準ズームキットって事にして相場価格は28万程度ですね。
- 記録メディア: SDカードは128GBで有名メーカーの1万円程度のやつなら安心なのでそれを選びましょう。
- バッテリー: 予備バッテリー1個と充電器があると良いですね。公式ストアで23,000円です。
ちなみに拙者もα7Ⅱ用の予備バッテリー一個と充電器で運用しています。 - パソコン:は持っていると仮定して省きますね。
- バックアップストレージ:これは持っていない人もいるでしょう。デジカメの場合はバシバシ撮ってデーター量が嵩んでいくのは常なので1TB程度の外付けHDDを買いましょう。国内有名メーカ製で9000円程度ですね。
- 画像編集ソフト: これは何を選ぶか悩むところですが、とっつきやすくて買い切りできるフォトショップエレメンツを買う事にしましょう。18,000円程度です。もちろん無料のものでも良いですが高機能なGIMPでは無料ではありますが、それなりに勉強しないと使いこなすのは難しいです。
デジタルのトータルコスト試算(α7cⅡ 標準ズームキットを買った場合)
デジタルのランニングコストは最初のうちは考えなくても良いと思いますので省きます。
デジタルはイニシャルコストのみであとはお金が掛からない。で
合計 340,000円と試算しました。
比べてみてどうなんだろうかねえ?
フィルムは年間60本撮った場合約23万円、デジタルは34万円となりました。まあこんなものほんとにざっくりとした計算ではありますが、言えることはデシタルは導入コストがバカ高く運用コストは安い。フィルムは導入コストは安いけど、運用コストが高いって事になります。
ただし、レンズを揃えたくなった場合はデジタルの方が数倍のコストがかかりますし、デジタルの寿命は、いくら頑張っても10年程度(修理対応や部品保有は生産終了後7年程度)であるのに比べ、フィルムカメラの場合はすでに数十年経っている中古しか入手できないにも関わらずまだまだ10年は余裕で使えそうな気がしますし、モノによっては数十年使えるでしょう。(モノによっては100年越えも可能でしょうw)
そして、フィルムカメラのランニングコストはかなり抑えることができるが・・・
まあよく考えると、比べるのが馬鹿げているかもしれませんがねえ。
それを言っちゃぁ、おしまいよw
実際にかかった金額(拙者調べw)
ここで拙者の実際を検証してみる事にします。
持っているカメラの中で一番高いLeica M3とSONY α7Ⅱを比較してみたいと思います。
FM2持ってはいるけれど、2,000円のジャンクなので比べるのには不適当っすねw
フィルムカメラのコスト(ランニングコストは1年分)
- カメラボディ Leica M3 中古 約100,000円(20年ぐらい前に購入故障なし)
- 標準レンズ ELMAR 50mm 中古 F2.8 約70,000円(20年ぐらい前に購入故障なし)
- スキャナー COOLSCAN Ⅴ ED 2006年新品購入約6万円(故障なしだか壊れたら終わるw)
- スキャンソフト COOLSCANが現代のOSで使えなくなった為やむなく購入16,000円
- バルクフィルムローダー 7,000円
- ダークバック 2,000円
- その他現像小物 10,000円程度
- フィルム 長尺フィルム 約10,000円(1年分)
- 現像液等 約500円程度(薬剤自家調合)
トータルはイニシャルコスト265,000円、ランニングコストは1年で10,500円程度
10年コストもざっくりですが370,000円程度って事になりますね。
ただし、これはLeica M3の場合ですからね。(昔はライカも安かったw)昔はカラーネガフィルムなんて一本百円で買えてたし現像も百円でした。今考えると夢のような時代ですね。ちなみにこの19年で使ったフィルムの数を数えてみたら320本でした。1年平均では17本使ったって事になります。
スキャナー(60,000円)とスキャンソフト(16,000円)のコストはこの19年で使ったフィルムの本数、350本で割れば一本当たり約217円ですね。これコストだけ考えればお店に頼んだほうが良いかもしれません。ただしこのスキャナのスキャン品質は4000DPIですから画素数に直すと2000万画素程度となりますから、お店のものとは段違いの性能です。最近は7200DPIっていうフィルムスキャナーも出ていますからこれだと6900万画素になりますね。すごい!(計算間違ってたらごめんなさいw)写真1枚を7200DPI24bitカラーでフルサイズをスキャンして無圧縮保存するとデーター量は200MBぐらいになりそうですね。こわw。
デジタルカメラのコスト(ランニングコストは1年分)
- SONY α7Ⅱ(新品) 130,000ぐらい
- レンズ 28mmF2(新品) 60,000ぐらい(標準用途で選んだ)
- SDカード 32GB 5,000円ぐらい
- 予備バッテリー 7,000円ぐらい
- バッテリー充電器 7,000円ぐらい
バックアップストレージ 130,000円ぐらいここでは除外しますiMac 2017 270,000円ぐらいここでは除外します
トータル209,000円!α7Ⅱまでは安かったなあとつくづく思います。今α7Ⅲを買おうとしたら+150,000が必要ですからね。
で、パソコンは必須だし持ってなければ安い奴でも+50,000ぐらいはかかるし寿命は長くても10年程度と思われるので完全に除外して考えることはできませんねぇ。バックアップストレージも必要でしょうから、結果的にはフィルムもデジタルも10年コストは同じぐらいかなと思いますね。
今までデジタルカメラで撮った写真データーを確認してみると500GB程度でした。保存は全てJPGでRAWは使いません。それでもこれぐらいのデーター量になりますね。これが消滅したら泣きますね。だからバックアップストレージは少なくとも二つは欲しいので20,000程度は必須でこれも10年ぐらいで更新しないと危ないって感じ。それと、デジタルはカメラは寿命から考えると10年以内に買い替え時期が来そうだから20年コストで考えるとデジタルの方が高くなる可能性が高いですね。フィルムカメラは長く使えば使うほど安くなる?フィルムが値上がりを続けているので何とも言えませんね。
皆さんはどうお考えでしょうか?
結論!
コストで考えればフィルムもデジタルもあまり変わらない(気がするwそう思いませんか?)
フィルムカメラはお金がかかるというのは正確にいうと「フィルムカメラはランニングコストが高くつく」って事です。イニシャルコストはとっても安いのでトータルで考えればあまり変わらない。
でも、カメラを持つ喜びと、写真を撮る楽しさではフィルムが上な気がするんですよね。
あなたはどちらを選びますか?
最後まで読んでいただき感謝です。ランニングコストが高く付きがちなフィルムカメラですが拙者の場合はランニングコストはほとんどかからないと言っていいでしょう。
そして、使うのが楽しいのはもちろんフィルムカメラ。当然デシタルカメラは道具としてはかなり優れているのですが、楽しいかと言われると…。
なんか、無限にパシャパシャ撮ってPCで同じような写真を大量に並べて選んでいると、何だか仕事しているような、作業的なような気がしてきて、なんか楽しく無いんですよね。
これについては、またいつか考えていきましょうw
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