こんばんは。ジャンカメハンターのぐりやんです。
本日調理するのは、昨年末の獲物でありました、ミノルタのハイマチックCです。
黄緑のボタンを押すと、レンズがパコンと飛び出す沈胴式なところが特徴ですね。
なぜか?ラッピングがされた状態で青箱に入っていました。
minolta HI-MATIC C
何だか炭酸飲料の様な名前ですね。外見はすっぽりと黒い革に覆われている感じで(実は革ではありません)、ハイマチックシリーズとしてはとてもコンパクトで沈胴式なため携帯性に優れています。ピントは目測ゾーンフォーカス式で、露出はシャッター速度優先EEですが、シャッター速度は1/250秒と1/30秒の2速のみ。お天気マークを選んで選択します。絞りはカメラが自動的に決めてくれます。レンズはハイマチックシリーズの中で唯一のチープレンズと言えるトリプレット(3枚玉)です。
状態を確認してみる
レリーズボタンを押してもシャッターが切れない、巻上げが何度もできる。沈胴機構がダメっぽくて自動露出もダメっぽいみたい。
シャッター速度優先EE専用機ですから、自動露出がダメならば文鎮ですなぁ。直れば良いけれど…。ヤバそうな予感…だなぁ。
沈胴レンズが収まらないためラッピングしてあったのか?フィルム室側から見るとどうやらネジが脱落しているようだ。このネジが無いとなると脱落して紛失だろうなぁ。
分解
まずは沈胴機構が直らないことにはどうにもならないので、沈胴機構を目指してイケそうだったら露出計を見ていこうと思います。
沈胴機構を目指し分解開始
このカメラは面白い構造でガワがモナカ構造で前後にパックリと別れるように外れます。
ガワは貼り革っぽく見えるけど革ではありません。
軍艦部カバーを開けると露出計の基板の腐食がヤバそうですが、まずは沈胴機構の修理が先決です。
続いて、レンズも前からバラします
と?発見しました!ネジが引っ掛かっています。どうやら内側からねじ止めされていたようで、もしかしたら全てネジを回収することができるかもしれません。
ここでネジが発見されたって事で、内側から4本のネジで固定されていたのが外れてしまったようですね。
残りのネジも底蓋の中から発見です。
が一本は折れていましたので手持ちのネジを代わりに使います。
分解ついでにパーツの状態を確認していると、チャージカムがグニャリと変形していましたので修正しておきます。
実は一番ヤバそうなのは露出制御電気系統だった!
自動露出の制御は針押さえ式の単純なものですが、いつものように液漏れした電池の電解液が基板まで流れ込み、配線と基板を腐食させています。
このカメラは青色の配線が電池ホルダーに繋がっていますから、この配線を伝って電解液が基板まで流れて来たと思われます。
青い配線は廃棄して交換することにします。プリント基板の銅箔はかなりやられていましたが、ギリなんとかなりそうです。緑色の配線が2本外れていますが接続先はCdSなので極性は無いはずですから、一本は電源から来た青線と一緒に、もう一本は半固定抵抗につながる場所にハンダづけして動作チェックをします。
かなり腐食が酷いけれどなんとかメーターは動きました。しかしCdSが劣化しているようで半固定抵抗を最低まで回してもメーターの振れが足りないです。応急処置として半固定抵抗をバイパスして見ると2段程度アンダーとはなるもののなんとか使えそうなレベルです。2段ですからASA400にセットしてASA100のフィルムを使えば概ね適正露出が得られそうです。
なぜ概ね?ということなんですが、実は劣化CdSは明抵抗と暗抵抗の差が少なくなっているんですね。ですからEV15(お天気の屋外の明るさ)程度だと適正露出なのですがEV値が下がるに従って露出オーバーになっちゃうんですよねぇ。つまりこの修理は一時凌ぎって訳です(スンマセンw)
なので、そのうちCdSを買って来て交換しようと思います。
ファインダーとレンズをクリーニング
ファインダー内部がかなり汚かったのでキレイにします。
ブライトフレームはアルバダ式なので蒸着を傷めないように慎重に行います。
レンズはカビなどなく状態は良かったので、前玉の前面と後玉の背面のみクリーニングしました。
最終チェックとコンディション認定
沈胴機構は完璧に治りました。しかし、上にも書いた通り露出制御に問題があります。マニュアル露出モードはありませんから、これは難あり品にもならず「ジャンク品」のままですね。修理未完ですw
あとがき
最後まで読んでいただき感謝です。
カメラの中から外れたネジが発見されて、露出計の針が動いた瞬間には勝利を確信したのですがまさかのCdSがダメで完治は先送りです。
CdSを買って来て再修理ですね。その前にの状態で一回試写して見ますかねぇw
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